子どもの話は信用できる?
こんにちは。ぽん先生です。
昼は暑いのに夜はなんだか秋を感じる。
そんな季節になってきました。
さて、今回お話するのは「子どもの話は信用できるのか?」ということ。
とにかく信じて受け入れるというのが保育士としての正解かと思いますが、今日はもう一歩進んで考えてみたいと思います。
本当にあった話
数年前、保育園に通っていたとある子。
少し泣き虫だけれど、明るくて素敵な子で、友達とのトラブルはあまりない子でした。
さて、そんな可愛いその子でしたが、ある日友達とちょっとしたトラブルがありました。
でも別に本人はトラブルがあったことをそんな気にしていなくって、友達が「ごめんね」と言えば、「いいよ」と納得した様子で答えます。
ところが、家に帰ると違うんです。
「保育園でこんなことがあって本当に悲しかった」と家では大泣きするんです。
そしてそんなことがあると、心配になった保護者は数日間保育園を休む。
さて、保育園での子どもの姿と家での子どもの姿。
どちらの子どもの言葉を信用したらいいでしょうか?
子どもに聞いてみた
やっぱり何度考えてもその子はトラブルに対して何とも思ってないようにしか思えないんです。
話し合いが終わればケロッとしているし、悲しい気持ちを心の奥底に押し込めているようにも見えない。
そこで子どもに聞いてみたんです。
「ねぇ、この前〇〇くんとケンカになったの覚えてる?」
「うん!覚えてるよ」
「その時どんな気持ちだった?」
「悲しかった」
「そうか。それで?」
「お家に帰ってパパとママにお話したの」
「それで?」
「パパとママが少しだけお休みしなさいって」
「それで?」
「保育園お休みして動物園に行ったの」
「それで?」
「すっごく楽しかったよ!」
「そっか、ありがとう!」
さあ、このやり取りを見て皆さんはどう思いましたか?
僕はある仮説を立てました。
保育園も好きだけど、家族で出掛けるのはもっと大好き。だから、家族でどこかへ出掛けたいがために、それほど気にしていないのに家で大泣きするんじゃないかと。
保護者にも聞いてみた
そこで保護者の方にも聞いてみたんです。
今日〇〇ちゃんから話を聞いたんですけど、休み中にお出かけされたんですか?
「はい、動物園に」
「自宅で大泣きすることがあると、休み中は必ず出掛けるとかありますか?」
「そうですね、気分転換のために」
ほらやっぱり。
それでね、僕の仮説を説明してみたんです。
合ってるか間違ってるか分からないけど、もし賛成していただけるなら気分転換のお出かけをやめてみてもらえないかと。
「じゃあ次からは家で過ごしてみますね」
本当に保護者の方には感謝しました。
普通こんなテキトーな空想を信じてくれませんよね。
でも「子どもが少しでも家で笑っていてくれるなら」と信じて受け入れてくださったんですからすごい話です。
半年後•••
さて、それから半年くらい経ちました。
その間に2回保育園でトラブルがあり、家で泣いたとのこと。
僕の話を実行してくださった後は、自宅で大泣きすることがあっても自宅から出ないで1日休んでから、次の日はまた保育園に来る。
そんなふうにしてくれました。
さあ、今日またトラブルがありましました。
そのことを保護者に説明して、また自宅での様子を伝えてくださいとお話しました。
どうだったでしょうか?
「家で泣きませんでした!!」
次の日登園した保護者が小さな声で私に教えてくれた言葉です。
なんと僕の仮説は当たっていました。
本当にその子は家族でのお出かけのために大泣きしていたんです。
いや、正確に言えばそうじゃないかもしれない。
でも、家で泣かなくなったことは確かなんです。
その次も。
そのまた次も。
いやあ、良かった。
子どもをどこまで信じるか
じゃあ子どもの話ってどこまで信じたら良いんでしょうか?
ここまで話してきましたが、別に子どもの話は嘘ばっかりだなんて揶揄したいわけじゃないんです。
子どもの話を信じて耳を傾けることは、保育士や保護者だけでなく、周りの大人たちが今本当にやらなくてはいけないことだと思います。
では、どうやって本当の気持ちとそうでないものとを見分けていくのか。
それは、同じことが繰り返されるか、そうでないかだと思います。
でも繰り返されたからと言って、別に「この子は嘘をついているんだ」と決めつけてほしいわけでもない。
その時には、その子は何を目的にその言動が出てくるのかと言うことを考えてあげたら良いのかもしれません。
もちろん今お話したたった1つの出来事でこのように決めつけたわけではありません。
僕の浅い保育経験の中ですら何度も感じたことなんです。
だから•••
子どもの話はまず信じて行動する。
とにかく信頼して、親としてできることをやってあげたら良いんです。
何ともない普通の出来事であればそれで解決するから。
でもそうじゃないことがある。
それは子どもが何度も同じ姿を繰り返す場合。
そんな時にはちょっと俯瞰して全体を見てほしいんです。
「何でこの子はこんなにも」っていつまでも考えたって、どんどん深い沼にハマってしまうだけだと思うんです。
だから、子どもを思いやる保護者である自分をやめてみる。
そうすることで俯瞰的に世界を見られるかもしれない。
まぁそんなことしなくても近くにいる保育士なんかに聞いてみたら良いんですけどね。
だから、まず大人がやるべきことは、
子どもの話を信じて受け入れる
ということなんです。
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