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戻れない時間をリモート葬儀でつないだ日

大正〜令和という激動の人生を生きた祖母が亡くなり、今日が初七日です。

コロナ禍での通夜葬儀はたくさんの人々が集うわけにもいかず、ひっそりとしたものとなっています。
感染拡大が進む中、遠方に住む私の兄弟や従兄弟は帰ってくることが叶いませんでした。
都会と異なり、地方では県外移動に関してとてもナイーブな反応が一般的です。
周囲の会社やさまざまな施設では「2週間以内に県外移動をした人、県外の方と接触した人」は「その日から2週間は出勤、登園停止」のところが多く、医療体制から考えると仕方ない部分があります。

そこで兄弟や従兄弟たちのために喪主である母にリモート葬儀を提案。
いつもはこのようなことに難色を示す両親ですが、今回は「ぜひやってほしい」と言ってくれました。

今回は祖母のリモート葬儀を開催し、使用したツールや手順、よかった点、反省点、などをシェアしたいと思います。

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リモート葬儀で使用したツール・環境


Zoom
◆ホストが有料会員であれば40分以上の接続が可能
YouTubeの配信等も検討しましたが、まずライブ配信を初めてする場合は申請〜承認まで24時間かかることが判明しました。YouTubeライブ配信利用の際は早めの申し込みが必要です。ただ今回以下の理由で私はzoomを使用することに決めました。
◆双方向でのやりとりが可能
会場の空気をリアルタイムに感じながら参加できます。
配信は画面を見るだけになりがちですが、zoomで行うことで故人、喪主へ言葉を発し、やりとりができるためこちらを選択しました。

テザリング
葬儀場がWi-Fi未対応だったため自身のスマホテザリングで対応。
月末でデータ通信量が残り少なかったので、データ量自動追加設定に変更。配信途中で低速にならないよう事前に契約内容チェックの上、変更手続きなど確認しておいた方が良いです。(通信料無制限契約の方は不要)

スマホ・PC
撮影専用カメラは持っていなかったため、スマホに3脚を設置したもの + PC(webカメラ)を使用。

準備・手順


◆喪主・斎場・お寺の住職・出席者の撮影許可
まず喪主、斎場の協力が必要なので同意を得、住職の同意もいただけると読経など会場の様子をくまなく配信でき、リモートでも十分臨場感あるものになります。
また出席者に配慮し、配信する事情等をご記帳の際お伝えしてご理解いただくと良いかと。

◆参加者へのZoomリンク通知
全員スマホ参加だったのでダウンロード方法や接続方法などメールやweb上にある説明動画で共有し、事前接続テスト等を行う。

◆機材の設置
祭壇・見映えの良い角度の調整。音の確認。
特にwebカメラメインで行ったのでPCを設置する適切な高さの机が必要で、斎場の方が見繕って設置してくださいました。
祖母の顔は常時撮影せず、リモート参加者が話すタイミングで棺の中を撮影する方式を取りました。

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良かった点
祖母の顔を見ながら自分の言葉を伝えお別れでき、本当に嬉しかった。
リモート葬儀の機会を作ってくれて本当に感謝してる。との声をもらい、
思いつき&手探りの行動でしたが、やってみて本当に良かったと思いました。
反省点
入室できなくて断念した親族もいたためフォローできる時間的余裕があれば良かったです。わかりやすいマニュアル共有と事前接続テストの必要性を感じました。

満足度100でなくとも、会えない=0ではない環境づくり

葬儀が終わると祖母の顔を二度と目にできず、お別れの声を直接耳に届けることもできなくなります。
そのため今回どうしても親戚たちと繋いであげたかった。
戻れない時間をリモートで繋げることで、穏やかに別れと向き合えるのであれば、それは選択肢として大変価値が高いと思っています。

これからも地方であるからこそ見える課題について考え、私でできることを実践していきたいと思います。

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