スクリーンショット_2020-02-19_23

なぜ日本はJavaが多いのか。IT業界(SIer)のビジネスの構造と仕組み

世の中には、様々な言語や技術が生まれ、次第に使われなくなってくる。
どの言語、どの分野から入れば良いのか迷うところもある。

AI、IoT分野であれば、「Python」、「R」が強いと言われている。
昔からある言語では、「C言語」「C++」「C#」「VB」「Java」「Shell」「JavaScript」「PHP」「Ruby」などなど、多数存在している。
最近では、「Go」「Scala」「Kotlin」「Swift」「TypeScript」が出てきている。

また、企業の戦略にもよって「BuzzWord」が飛び交っている。
その「BuzzWord」が次第にシェアを獲得し、現実化する分野もあるが、ほどんどの場合は淘汰されていく。
つまり、これは時代とともに変遷した各社の戦略とシェア争いによるものだ。

我々エンジニアは「BuzzWord」に振り回されないように、見極めなければならない。
また、自社サービスを持つ会社もあるが、今後どれだけの自社サービスが海外やGAFAに対抗できのだろうか。
日本と海外のマーケットは違う。もし海外に行き、活躍したいなら別だが
国内にいるのであれば、日本市場をよく見ていく必要がある。

ここで、日本の現実と言えるIT業界(SIer)のビジネスを見てみよう。

まず、SIerとはシステムインテグレーション(SI)を行う業者のことで、
SIに「する人」に「er」を付けてできた造語と言われている。

つまり、SIerは、官公庁・銀行・電力・物流・出版・保健・医療・通信・製造・農業・学校など様々なほぼ全ての業界からシステム開発を依頼を受ける業者になる。
これらのSIerは、様々な業界から依頼を受け、日本の社会インフラや基幹システムに入り込み、ITを通して社会を支えていることになる。

2018-2019年のIT業界 売上高ランキングを見てみると、下記となっている。

企業名 売上高(億円)
1.富士通 31,237
2.NEC 29,134
3.NTTデータ 21,670
4.日立製作所 20,659
5.大塚商会 4,632
6.野村総合研究所 4,599
7.伊藤忠テクノソリューションズ 4,519
8.TIS 4,207
9.SCSK 3,586
10.日本ユニシス 2,990

日本のほとんどの大型案件は、これらの大手SIerが受注し、協力会社を募り、
プロジェクトを遂行することになる。

次に、これらのSIerはビジネスとして、どのようなソリューション(製品)を採用し、日本社会の基幹システムを支えるベースの技術はなんだろうか。

各社の主な製品をざっと見てみよう。

業界No.1 富士通
基幹オンラインシステム基盤 「Interstage Business Application Server」→Java

業界No.2 NEC
業務システム構築基盤ソフトウェア「SystemDirector Enterprise」→Java、.NET

業界No.3 NTTデータ
システム基盤設計 「TERASOLUNA」システム開発の総合ソリューション→Java、.NET

イントラマート システム共通基盤/PaaS
→Java


業界No.4 日立製作所

クラウドサービスプラットフォーム Cosminexus →Java

HiRDB ミッションクリティカルなデータベース(HiRDB Type4 JDBCドライバのJDK対応/.NET Framework)

また、その他

TIS

Nablarch(ナブラーク)包括的設計されたJavaアプリケーション開発/実行基盤→Java

日本ユニシス
アプリケーション開発標準 MIDMOST® for Java EE Maia

上記、すべてこれらの日本のSIerは自社のミドルウェア、フレームワークにJavaの技術を取り込み担いで、投入している。(.NETの採用もあり。)
よって、これらの社会に根付いている基幹システム、ミドルウェアなどは、他のサービスや製品に置き換えることは困難を伴うため、それ以上の大きなメリット(コストダウンや効率化など)がなければ、このまま採用され続けることなる。

世の中に様々な言語があるが、これらをみるとどの言語の習得に励むべきかが明白になる。
そう、日本社会でIT業界で生き抜くためには、まずはJAVA、.NET(C#)に取り組むことが賢明に思える。(精通すれば、食べるものに困ることは、あまり無いだろう。また、他にもスキル転用できる。)

新しいGo言語やその他も気になる。やりたい。AI、IoTも挑戦したい。ただ、その時は、製品のシェアをよくみるべきだ。シェアを握れていないところで戦っても、先行投資が回収できない場合、道半ばで終わってしまうだろう。

まずは日本社会でまともにエンジニアとして生きていくでのであれば、基幹となる言語を習得した後、新しい取り組みを始めるべきと思う。
もちろん、ずば抜けた才能がある方には、これらは不問である。恐らく悩みもせずに、新しいサービスをもう始めているはずだ。

エンジニアとして、どう生きるのかは自分次第。頑張っていきましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?