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織田信長芋田楽

歴史と食について研究している永山久夫先生を敬愛しております。参考までに。こちらで少し言及しています。↓

ご著書の中で、歴史上の人物と食にまつわる話をよく紹介しておられるのですが、そんな中で、印象に残っている織田信長にまつわる話。
信長が敵対していた三好家を倒した後、その大名に仕えていた料理上手な坪内という者を捕縛。
「うまい料理を作ってみせよ。その出来次第で召し抱えてやる」と命令。
すぐに殺されずに済んだものの、ご機嫌を損ねると大変なことになる。一方、信長を満足させられれば、再就職。ということで、坪内は腕によりをかけた料理を献上。
それを口にした信長、真っ赤になって激怒。
「こんな水くさい料理が食えるか、首を刎ねよ」
真っ青になった料理人、
「もう一度、作り直させて下さい」と懇願。
再度、料理を献上すると、今度は信長はご満悦。坪内某は命が助かったばかりか再雇用。
同じ人が作ったのに?どういうことかというと、最初の料理は貴族や皇族が好みそうな薄味な物を提供。しかし信長は田舎育ちであり、濃い味付けの方がお好みだったということ。それを察して、坪内は二度目には濃厚な味付けをしたということでした。
という逸話を思い出し、今日は濃厚風味な料理を作ろう。


材料

長芋 好きなだけ
八丁味噌 大匙 3
酒    大匙 1
味醂   大匙 1
蜂蜜   小匙 1

以上は基本的な量ですが、お好みで味噌や味醂、蜂蜜は適宜、追加。
あと
片栗粉と水を適当に

メイン食材は長芋ですが、影の主役はこれ。

八丁味噌

信長の出身地、尾張の隣国、三河で作られている味噌。今は尾張、三河共に愛知県。ほぼ同じ食文化圏。
愛知県、独特な食文化があります。
味噌カツ、味噌おでん、味噌煮込みうどん。そう、つまりこの味噌が肝。

御覧の通り、かなり赤身が濃い。他の地域で作られている米や麦の味噌と違って、この味噌は大豆のみで作られています。
大豆にはレシチンが豊富。これは動脈硬化や高血圧の改善ばかりか、記憶力向上等、脳にもよく利く。所謂、愛知圏出身の三英傑、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康はこの赤味噌を食べていたからこそ天下人に?

まずは長芋を拍子木形に切る。

串を刺す都合上、この形に切りました。他の形がよければ、ハート形でも幾何学模様でもお気に召すように。
これを魚焼きグリルとかオーブントースターで時々、返しながら焼き目が付くまで焼いていきます。
その間に田楽味噌を作ります。
鍋に味噌、酒、味醂、蜂蜜を入れて混ぜながら加熱していく。味噌が固いので、水を少しづつ混ぜて溶かしていく。
水っぽくなったら味噌を加えたり、味醂を加えたりして濃厚味をキープ。どろっとしてきたが、とろみが欲しいので水溶き片栗粉投入。
加える味噌や味醂の量はお好きなように(アバウトに)
どろりととろりとしたら、我流田楽味噌完成。

長芋がいい感じに焼き上がった。

あとはこれに田楽味噌をかけるだけだが、もう一つ何かが欲しい。ということでコレ。


命名、信長芋田楽

何故、長芋だったのかというと、実は語呂合わせとか駄洒落の類でした。しかし、これが大正解。
焼いた長芋のホクホク感とたんぱくな味わいが甘めの濃厚味噌をがっちりと受け止める。山椒の風味が心地よく鼻孔や舌を刺激。
この濃厚味ならば、私も信長公に首を刎ねられることはあるまい。

数年前、信長のシェフというドラマがあった。
戦国時代にタイムスリップしたシェフが信長に召し抱えられ、戦などの陰で食で活躍するというお話。
結構、面白いドラマと思っていたのですが、残念ながら数々の謎を残したままで終了。
何故、タイムスリップしたのか?謎の女は?等々。
視聴率が伸び悩んだのが原因だろうな。原作の漫画はまだ連載が続いているとか?しかし、もう漫画を読むような齢でもなし。
ともあれ、このシェフの料理もきっと信長好みの濃厚風味だった?

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