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poetry

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#一日一詩

嘗て、僕は、チョコレートだった

あの日、ポケットの中で溶けたチョコレート。 ポケットに締まったことを忘れた記憶とあの日の…

7

僕は誰

空気に晒され帯びていく 口に入れた瞬間に口に纏わりつく酸味 変わったのは君か僕か それを無…

2

胃液

何もない 消化出来るものも 積み上げたものも 空っぽの体内から吐き出された胃液 それを見つ…

3

孕む矛盾と鳴り響く祈りの歌

差し伸べたその手で相手の自主性を骨抜きにした心優しき人 愛する人に送った毛皮のプレゼント…

5

スタートライン

いつまで時代に寄り添っているつもりなんだ 知っているとは思うけど 改めてめて言う必要もない…

2

夢に見ている

この世界に存在し得るものは一体何なのでしょうか そこには一つの問いすらも形を留めることが…

3

瞳の奥

瞳の奥を見つめていました そこにいたのは青い鳥でした 青い鳥は風が乗せてきた音楽と共にありました フェンダーのアンプに通されたクリーンなギターのアルペジオと時折掠れる声 その声の裏には誰にも摘まれることなく朽ちていった真っ赤な果実がありました 腐敗していく真っ赤な果実が見せる時の流れの中に幾つもの虫たちが屯っていました そこには何の犠牲もありませんでした あったのは一片の曇りもない利己でした その利己の元には懐かしい景色が落ちていました それを拾い上げてみるとそれは生ぬるくド

心を焦がし生きる

君の その情熱が その想いが その表情が その息遣いが その言葉遣いが その気遣いが その語り…

7

刹那

永遠の時間を切り刻んだ 切り離された時間が地面に散乱した その辺に落ちていた木の棒で 地面…

4

無色透明

無くしたい 何を無くしたいのかはわからない 抱えている この腕に抱えている この荷物は何だろ…

5

私は知らなかった

今日も今日とて せっせかせっせかとゴミを作っている 命を殺め
汚染物質を吐き出し 化石燃料…

8

理由なんてないのに

私じゃなきゃいけない そんな理由なんて何処にもない 五体満足に生まれたのが君じゃなくて私…

5

刹那より遥かに短い時の中で

この瞬間に見えた幻は我が生か この声は誰かの笑い声か 何故、この瞬間に収まったのだ そんな…

3

無意味な世界に無価値な戯言を

君に一体何を残せたのだろう。 別に覚えていて欲しい訳じゃない。 バイバイした次の瞬間から薄れゆき、数十回眠れば記憶の隅に追いやられ、きっと数百回眠れば綺麗さっぱり消えて無くなる。 誰かにとっての悲しみにすら値しない。 別に人生を変える程の何かが出来たなんて思っていない。 伝えたかった言葉も稚拙故に形にならず、そもそも君にとっては受け取る価値のある言葉なんてそこには何も無かったのだろう。 そんなことは大いなる妄想。 身の程知らずも甚だしい。 それでも、その時間とこの時間が