食欲の秋
五反田鞠子がついに秋を食べ始めた
それはもうありとあらゆる秋の味覚が
舌の上に同時に押し寄せた案配で
食通を自称していた鞠子も
食べ終わる頃には白目をむいていた

その日から季節は春・夏・冬になった

今、目覚めた鞠子が
難しい顔で調べものをしている
春の味覚について…

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。