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もう少しだけ2019年を引きずってみる(個人的に出会ってよかった作品54)

普段はどちらかというとアンビエントかノイズかアラビア・トルコ音楽を聴いている私ですが、いわゆる「テン年代」の終わりとしての2019年は、再結成やら数年ぶりのリリースやらで色々とあって、自分の好きなアーティストの復活に心踊らせているうちにあっという間に過ぎてしまいました。

・・というわけで(?)、実は個人的ベスト作品25というものはすでに記事化しているものの、それではあまりにも取りこぼしてしまったものが多かったため、改めて自分が2019年に聴いたものをピックアップしました。(※前回の25選については下記を参照ください。)

今回はアルバム、シングル、EP、リイシュー含む54作品を選定しています。

また、少し前からの試みでSpotifyのプレイリストも作っています〜!こちらは前回分を合わせて77曲、それぞれ選定した作品の中から個人的に好きな一曲を入れています。よろしければ〜

それではシングルからはじまります〜

1.出会ってよかったシングル部門

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(左上から)①Hallan「Habit」②christian löffler「Versailles」③EOB「Brasil」④Happa「 Ls14 Battler / 36th Chamberlain」⑤Marcel Dettmann「Bad Manner」⑥PVA「Divine Intervention」⑦Sam Evian「Right Down The Line」⑧Morchat Doma「Звезды」⑨The Voidz「Did My Best」

【感想(まとめ)】

シングルは比較的ジャンルの偏りなく聴いている気がします。個人的に、何も知らずEOBって誰だろうと思っていたらエド・オブライエンでびっくりした記憶が。

ギラギラしたギターから始まるサイコビリー+The Fall的スリリングなサウンドがかっこいい①Hallan「Habit」、レディオヘッドのエド・オブライエンのソロこと③EOB「Brasil」はジェントルなギターストリングスが美しく、後半にシンセサイザーが重なり奥行きが増す感じも面白いですし、④Happaはトラックメイキングをポップにしたご機嫌なハドソン・モホークのようですし、⑧Morchat Doma「Звезды」はベラルーシのジョイ・ディヴィジョンだと思います、サイコーです。

2.出会ってよかったEP部門

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(左上から)①Skee Mask「Iss004」②Brainwaltzera「The Kids Are AI」③Dita Redrum「 Shadowrun」④Ex-Terrestrial 「Gamma Infolded」⑤James Massiah「Natural Born Killers」⑥Joy Orbison「Slipping」⑦Ellll「Confectionary」⑧Karen Gwyer「Man on Monutain」⑨Molinaro「Apron」

【感想(まとめ)】

基本的に電子音楽ばかりですね・・所感としては、ブレイクビーツやアンビエントなどベース的なものはありつつ、ポスト・ダブステップ、ポスト・チルウェーヴ的なマイクロジャンルっぽく派生したものが多いような気がします。

①Skee Maskはブレイクビーツ、アンビエント、ダブステップと作品によって雰囲気が異なるのですが、「Iss004」はベースミュージック的だったり、ドラムンベース的なビートが鳴っていたりして深みがあります。

ウィッチハウスの生き残り③Dita Redrum「Shadowrun」は、一時期のヒップホップをおどろおどろしくしたようなマッシヴなサウンドからチルウェーヴ寄りに戻った?フロウティングで良いです。

④Ex-Terrestrial 「Gamma Infolded」はエイフェックス・ツインのアンビエントのようです、収録曲のタイトル「Bored Of Canada」というダジャレ?もなかなか面白いですね。

②Brainwaltzeraについては個別にレビューを書いているので、こちらもご参照ください〜)

3.出会ってよかったアルバム部門(泣きのもう一回)

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1900『Fältinspelningar』、Ancestral Voices「Samhain」EP(間違えてこっちに入れてしまいました)、Aparde『Hands Rest』、Barker『Utility』、Cagework『Cagework』、Charbel Rouhana『ILA MATA』、Elbow『Giants of All Sizes』、Erlend Apneseth Trio With Frode Haltli『Salika, Molika』、Trans-4M『Sublunar Oracles』(リイシュー)

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Floating Points『Crush』、Ghost Orchard『Bunny』、Frode Haltili『Border Woods』、Gaijin Blues『Gaijin Blues II』、Galcher Lustwerk『Information』、Ghost Funk Orchestra『A Song For Paul』、The Growlers『Natural Affair』、Helm『Chemical Flowers』、Leto V Gorode『1』

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Lowly『Hifalutin』、Lung Dart『Slouching Towards Meridian』、Marcus Hamblett『Detritus』、Martyn『GL Outtakes』、Mary Lattimore『New Rain Duets』、Mukqs『Any%』、Sin Fang『Sad Party』、Pleasure Symbols『Closer and Closer Apart』、Ploho『Пыль (Pyl)』

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J. McFarlane's Reality Guest『Ta Da』、sir Was『Holding on to a Dream』、Sorcha Richardson『First Prize Bravery』、Steve Hauschildt『Nonlin』、Sunburned Hand Of The Man『Headless』、Trippie Redd『A Love Letter to You 4』、Sasami『Sasami』、Vanishing Twin『The Age of Immunology』、Move D & Pete Namlook『Reissued 001』(リイシュー)

【感想】

結果的にとても多くなってしまい、先頭に①などナンバリングできなくなりました・・。

やはり基本的にはHelmのようなアンビエント+ノイズみたいなものが好きでよく聴いているのですが、Ancestral Voicesのトライバル+アンビエントの感じや、Erlend Apneseth TrioFrode Haltliに見られるフォークロア+アンビエント(+時々ノイズ)だったり、

またはMarry Lattimoreのハープをフックにしたアンビエントっぽいポスト・クラシカル、あるいはCharbel Rouhanaのようにウード、シタールといったアラビア音楽をジャズのアンサンブルで再構築する感じのような、

民族音楽に現代音楽的アプローチを加えたマイクロジャンルのようなものをよく聴いていたなあ、という印象でした。

また、MukqsRiobambaのようにちょっと狂っているんじゃないかというぐらいの過剰さを見せる複雑骨折をしたブレイクビーツのようなものもいいなあ、と思います。

Ghost Orchardのようなベッドルーム・ミュージック然としたアーティストも相変わらず世に出てきてくれていてとっても嬉しいです。

おまけ)入れ忘れたけどこれもよかったです部門

1月もけっこう過ぎてしまいましたが、今年もよろしくお願いします〜。

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