私は知らなかった

今日も今日とて
せっせかせっせかとゴミを作っている

命を殺め
汚染物質を吐き出し
化石燃料を消費し
誰かの命と引き換えに
報われなかった幾つもの生の上で
今日もゴミを作っている
誰にも何にも価値のない意味のないゴミを

それはもはやゴミとも言えないのだろう
ゴミと呼んでくれる者もいないのだから
それでも生産し続けるこれは
一体何と呼べばいいのだろう

誰かに憧れた美しいそれは
私の手の中で生まれることはなかった
それでも生産し続けてしまうのは
一体何故なのだろう

人間が故
そんな斜に構えた言葉で片付けられる程のものを生み出せてはいない
虚しさと戯れるだけの暇つぶし
それすらもかっこつけの戯言だ

残したいわけではない
輝きたいわけでもない

そうありたいという醜いまでの願いであり
幾つもの選択肢を抱えながら一つしか見られない愚かさであり
結局は意味を求めてしまう煩悩の姿

ただあることがこんなにも難しいなんて
私は知らなかった