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SmartHR導入のプロセスをまるっと公開します③導入テンプレート公開

SmartHR導入専用の項目設計書テンプレート、完成しました。

ケンブリッジの人事をやっている渡辺です。

ケンブリッジでは現在、人事・労務システムの「SmartHR」を2021年5月にリリースすべく、導入作業を頑張っているところです。
前回までのnoteでSmartHR導入の「①システム選定編」「②システム設定編」について書いてきました。今回は3回目「導入テンプレート公開」がテーマです。

【全体の構成】
1回目:プロジェクトゴールとシステム選定
2回目:SmartHR導入のプロセス
3回目:SmartHRの導入テンプレートの公開 ←今回はココ
4回目:SmartHRを導入して1年。メリットや懸念を書きました。

私たちも導入プロセスでいろいろ試行錯誤をして、SmartHR導入のノウハウを蓄積してきました。
これからSmartHRを導入する企業の方々に役立ててもらえるよう、このノウハウをSmartHRの「項目設計書テンプレート」に落とし込み、皆さんに無償公開することにしました。

↓こちらからダウンロード可能です。

SmartHR項目設計書テンプレート
※ケンブリッジのファイルストレージへのリンクです。

項目設計書テンプレートの中に簡単な使い方を書いています。
本記事では「テンプレート公開に込めた思い」「テンプレートの詳細な使い方」を書きます。


ノウハウをオープンにするのがケンブリッジ流

自社の導入プロセスを公開して、導入テンプレートを作って、無償公開して・・・なんでそこまでするの?ケンブリッジは何が狙いなの?

と思われた方もいらっしゃるかもしれません。が、あまりこれと言った特別な狙いはないんです。

「これ、テンプレート化したら他の会社の人にも役立つかなぁ」というプロジェクトメンバーのつぶやきから「それ、いいね」と話が進み、今回の公開に至りました。

ケンブリッジは「次の改革はケンブリッジ抜きで」という方針を掲げています。普段からクライアントに対しても、コンサルティングのノウハウを言語化してお伝えしています。今回のテンプレート無償公開もそれと同じ考えです。

20210419_ケンブリッジ抜きで

あえて言うならこのテンプレートを機に、SmartHRをこれから導入する他社人事の方々と繋がれたらなと思っています。
テンプレートを触ってみてのご感想、フィードバックをnoteへのコメントにいただけたら嬉しいです。

項目設計書テンプレートの使い方

さて、本題です。
本資料は、SmartHRの標準項目・カスタム項目それぞれについて、「権限」「業務マッピング」「データ移行」の3つの観点からまとめる構成としています。

SmartHRには給与計算を始めとした集計・計算機能がありません。その代わり、「一貫性のある人事データの箱」として重宝します。
そのため、人事・労務データを「適切な権限で参照・更新する」「必要な業務シナリオで抜け漏れなく使う」「現行データと正確に整合させる」という3点が導入のキモです。
このテンプレートはその3点を押さえたつくりになっています。

20210421_項目設計書スクリーンショット

①権限(オレンジ色の列)

SmartHRでは権限を設定するグループをつくり、そのグループに項目単位で権限を割り当てます。
このテンプレートでは、権限設定する範囲(本人の項目だけ/本人+同部署の従業員/etc..)と権限レベル(非表示/作成/更新/削除)を書いていきます。

カスタム社員名簿を事前にきっちり作りこむ場合は、閲覧者(誰に表示させるのか)と掲載者(どんな人たちを載せる名簿なのか)を決めたうえで、どの項目を表示させるのかを書いていきます。

これで「カスタム社員名簿にうっかり社員のプライバシー情報が表示されてしまう」という事故も減らせます。

②業務マッピング(黄色の列)

20210421_業務マッピング

SmartHRをしばらく使っていると「このカスタム項目がどの業務で使われているのか分からず、怖くて消せない」という状態が起きそうです。結果的に、よく分からないカスタム項目が乱立してしまう・・。

そうした混沌を防ぐために、どの項目をどの業務シナリオで使うのかをマッピングします。入力や修正する業務シーンで○をつけます。

システム導入場面では、「あれ?この項目、誰がいつ登録するんだっけ?」という項目単位での抜け漏れを防ぐのにも効果的。

テンプレートには、人事・労務業務の典型的な業務シナリオを記述しています。各社の事情に応じて追加・削除してください。

③データ移行(ピンク色の列)

20210421_データ移行

既存のシステムからSmartHRにデータを移行する際に使います。移行するのかしないのか、するとしたらどこから移行するのか、データ編集の仕様は何かを書いていきます。

「移行はせず、すべて社員に改めてSmartHRに入力してもらう」という方針であれば、この列は使う必要はないかもしれません。

設定プロセス

SmartHRの画面を触りながらこの項目設計書を埋めていきます。一通り書き終え、「権限設定で矛盾はないか」「業務シナリオは網羅できているか」「移行データの要件は定義できたか」のチェックを終えたら、SmartHRの環境をリセット。その後、一気に設定します。
なぜ環境リセットが必要なのか、については「②システム設定編」に書きました。

20210421_導入プロセスイメージ

※環境リセットはユーザ操作ではできません。アンオフィシャルな方法なので、SmartHRの担当営業の方に必ず事前に相談してください。

1つのファイルであることが大事

やたら横に長いテンプレートになってしまいましたが、「権限」「業務マッピング」「データ移行」が1つのファイルにまとまっている点が重要です。

特に複数の担当者で分かれてシステム導入作業を進めていると、「カスタム項目を追加したが、データ移行のことを検討していなかった」「新しい業務シナリオが発生したが、必要な参照権限が割り当てられておらず、業務が進まない」という状態が起きがちです。

システム導入作業を分担したとしても、常にこのファイルに立ち返り同じ認識に立つ。そんな使い方をしてもらえたらと思っています。

利用上の注意点・免責事項

テンプレートファイルの中にも記述していますが、念のため。

・本資料はSmartHRの導入を予定している企業のご担当者に活用いただくことを想定し、無償で公開するものです。そのため、本資料の商用利用や再配布はご遠慮ください。
・本資料の著作権はケンブリッジ・テクノロジーパートナーズ株式会社(以下、当社)に帰属します。
・2021年4月1日時点のSmartHRの機能に基づき、本資料を作成しています。情報の正確性、網羅性について、当社は保証を行いません。
・本資料を活用して生じたトラブル及び損害について、当社は一切の責任を負いません。

なお、この項目設計書テンプレートを無償配布することについて、SmartHR社さんにもご了承いただきました。SmartHRのみなさん、ありがとうございます!

このテンプレートを活用し、SmartHRをスムーズに導入できる企業が1社でも増えたらうれしいなとプロジェクトメンバー一同、願っています。

テンプレートを見た感想やフィードバックがあれば、noteのコメントでいただけると嬉しいです。

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(後日追記)
SmartHR導入から1年経過後のメリット・懸念についても書きました。


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