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無意味な世界に無価値な戯言を

君に一体何を残せたのだろう。

別に覚えていて欲しい訳じゃない。
バイバイした次の瞬間から薄れゆき、数十回眠れば記憶の隅に追いやられ、きっと数百回眠れば綺麗さっぱり消えて無くなる。
誰かにとっての悲しみにすら値しない。

別に人生を変える程の何かが出来たなんて思っていない。
伝えたかった言葉も稚拙故に形にならず、そもそも君にとっては受け取る価値のある言葉なんてそこには何も無かったのだろう。
そんなことは大いなる妄想。
身の程知らずも甚だしい。

それでも、その時間とこの時間が混ざり合ったあの場所で、君がそこにいて、僕がそこにいた、その意味を問うてしまうことは、ロマンチストにもなれなかった恥知らずの戯言なのだろうか。
それは、自愛に満ちた壮大な自慰なのだろうか。
自らが浸りたいだけの無力さに打ち拉がれた憂いの演出なのだろうか。

目が覚めれば、そこには僕とは無関係な無垢な朝があり、君は自分で絵を描くことが出来る。
嘆きじゃない。
そうあるべきだ。

でも、一つ願いが叶うとするなら、いつかその絵を見てみたい。
そんなことを思うぐらいは、許してもらえるだろうか。

見ていただけたことが、何よりも嬉しいです!