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【旅エッセイ47】神戸の美味しい洋菓子たち

 神戸には親しい友人のMが住んでいて、東京に遠征してくる時にたまに会う。怠け者で気の利かない私と違って律儀な子なので、友人Mは会うたびにお土産をくれる。神戸の美味しいスイーツとか。

 私は気が効かないので、たまに遊ぶ時にもお土産を渡す発想が出てこない。これを書きながら反省している。Mから色々なお土産をもらって知ったのだけど神戸には美味しいスイーツがたくさんある。

 ユーハイムのバウムクーヘン。外側のホワイトチョコのコーティングと柔らかな食感がたまらない。モロゾフのプリンは卵の甘みを感じられ、しっとりとした弾力で舌触りはなめらか。観音屋のチーズケーキはオーブトースターで温める衝撃的なケーキ。チーズの味と香りがこれでもかと味わえる。神戸フランツの苺トリュフは苺の甘酸っぱさとチョコレートの甘さが混ざり合っていくらでも食べられる。

 とにかく神戸のスイーツは美味しいものが多い。港町だから海外の美味しいものが一挙に集まるのだろうか。気になったので調べるとやはり港町なことが影響していて、神戸のスイーツの歴史は古い。明治からスイーツの歴史が続いているので、洋菓子と呼ぶ方がしっくりくる。

 神戸では1869年に外国人の居住地でパン屋が開業し、ホテルでもデザートが出されるようになった。それからコーヒーショップができたり神戸のお店がビスケットを作ったり、洋菓子は急速に浸透。ユーハイムに至っては第一次世界大戦で日本の捕虜になったドイツのユーハイムさんが釈放後も日本に残り、神戸へ移住したあとに開いたカフェなんだとか。さすが歴史が深い。

 神戸と同じ港町の横浜にも洋菓子は多そうだけどな、とも思う。きっと私の知らないだけで横浜にも美味しい洋菓子が山ほどあるに違いない。私は色々な情報に疎く、人から教えてもらったりして初めて知ることも多い。

 そういえば、京都のグリーンティーを教えてくれたのもMだった。「緑茶と何が違うの?」と私がうっかり発言したら、次に会った時にグリーンティーの粉末をプレゼントしてくれた。グリーンティーは抹茶に砂糖が入っており、甘い。私は緑茶は苦手だけどMに教えてもらってからグリーンティーは今でも好きで、時々飲む。

 これを書きながらまた反省する。私は色々な人に色々なことを教えてもらっている。何か恩返しができたらいいのに。せめて旅先の魅力くらい、うまく伝えられるようになりたい。

 神戸は歴史のある洋菓子も、歴史を刻んだ街並みも、たくさんの時間をかけて形成された六甲山と大阪湾の景観も美しい。

 写真は、神戸を訪れた時に撮った一枚。
 Mを訪ねに行ったのだけど、この時もやはり私はお土産を忘れた。とりあえずMと次に会う時は、何かお土産を渡そうと思う。


また新しい山に登ります。