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【心に残るプログラムへの想いを語る】エクソジェネシス交響曲第3部

今回は、ジェレミー・アボット選手の「エクソジェネシス交響曲第3部」のご紹介をします。
感動がじわじわと広がる、美しいプログラムです。
まだボーカル入りの楽曲の使用が認められる以前のプログラムなので、メロディーだけなのが残念なところです。


 
この楽曲は鉄拳さんのパラパラ漫画をMVに利用したことで話題になった作品です。
第3部には「贖い」というタイトルがついています。
「贖い」は「罪を償う」という意味があり、宗教用語として使われるそうです。
それを意識してか、鉄拳さんの漫画は悲しく切ないストーリーであり、Museの美しい音楽が相まって、涙なしには見られません。
ぜひ、こちらのMVもご覧ください。

特にジェレミー・アボット選手の演技の中で心に残っているのは、2014年ソチオリンピックとその後の世界選手権での演技です。
ソチオリンピックでは転倒も重なり順位を伸ばせずに、終えたSPの演技。
FSでは持ち前の美しくのびやかなスケーティングと表現力が戻り、会場を彼の世界観に変えました。
 
このプログラムにどんな思いが込められているのかはわかりませんが、力強くも繊細なプログラムだと感じました。
ステップシークエンスで片手を氷につく振付、これはとても印象に残っています。
 
以下は私の主観的解釈です。
音楽の始まりとともに、後悔の気持ちが膨れ上がり、贖いの日々へと彼を誘う。
音楽の盛り上がりに合わせてステップシークエンスで紡がれる贖いの物語。
音楽が穏やかに切り替わり、贖いの日々が終わり、区切りとして片手をつく振付が入る。
そして贖いの日々を振り返るように物語が終えていく。
振付師さんや選手本人のお話を聞いているわけではないので、あくまでもわたしの劇評的分析ではありますが…
 
演技としてもとてもレベルが高く、素晴らしいものですが、彼のエクソジェネシスのプログラムはとてもエモーショナルで、音楽の持つ意味を再解釈として演じているように思いまいます。
アボット選手以降、エクソジェネシスをプログラムに使用する選手が多く、どのように演じているのかとても興味深く演技を見ていました。
どの選手も、とてもエモーショナルな演技で、個性がありとても興味深いです。

個人的にアシュリーワグナー選手のエクソジェネシスも名作だと思っているので、いつかご紹介します。

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