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宣伝で一番大切なこと(エッセイ)

文系サークルの「ペンシルビバップ」は結成してもう10年を超えているのですが、SNSを使って宣伝をちゃんとやるようになったのは、本当にここ数年です。

「宣伝なんて必要ないぜ!」とストロングスタイルを気取っていたわけじゃないのです。ただ、メンバーの誰も普段から積極的にSNSをやるタイプではなかったので、「宣伝は必要だよね、やらないとね」と思いながらも開催直前にサークル用のツイッターで何回か宣伝ツイートするくらいでした。私の個人のツイッターに至っては、半年に一回も見ない程度なので削除したほどです。

今でもそれほど効率的に宣伝ができているわけじゃないし、「本当にこれで合ってるのかなぁ」と迷いながらやっています。なので今日も結局のところ書きたいのは「5/19(日)に開催される文学フリマ東京38に出展するよ」という宣伝なのですが、ちょっと無駄話にお付き合いください。

元々ペンシルビバップの本は「初めてイベントに参加した人でも気軽に手に取って読める本」というコンセプトがあって、誰がいつどの号を手に取っても楽しめるように「短編・一次創作・一話で完結」という作りになっています。

一冊ごとに共通のテーマを決めて、テーマは表紙を見てもらうだけでわかるように表紙に書かれています。たとえば今回の37号【幽霊】の表紙はこちらです。

素敵な表紙は毎号「とうこ」の力作です

※自サークルの作品ですが、表紙は自分で描いているわけじゃないのでべた褒めしますが、テーマに完璧に沿ったすごく素敵な表紙だと思いませんか? 他の表紙も素晴らしいので会場でぜひ見てもらいたいです。

イベントではブースの前を通りがかる人に声をかけて、お話して、立ち読みしてもらって、興味があったら買ってもらって、と一期一会を大切にやっていました。

それで買ってくれる人もいたので満足して、SNSを使った重点的な宣伝はしていませんでした。「積極的に宣伝をしよう」と心がけるようになったのは(前にも書いたかも知れない)ある時、イベントで売上0冊を達成したのがきっかけです。

コロナ禍でブースでのおしゃべりも何となくしにくい雰囲気、手に取って読んでくれとも言いづらい空気感があって、結局はただブースの中で座っているだけの一日を経験して、力不足を痛感しました。

作品を作る時にはいつも「遊び心」を大切にしています。手に取った人に楽しんでもらいたいからです。ありったけ遊び心を作品に詰めて、誰なのかわからない頭の中の想定読者を相手に「こんなものを書いたぞ、面白いだろ」と呼びかけながら書くわけです。そうしてせっかく完成させた作品ですから私の頭の中のイマジナリー読者ではなく血肉を持った読者に、手に取って読んでもらいたい。

同人誌ですから売り上げ目標があるわけじゃないし、赤字だからといって活動が潰れるわけでもありません。でも書いて、推敲して、編集して、入稿して製本して誰かに読んでもらうまでが同人誌です。なのでSNSを使って宣伝もしなきゃな、と思ってイベント前は積極的にSNSを更新するようにしています。

ところで。

「宣伝で一番大切なこと」ってなんですか?

情報をわかりやすくまとめること?
とにかくインパクトを残すこと?
作品の概要がわかったほうがいい?
試し読みができればいい?
全文公開してしまえばいい?

未だにさっぱりわかりません。たぶん、宣伝が得意な人や、仕事でやっている人の中には自分なりのノウハウのようなものがあって、それに則ってやるのでしょうけれど、私には何も知見がないし、ネットで聞きかじったような知識を元に手探りでサークルの宣伝をやっています。

たくさん宣伝しても「またこいつかよしつこいな」と思われそうだし、宣伝しなくちゃそもそも誰にも知られないしで、自分が正しい道を歩いているのか迷いながら、それこそ道迷い直前の登山客のように探り探りで宣伝しています(申し訳程度の山男アピール)

曲りなりにも文系サークルの主催ですから、誰かの心を一撃でバーンと掴める最強キャッチコピーとか打ち出せればよいのでしょうがそういうセンスのあるタイプでもないので、せめて二度、三度と宣伝を目にした人が飽きないようにエッセイスタイルでこうして宣伝しています。これで良いのかもわかりません。本当にこういう内容で良かったのだろうか、と感じながら書くのは小説も宣伝も同じですね。宣伝で一番大切なこと、わかりませんがこれからもせめてイベント直前には飽きられない宣伝を続けようと思いますのでお付き合いいただけたら嬉しいです。

文学サークル「ペンシルビバップ」は5/19(日)文学フリマ東京38に参加します。作品の中身だとか、地図だとか、伝えなきゃならないことはたくさんありますが、本当に伝えたいことはこういうことですよ。

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また新しい山に登ります。