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掌エッセイ

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心に水を。日々のあれこれを随筆や掌編に。ほどよく更新。
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2022年12月の記事一覧

【掌編】遅れてきたバス

【掌編】遅れてきたバス

「くそっ、十分前かよ!」と、私は毒づいた。

バスの話だ。ほんの十分の差で、最終バスに間に合わなかった。

そこは陸の孤島めいた高台の住宅街で、時刻を考えると、タクシーは簡単には捕まりそうもない。だめもとで愛用の配車アプリを開くと、到着まで三十分という表示が出た。

三十分もここで無為に待つくらいなら、駅まで歩くか。コロナ禍で運動不足が極まっているし、ちょうどいい機会だ。

そう腹を決めて駅の方向

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