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掌エッセイ

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心に水を。日々のあれこれを随筆や掌編に。ほどよく更新。
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2022年9月の記事一覧

【エッセイ】あちらのお客さまから

【エッセイ】あちらのお客さまから

一度でいい。“あちらのお客さまから”をしてみたい。映画で見るようなあれを。

そこは繁華街の喧騒がかろうじて聞こえる、裏通りに溶け込むように佇むバー。狭く薄暗い店内には横長のカウンターとスツール、いくつかのテーブル席が設えてあり、耳を優しく撫でるような音量でジャズが流れている。

さまざまな銘柄のハードリカーが壁際の棚を美しく彩り、カウンター内でシェイカーを振っているマスターが、不安げに入ってきた

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【エッセイ】エレベーターの乗りどき

【エッセイ】エレベーターの乗りどき

繁華街によくある、八階建てくらいの飲食ビルのエレベーターがどうも苦手だ。

そういった場所で飲み会があるとき、私はすぐにはエレベーターに向かわない。まずは柱の陰などから遠巻きに、大抵そうしたビルのやや奥まったところにあるエレベーターの周辺状況を、探偵になったつもりで偵察する。

そこに面識はあるけれど、あまり話したことがない、微妙な距離感の知り合いがいないか確かめるためだ。

そういった間柄の知り

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