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【グラレコ実績】市民参加型のまちづくりイベントで描いたら、初めてグラレコの価値を心から信じられるようになった話

こんにちは、イラストレーター/グラフィックレコーダーのあゆみです。
少し前の話になりますが、昨年の10月、わたしが住んでいる朝霞市内、北朝霞駅前広場のまちづくりに関するイベントでグラレコを描かせていただいておりました。

こんなのです。2日かけて、A1サイズのパネルの裏表がびっしり埋まりました。

朝霞市のまちづくりイベントでのグラレコ実績。リアルタイムで描くにぎやかなイラスト。
朝霞市のまちづくりイベントでのグラレコ実績。リアルタイムで描くにぎやかなイラスト。

グラレコはすでに仕事として5年ほどやってきていますが、「すごい」「役に立つ」「ありがたい」といつも喜んでもらえるものの、ほんとにそうなんだろうか?見掛け倒しになってないか?人の考える回路をショートカットする罪深いものになってないか?というような懐疑心が、いつもどこかにありました。

それが、「これはいい。意味がある。価値がある。私にとっても、みんなにとっても。」と、初めて明確に思えた、という話です。

イベント概要

今回のイベントは、北朝霞駅前のロータリーを車両通行止めにして、居場所として開放するというものでした。居心地のいいまちづくりの一環として駅前の改装計画があるそうですが、実装前に小さく実行してみて、市民の方のリアクションや意見を参照するのが目的だったそうです。
居場所として成立するように、ベンチやテーブル、人工芝やお座布団などが配置されて「なんか留まりたくなる」雰囲気がつくられていました。キッチンカーやお花屋さん、八百屋さんの出店のほか、マジシャンやDJによるイベントなどもありました。

朝霞市のまちづくりイベントの様子

市民の方のアイデアや意見を回収することが目的のひとつであるならば、そこに行ってアイデアをイラストにしながらまとめていこうではないか、というのが今回の私の役割でした。


1日目、ソワソワしながらスタート

まずは1日目。スタッフの方にも協力してもらって、その場にいる方に声をかけていきました。「ここでどんなことをしたいですか?これからどんな場所になったら嬉しいですか?」

白紙をもって話しかけた最初の方は40~50代くらいの女性で、やや戸惑いの様子。「突然そんなことをきかれてもなあ…」というようなご様子でした。

朝霞市のまちづくりイベントでグラレコを描く様子のイラスト

話しかけ方にも工夫が必要そうだな~と思いつつ、そばに座ってお話を伺うと、少しずつ、アイデアが出てきました。「ベンチで座ってコーヒー飲んだりとか。その時に緑を感じられたらいいかも…」

描き進めると、女性の反応が少し変わり、前のめりになってきたのがわかりました。「かわいい。そうそう。」「緑は、花壇とか人工芝とかではなくて…、もっとこう、自然な。木漏れ日とか。」おっ、お互いに少しずつ緊張がほぐれて、のってきたかも?

みんなだんだん前のめりになってきた

そうこうして数人の方にお話を伺い、「ラーメン屋台」というユニークなアイデアが出てきたあたりから、風向きが変わってきました。こちらから話しかけなくても、イラストを見に来たり、アイデアをわざわざ伝えに来てくれる人が増えました。「ねね、こういうのはどう?」「進んだ?」「けっこう埋まってきたね~!」

朝霞市のまちづくりイベントでグラレコを描く様子のイラスト
朝霞市のまちづくりイベントでグラレコを描く様子。リアルタイムでイラストを描く。

ここらへんまでくると、こちらからのアプローチは不要になり、場の空気ができてきました。わたしも緊張がとけて、ノッてきたぞ!

イベントの見学や取材にきていた高校生に関心を持たれ、インタビューしていただくというゆかいな事態も発生しました。普段の活動や、今回のグラレコ参加における思いについてお話させていただきました。

朝霞市のまちづくりイベントでグラレコを描く様子。リアルタイムでイラストを描く。

絵があるとものを考えやすくなるのか、あちこちからユニークな意見がどんどん出てきました。出店で子どもがお料理体験、赤ちゃんが食べれるものを売っていると乳児連れのお散歩も安心できる、外の文化祭、電車から見える景色も意識したい…etc。そんな具合でわちゃわちゃしながら片面を埋め、1日目はこんな仕上がりに!日暮れとともに終了しました。

朝霞市のまちづくりイベントでのグラレコ実績。リアルタイムで描くにぎやかなイラスト。

追い風で2日目も好スタート

1日目で片面が埋まったから、その裏でスタート。すでに完成している片面があるので、私が何をしているのかを手短に伝えることができました。

そういった後押しもあってか、2日目はますますユニークなアイデアが増えたような気がします。花火!運動会!地面に大きな紙を広げてお絵かき大会!キャンドルナイト!

朝霞市のまちづくりイベントでのグラレコ実績。リアルタイムで描くにぎやかなイラスト。

わたしに関心を持ってくれる方も増えて、名刺を配ったりなど営業活動もはかどるように(笑)絵が描けるならこんどこのイベントにおいでよ!とマルシェ参加に誘っていただくという出会いもありました。
そんなこんなで、あっという間に2日目も完成!裏面が埋まりました。

朝霞市のまちづくりイベントでのグラレコ実績。リアルタイムで描くにぎやかなイラスト。
すごいね~おもしろいね~って絵を通して通りすがりの方とお話。こういう時間が大好き。


みんな、驚くくらいユニークだった

今回のイベント参加を経て、わたしは自分自身のあるバイアスを反省しました。場づくりのアイデアと言うても、ここまでたくさん出てくるとは思っていなかったんです。でも、街ゆく市民のみなさんが、山ほどユニークなアイデアを次々に出してくれました。たまげた!

これは傲慢な考えかも、と思いながらですが…、わたしがその場でイラストにしていくことで、人々の想像力が豊かになっているように見えました。記録されたアイデアを見て、これくらいぶっとんだことを言ってもいいんだ!と、思考のタガが外れていくのを感じました。負けずに自分もおもしろいことを言うぞ、という気迫すら感じることも。

絵ってこういう力があるんだ。人の想像力を後押しする。みんなのなかに眠る、おもしろさ、クリエイティビティ、ユニークさを爆発させる。そして、その場で描き上げていくから、関心を引く力が強くなって、一緒につくりあげようみたいな場の力がどこからともなく湧いてくる。

朝霞市のまちづくりイベントでのグラレコ実績。リアルタイムで描くにぎやかなイラスト。
まちづくりを勉強している学生さんと出会っておしゃべりしたり。
左にいるのは夫。撮影などでサポートしてくれてました。
朝霞市のまちづくりイベントでのグラレコ実績。リアルタイムで描くにぎやかなイラスト。
終わった後は掲示板に展示してもらいました!
仲良くなったキッチンカーのお姉さんと。こんな時間も大好き。

これは意味も価値もあるに決まっている。
わたし、こういうことがやりたかった。


おもしろくてユニークな場づくりに参与したい

グラレコを通して、創発性のある場づくりや、人と人との自然な交流を生み出す場づくりの役に立つ。なんて、自分で言うのは、恐れ多いですが。でも、そう言いたくなるくらい、今回のお仕事からは感じるものが大きかったんです。

グラレコによる、そうした場づくりに価値を感じてくれる方がいたら、ぜひ、私に、描かせてください。飛んでいきます!

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