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生まれて初めて出待ちをした思い出話(ナインティナインのANN編)

お台場という街が好きだ。
なぜなら一生忘れる事のできない思い出が、お台場の街にはあるからだ。

2000年代前半の話。
ナインティナインのオールナイトニッポンというラジオ番組を聴くのが大好きだった。
ナイナイのオールナイトは、僕が生まれて初めてハガキを読まれた思い出の番組でもある。
二人のトークを聴くのが当時何よりの楽しみで、放送日が毎週待ち遠しくてしかたなかった。

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ラジオの中で岡村さんと矢部さんが、出待ちに来たハガキ職人の話をする事が時々あった。
そんなトークを聴いて、ラジオには出待ちという文化がある事を知った。
番組を毎週聴いているうちに、いつか自分も出待ちをしたいと思うようになった。

そしてある日、僕はナイナイの二人を出待ちするためにニッポン放送へ向かったのだった。
当時のニッポン放送は、お台場にあるフジテレビ内にあった。
お台場に到着すると、出待ちのファンと思われる方がたくさんいたので、その人たちの近くで自分も待たせてもらった。

その日は真冬で本当に寒かった。
体を震わせながら二人が出てくるのを待っていた。
するとラジオの生放送が終わった深夜3時を少し過ぎた頃に、一台の車が駐車場から出てきた。
そして車は一時停止し、窓が開いた。

そこにいたのは岡村さんだった。

出待ちのファンに気付いてわざわざ車を止めてくれたのだ。
大好きなラジオ番組のパーソナリティーが目の前にいる。
本当に夢のようだった。
岡村さんは、車の窓から手を出して一人一人のファンと握手をしてくれた。
そして自分も岡村さんに近づき握手をしてもらった。

岡村さんは「ありがとう!」と言いながら僕の手を握ってくれた。


本当に嬉しかった。
岡村さんは、生放送で疲れているはずなのに出待ちに来たファン全員に対応していた。
ラジオを聴いているリスナーならみんな知ってると思うが、岡村さんは本当にリスナー思いの素敵な方だ。
ファン全員と握手する岡村さんを見て、改めて岡村隆史という人間が好きになったし、本当にリスナーを大切にする人だなと思った。


全てのファンの対応を終えると岡村さんはニッポン放送を後にした。
残念ながら矢部さんとは会えなかったが、岡村さんに会えただけでも嬉しかった。

出待ちの帰り道。
真冬のお台場は相変わらず凍えるような寒さだったが、僕の心の中はポカポカに温かくなっていた。
もちろん理由は、憧れの岡村さんに握手してもらえたからだ。


あの出待ちからもう随分長い年月が経った。
でも未だにお台場を通ると思い出す。
生まれて初めて出待ちをしたあの日の事を。
岡村さんの優しさに触れたあの日の事を。

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