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急成長期にぶつかる壁「マネジメント不全」〜マネージメント0のメンバー3人が実施した組織施策と失敗談〜

こんにちは、ポテンシャライトの寳田(ほうた)です🙋‍♀️

「なんだか、創業期と比較して一体感がない?気がするな。MVVが希薄になってきた気がするし、きちんとメンバーに発信できていない気がするな」

「今行ったこの判断は経営陣だとどう判断するだろう?ズレはないだろうか」

ポテンシャライトのHRインキュベート事業部(採用コンサルティング/代行) は従業員数が40名を超え、実際に私が感じたことです。

2022年3月までは、代表の山根/取締役の小原 以下は全員フラットな組織図でした。そろそろ歪みが生まれると判断し、2022年4月に3つのチーム/3人のリーダーを据えて、新しい体制で仕事をしております。

リーダーの私自身もマネジメント経験は全くのゼロ。執行役員にはなりましたが右も左も分からないまま進めている、というのが正直なところです。
しかし、愚痴を言っていても前に進むわけではありませんね。「ルールや仕組みが無い」「マネジメント不在」などなど多くの課題はありますが、自らルールや仕組みを作る経験が出来るというやりがいもあるものです。

今回は、40~50名規模のポテンシャライトHRI事業部で行ったマネジメント不全を解消するため、リーダー内で行った施策や失敗をお伝えしようかと思います。

1. そもそも、スタートアップ/ベンチャー企業の組織課題って・・・?

過去150社ほど調査をした際にまとめたものです👇

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▼定着期
 ・創業時〜20人になるまでの0→1の組織フェーズ
▼育成期
 ・20人〜50人までの第二創業期くらいの1→10の組織フェーズ
▼活性化期
 ・50人〜100人以上の10→100のを組織フェーズ

フェーズごとに紹介していきます。

 1-1. 【定着期】に起こりやすい課題

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創業期から20名くらいの規模感であれば、マネージャーがCEO、または専任の人事がいないなんて状況も多いのではないでしょうか?そんな中で組織を拡大すべく採用を強化しているので「オンボーディングの仕組み化」に課題感をお持ちの方も多いです。

ポテンシャライトでも、20~30名フェーズではとにかくオンボーディングの仕組み化を実施しましたね。

弊社もまだ試行錯誤中ですが、皆様の一助になれば幸いです👇

▼弊社のオンボーディングに関する取り組み


▼メンター(受け入れ企業)側が実施する入社フェーズ別の取り組み

 1-2. 【育成期】に起こりやすい課題

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続いて20名から50名と、ある程度メンバーが揃ってきて今から会社としても攻めていこうというフェーズの育成期。Mission/Vision/Valueは設定したけど、なかなか浸透している気がしない、トップのボードメンバーとコミュニケーションを取る機会が減ってきた、などと感じる方も多いのではないでしょうか?
弊社は今まさにこのフェーズです。

 1-3. 【活性化期】に起こりやすい課題

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さあ、組織としても100名規模とかなり拡大してきた活性化期。色々なバックグラウンドを持つ多様性な組織になりつつある頃なのではないでしょうか?ここでは、部署間のコラボレーションが少なくなったり、メンバーの管理のためのツールなどを導入する企業さんも一気に増える気がしています。

・・・フェーズごとに分けてみて改めてわかったのですが、やはり課題感は全く違いますね。

ここからはリーダーとしてグループ制に移行する前と後に分けて
取り組んだ施策や他社で実施している施策をお伝えしていきます。

2. 重要なリーダー's Missionの言語化

まずはリーダーにアサインされる前、主に山根/小原にて言語化していたリーダーの役割についてです。

前提としてなぜポテンシャライトは採用活動においてHRの経験の有無を問いておりません。これまでHR業界で培っていた経験の中で生かせる部分が業務スキルにおいて少ないからです。が故に、必然的にマネージメント経験がないメンバーが多く集まっており、結果的にボトムアップ式にリーダーを選出したようです。

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採用時に見極める採用基準のみならず、どんな組織を創りたいか、によって求めるマネージメントの基準は異なるものです。マネジメントの属人化の防止や、マネジメントスキルの向上を図るためにもマネジメントの基準の言語化だけではなくMissionや「責任&権限」を言語化してもらっただけでもありがたかったです。

会社としてのマネジメントの基準が定義がない場合、個々人の判断基準でマネジメントが行われている状態になってしまうためグループごとに差分が生まれてしまいます。もちろん進める過程の過程の中で迷ってしまうことはありますが、
マネジメントポリシーを策定していたこと
・責任と権限・Missionを言語化していたこと
で進めやすかったことは事実です。

エイチームさんでは、下記のようなマネジメントスタイルを策定されているようですね!

