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コロナ禍で14年間働いた旅行業界に別れを告げて

今月末で、新卒から14年間従事してきた旅行業界を辞める。

バリバリの販売部署にいながら、地域振興や地域貢献というような、地域の人たちに貢献できることの方にやりがいを感じるタイプだった。

仲の良い取引先の人と話して、現地を視察して、新しい観光地を見つけたり、美味しい食材を見つけて首都圏のお客様向けにツアーを作る。
元々有名な観光地でなく、取引先の人と日常的に話す中で紹介してもらった地元の人しか行かないような観光地や食材・・・まずツアーでは売れないでしょう、と周りが言うものこそ商品にして売るのが何より楽しかった。
それがヒットした時の、「ほれみろ!!やっぱりね!!見たか!!」と言う感覚。
他社がそれを真似て販売し始めた時の快感。
そのツアーの行程に入れていた潰れかけていたお土産屋さんが、全国の旅行会社からツアーのお客さんが殺到していると聞いた時の、人の役に立てたと言う喜び。
それに参加したお客様から、「こんな食材があったことを知らなかった!また新しいところに連れて行ってもらうことを楽しみにしてます!」というアンケートを見ては、「さらにもっと良いものを見つけ出すから待ってて!」と張り切った。

でも、全部コロナ禍でなくなってしまった。

進めていた楽しい企画たちも全部真っ白になった。

人が集められなくなった今、人を集めてなんぼというツアーという特性上、もう恐らく昔みたいにお客様を大量送客することはできない。
もう私がやりたかったことは旅行業界にいても2度と戻ってこない。
旅行業界内で会社も変えてみたけれど、そこも同じでもうやりたいことができる場所はないなと確信した。
悔いがないと言えば嘘になるけど、そこそこ頑張ったし、もう何を言ってもしょうがない。

もう歳も歳だし、「旅行業みたいな不安定な仕事にはもう絶対就かない!何か硬派な資格をとって人生を立て直そう!」と思ったり、堅そうな職種へ転職活動をしてみたりした。「もうこれからは楽しさややりがいはいらない、心を殺してお金のために働くと言う働き方にシフトするぞ」と。

でも、硬派な会社の硬派な職種にいくつも応募したが志望動機が全くもって言えなかった。
だって全然そんな仕事したくないんだもん。
(まあ、あちらも願い下げだったとは思うが)

旅行業で働く中で、自分が楽しくてワクワクできる仕事でないとダメな体質になってしまっていた。
ウダウダ2ヶ月悩んだ末に、安定から最もかけ離れたライターの道を選んだ。
なぜなら、やってみて楽しかったから。ずっとやりたかった書く仕事を、「全部失った今やらないでいつやるの?」と思ったから。(林先生)

36歳にもなって本当に何言ってんだと言う感じだが、自分が心からやりたいと思ったことでないとどうやらダメみたいだ。
自分で自分にビックリする。

そんな私の今の目標は、書く仕事を通して地域貢献すること。
地域の魅力を記事で発信して、それを読んだ人が興味を持ってくれたら。
記事をきっかけに、旅行してみたいと思ったり、その食材をお取り寄せしてみたいと思ったり、たまたま近くに行った時に立ち寄ろうと思い出してもらえたら。
ただの観光案内ではなくて、その地の人たちのあたたかさや、熱い想いを文章で伝えられたら。

そもそも、観光地も、食事も、お買い物も、全部ストーリーがあるから楽しいんだと思う。東京にいても同じクオリティのものはお金を出せば手に入るから。

今までは、お客様を地域に送る手段のお手伝いをしてきたけれど、これからはストーリーを伝える側の人になる。
旅行業をやっている間は「付加価値をつけろ!」と言われ続けていたが、これからは「付加価値を作る」側の人になる。その先は前職の皆さんに頑張ってもらおう。

特に旅行業を志望していたわけでもなく、「みんな受けてるし受けてみるか、なんかかっこいいし」で何となく採用試験を受け、4月になっても一社も内定を持っていなかった私は「最初に内定をくれたから」「早く就活終わりにしたかったから」と言う理由で入った旅行業界。「激務っぽいし、3年以内に辞めて専業主婦なるからいいや」と思っていた。まさかこんなに自分に影響を与えるとは(そして、いまだに結婚できていないとは)。ホント、人生って分からない。

私の文章が、少しでもまた地域貢献につながるなら、こんなに嬉しいことはない。
下積みは長いけど頑張ろう。
新入社員だと思って。大丈夫、前職はナチュラルにブラックだった。
何の疑問もなくやれてたんだから大丈夫。

とにかく、前進あるのみ。


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