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ウチの下の息子に似た子

公式リーグ戦に参加しているあるチームに、うちの下の子にそっくりな子がいる。

息子の試合の前の試合に出ていたのを偶然見かけたのだが、髪型や背格好、佇まいから、走ったりする所作もそっくりで、LINEで妻に写真付きで報告したところ、「〇〇(下の子)じゃん」と言うくらい似ている。

あまりに似ているので、時折その子のチームの試合を、息子と関係のない試合なのに、何となく見ちゃったりして、なんだか他人事じゃないように感じているのだが、地味にヤキモキしているのが、このチームが弱いのだ。それも圧倒的に。


本来なら、他人事じゃないなんて言ってはいるが、「下の子にそっくりな子がいる」ってだけのまったく縁も所縁もないチームなので、別に勝とうが負けようが関係ないし、どーでもいいのだが、スコアが0-30とか、0-20とかウソみたいな点差で負けているとなると、さすがに話は別だ。

他人が見ても同情するようなスコアに、おれとしても心配してしまう(おれも他人や)。

ウチの子(にそっくりのあの子)は大丈夫かな、と心配になるのである。



実はこのチーム自体は前から知っていて、去年まではリーグでも中堅レベルで特別弱い印象はなかったのだが、今年はパッと見で1.2年生くらいの子ばかりで、勝った負けたと言うよりも何とか試合に頭数揃えてるいるよう状況で、つまり弱いとか強いとかいう問題じゃないわけだ。

なんてったってウチの5歳の子と背格好が似てる子がFWなわけで、そんな子がちょこちょこ一生懸命走り回っているのはかわいいが、さすがに6年生たちを相手にいいプレイなんかできるわけがなく、20点差、30点差とつけられていると、やっぱり不憫に思えてしまう。

休みの日に早起きして朝から試合に来て、熱中症警戒アラートも出るような暑さの中で一生懸命走り回って、んで、ロクにボールも触れずに大敗するというのは、ふつうに楽しくないんじゃないかな、サッカー辞めたくならんかな、と心配になるわけである。


ただ、どう思っているかなんて、こればかりは本人たちにしかわからないことだよな、とは思う。

大敗の中でも少しずつ自分たちの成長を感じているかも知れんし、全然無関係のおれなんかが「かわいそう」なんて同情するのも失礼な話ではある。


たまに野球でもバスケでもサッカーでも、学生スポーツの地方大会なんかで記録的な点差の試合があるが、あれも無関係な周りは(無関係であれば無関係なほど)わーわー騒ぐが、当事者である負けた子たちは「楽しかった」「試合ができて良かった」と言っていることが多い。


勝ち負けだけがスポーツの価値じゃないんだよな。


でも。

でも!である。

そんなことは頭ではわかっていても、それでもやっぱり見ていてかわいそうだよなあ、とは思ってしまうよ、どうしても。


「ウチの下の子に似ている」というだけの親近感でも見ていてツライんだから、親御さんたちはさぞ・・・とか思っちゃうが、どうなのかな。

意外と覚悟が決まってたりするのかな。


こんなのおかしい!年齢・実力に合った相手と試合するべき!とは、当然思うけども、でもまぁしょうがないよな、とも思う。

都会と違って選択肢も、競技の裾野も広くはないんだ。


願わくはあの子たちにとって、サッカーがハッピーなものでありますように。

差し出がましいが、同じ年頃の子を持つ親として、そう願うのである。



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