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上記のようなマネジメントポリシーやマネジメントスタイルが「無い」場合でもうまく行っているなーと感じる企業様ではValueである行動指針を判断基準として有効活用されているようでした。行動指針にあまり抽象度を持たせずに運用することでこの辺りのものは解消できそうな気もします。

3. これまで取り組んだ施策

ここからはグループ制を取り入れて約半年で取り組んだ施策についてお伝えしていきます。

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 3-1. 効果的だった取り組み

大きく3つあります。 

◆ 2436シートの導入
クライアントマネジメント関連の施策(メンバー主導で始まった施策)です。スタートアップ/ベンチャー企業においては質も大事ですが、スピード早くご依頼事項に対応できるかも同じくらい重要です。毎月弊社で掲げているスローガンに合わせて企業様からいただいたご依頼のスピードを36h以内に完了させようという取り組みをゲーム感覚で行うよう社内で盛り上げつつ進めていました。

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ゲーミフィケーションを取り入れた施策は取り組むハードルも低く浸透しやすいなという印象です。

◆ Upsellフロー整備
売上を各メンバーが追っていないが故に発生していた「知らない間にアップセルしていた」という事象を解決するため整備をしました。
メンバーの業務負荷を鑑みながらアップセルの決定権を責任として持ち合わせていたので、アップセルを検討している企業様がいたタイミングで把握をしておきたいと思いSlackのワークフローを組みました。

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フォーム回答はSlackに連動しているため、手間なく回答してもらえるというだけではなく「確度」をメンバーに答えていただくことで確度感に合わせてスピーディーに社内連携対応できるようになったのもよかったです。

◆ リーダーワーケーション
先月行ったグループエンパワーメント系の施策です。グループ制へ移行したものの、リーダーから今後どんな会社にしていきたいといった発信はほぼなかったのは事実です。リーダー自身がどんな組織を創っていきたいのか?経営陣と方向性のブレはないのか?など、ワーケーションを実施し各リーダーから全メンバーへ伝える場を設けました。

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これまでリーダー自身が心の内を伝えることはあまりなかった(かつビジョンを伝えるのが得意なタイプではない)のでメンバーには新鮮だったようで高評価でした。
今後は、リーダーのみならず各メンバーからも会社の未来について意見をもらうLIFE STYLEさんが行っているような「未来会議」を行っていけたら良いななんて思っています。
リーダーワーケーションの実施、その後の施策検討にあたり拝見させていただいたこちらの資料も個人的によかったです。

 3-2. 改善中の取り組み

簡単に言うと「うまく機能しなかった」取り組みです。これらの取り組みは絶賛改善中です


◆ 自分語り会
親睦を深めるために行ったこちらの施策。
どのような場所で生まれどのような教育を受け、どのような判断基準でこれまでのキャリアを築いてきたのか、などを20分程度時間をかけて自己紹介をしてもらう時間です。
この企画、元々は入社したメンバーがいた際に行っていました。今回はグループ移行したタイミングで行ったのです。ただ、この施策きちんと考えると「無いよりはあった方が良い」という類に入る施策。つまり目的があまり定まらずグループ内の人に自己紹介をして終わり、といったもったいない結果に終わってしまいました。
もし親睦を深めるための実施であれば合わせて、「どんな組織/グループを創っていきたいか」というコンテンツを追加してもよかった気がしています。

◆ 進捗確認
企業様へのクオリティ維持/向上目的で実施している進捗確認。弊社では3回ほど改良していますが、この進捗確認は失敗だったな、と思う事例を。
当時の進捗確認はこちら

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他社の成功事例を把握できるのは良い一方で、各メンバーに担当企業の相談事項や確認事項があれば相談してね、という体制にしていたことで企業様の採用成功に向けて必要なフォローができなかったことがよくなかった点です。これだとクオリティの維持すら難しくなってしまいますね。
各グループで1ヶ月ほどこの体制で実施したのですが、現状は別のスタイルで実施をしております。

◆ アサインのフロー整備/仕組み化
今まさに改良中なのですが、適切なメンバーのアサインです。
弊社では多種多様なタスクをどのメンバーが、どのくらい持っているのかを数値化する試みとして、テックカンパニーの手法を参考にさせていただき「ベロシティ」という概念を取り入れています。

