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しゃけ ー 創作詩18

私は初めてが苦手

全ての「はじめまして」に
人見知りをする方だ

もう17歳の、
背伸びをすれば大人と言える
そんな年齢になっても
なかなか直らない私の悪い癖

コンビニ弁当なんかにも
人見知りをしてしまうから

私はお弁当を自分でつくる

だって
中に何が入っていてどんな味か
「はじめまして」は朝のうちに
できるでしょう

これはなに?どんな味?

食べたことないから、
なぁんにもわかんない

そんな「はじめまして」は
不安で食べられないのだ


でもだからって
私は初めてが嫌いなんじゃないの

本当なら、初めて会った彼らに
「だれ?」と言うより自分から

「はじめまして、よろしくね」と
優しく言えるようになりたいの


今日、私のお弁当には入っている

いつもの塩さばさんじゃなくて、
「はじめまして」のしゃけ

入っている 入っているけれど
まだ一口も、食べられていない

そんな今日のお昼休み


学校の仲間たちは私を
案外社交的な人だと教えてくれた

はじめましてした時の彼らにとって
私は友好的で優しい人だったらしい

「うん、よろしくね」って
絶対に彼らを拒まない人だったらしい

いつでも自然に笑みをこぼしてる
今もその前も
とても素敵な人だと教えてくれた

私は私が思っているよりも
嫌な人間ではないらしい
私の目指している素敵な人に
意外と似ている人らしい


なんだかいつもより
これから出会うかもしれない
彼らが恐くない気がした

私は私が知っている自分を
愛せるような気がした

お弁当の中のしゃけに
「はじめまして」

今度はちゃんと言えた気がした

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