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music 『In the Aeroplane Over the Sea』

『In the Aeroplane Over the Sea』Neutral Milk Hotel

この曲が入っている「In the Aeroplane Over the Sea」というアルバム自体がそもそも大好きだけど、中でもアルバム名を冠するこの曲を、私は愛して止まない。

最後の晩餐的な感じで死ぬ前に三曲選んで聞くなら、絶対にこれは選ぶ。生と死の境界を超えて、こんなにも世界を輝かせる曲は他にない。

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この曲は私の救いだ。

死の甘さに浸るには私は大人になりすぎているし、死の怖さを忘れるには私は5歳児のままである。だからこそ/それなのに、連続し続ける現実に負けそうになる日々。

そんな私に、「生きていること」を、「”生きていてよかった”と感じること」を、この曲は許してくれる。


なぜなら、この曲が「生」を愛しているからだ。この曲は「生」を謳歌する。「死」なんて何でもないことのようである。その心強さに、嫌いなことも嫌なことも生死すらも、全てがどうでもよくなる。見つめるべきは "every beautiful thing we can see" であり、生に心が躍るままに目の前の全てが愛おしくてよい。全身に流れる生命の煌めきを指の先まで感じることに精神を集中させれば、「意味」なんていうのは概念から甚だ無駄な気がしてくる。現象的意識が、世界を覆い尽くして揺らめいている。

そしてこの曲の、 "but for now we are young" と言えちゃうまっすぐさや生きることの上手さに、私は本当に救われている。

手放しに「生きていてよかった」と思っていいし、意味もなく生を愛してもいいんだ。



昔どこかで、『we will have been young』という写真集のタイトルを褒めている人がいた。このタイトルが纏う膜は、私が『In the Aeroplane Over the Sea』を好きな理由と似ている気がする。


限りある生命の中で、こんなに生死を受け入れられる曲を私は他に知らない。

この曲の中で永遠に生きていたい。あるいは死を迎えるその瞬間に、光の中で笑いながら聴いていたい。


ばばみお





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