この組織ベロシティアプローチ自体は良いのですが、あくまでベロシティという単位だけのアサインでは最適ではありませんでした。
企業のフェーズによってスピード感や採用施策も全く異なるため、各メンバーのスキルや得意不得意に合わせてアサインする必要があります。そのため、現在このアサインの最適化はリーダー陣で検討しております。

4. 番外編

 4-1. 個別で実施してみたこと

◆ 1on1のタイミング・内容設計
それぞれのグループでは月1 1hの1on1を実施していたところ、「月2回 30分」に変更して運用を進めました。
内容としては
・毎月前半 :業務の相談や振り返りなど割とかっちりした内容
・毎月後半 :OKRの相談やプライベートなどラフな内容
です。
上記のような内容で月2回で進めた背景としては、
対話をする機会を意図的に増やしたかったこと、準備をして望みたかったことの2つです。
私自身が過去1on1何話そう、どんな内容だろう?となる場面が多かったのであえてテーマを設定し、気持ちの準備含めて行うようにしました。
とはいえ、30分という時間が適切なのか?他に話したい議題があるケースもあるのでまだまだ要改善ですね。

◆ 質問/相談ができる時間「グループTime」の設置(初期タイミングのみ)
グループ制へ移行し、初期タイミングに実施していた施策です。
日次1時間(17:00~18:00)はグループTimeとして、その日業務上の「疑問」をその日中に解消していただく時間として設けました。
どうしても予定がかなり埋まっているマネージャーには若干話しかけづらい、結果として疑問の解消が遅くなるという実体験もあり、なるべく質問するまでの時間やハードルを最小限にしたかったことが背景です。

そんなの構わず質問しにいきましょう、マネージャーの時間を奪いにいきましょう、というのも一つ手ではありますがマネージメントする側で歩み寄ることはできるな、と思いあえて初期タイミングのみ実施させていただきました。
結果として業務の疑問のみならず、メンバーとの1on1の時間もグループTimeで設定できたり、質問ハードルを下げることができたりと個人的にはよかったなと。

◆ プランニング
これは正直うまく運用できていない取り組みの一つです。

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弊社の場合、組織規模も大きいわけではないため、プレイングマネジメントになるのが通常です。業務量が減る、というわけではないのが現実のため自分の生産性を向上させるためにも、今自分が「何に」時間を使っているのか、「どんな割合」で時間を使っていくべきかは重要です。

一度自分の実業務(HRパートナーとして企業様に使っている時間)とそれ以外で分けて算出し、翌月以降のプランニングを実施しました。
・・・正直なところ、事業の状況により変化があるため翌月以降、プランニングした通りに進むという訳ではありませんでしたが、何に・どのくらい時間を使っているか、使うべきなのかと可視化できたことはまあまあよかったなと感じています。

 4-2. 結局のところ、「対話」をあきらめないこと

ここまで取り組んできたことを紹介してきましたが、兎にも角にもこのフェーズでは経営陣・リーダー陣・メンバーとの「対話」を諦めないことが大事な気がします。
今日自分の行った指示は適切だったのだろうか?
このメッセージに対してメンバーはどう感じているだろうか?
など。
どのメンバーも会社を設立した人と同じ目線でいること、これはとても難しいです。ただ、少なからず同じような目線でいること、同じような方向を向くことはできるのではないかなと。「伝えた」と「伝わった」は違う、だからこそそのギャップを最大限埋めた上で「対話」を忘れずにありたいですね。

5. 最後に

いかがでしたでしょうか?今回はマネジメントについて弊社の事例を交えつつ、お伝えさせていただきました。

2022年3月までフラットな組織だった弊社。
振り返ると4月から急にグループ制に移行し、役割の違いということは認識しつつもピラミッド型組織になったのは事実です。メンバーにとっては意外と大きな組織変化だったのではないかなと。マネージメント経験はほぼ無い中でもMVV達成に向けてついてきてくれたこと、これまで通り役割問わず社内の課題改善に動いてくれたこと、メンバー全員が成長し続けてくれたことには感謝しかないなと。

大前提「マネジメントは役割であって、人の優劣を決めるものではない」ということを念頭に置きつつ今後も自社らしい組織の在り方を追求していこうと思います💪

ポテンシャライトでは採用のみならず、人事制度設計やバリュー策定/マネージメント研修など組織に関するサービスラインナップも増えてきましたためぜひお気軽にご相談くださいませ!

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