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Annaの日記 犬というこども⑦

 初産は、陣痛がくるのが早いだの遅いだの色々な話を聞いたが、やはり1週間も出てこないと、焦るし、待ちくたびれるものである。

 少しお腹が痛くなったら「陣痛かも!」とカウントを始めるが、数えきれないくらいの
「でるでる詐欺」にあい、それと同時進行で
周りから「そろそろ生まれた?」と連絡がくる。

 生まれたら連絡しない訳がないだろ!と半分怒りが混じりながら過ごした。

 結局予定日の11日が過ぎて計画入院となったため、犬は変は陣痛シーンをみてパニックになることなく、朝普通に別れた。

 臨月を迎えた頃から、何かお腹で起きてももう取り出してもらえるから大丈夫だと安心していた。
やはり、妊婦というのは生まれるまでのトツキトウカ無事に育っているか毎日心配しながら過ごしている。

 しかし、また振り出しに戻り、最悪死産なんて事になったら周りに何と報告したらいいのだろうか・・・と、そんなシュミレーションまでしてしまっていた。

 促進剤を使って、その日で生まれる人もいれば、全く効かない人もいる。
 私は完全に後者だった。入院して5日目が最終日、どんな状況でも42週と1日には帝王切開で取り出さないといけない。

 本当に毎日が長かった。犬や夫の世話も、家事も何もしなくてよく、夜も夫のイビキに悩まされる事なく過ごせて最高!と思いたかったが、寂しくて仕方なかった。不安で仕方なかった。

 それを救ってくれたのが、犬と夫だった。以前に産院について記事をかいたが、やはり病院までの距離はかなり大事だ。
 真横の病院で産んだ為、入院してから毎日夫は昼休みに顔を出してくれた。特に何か話があるわけではないが、お互いの顔をみて話せるのはLINEで状況連絡をとりあうよりも100倍安心感をお互いに与えた。
 そして個室の場所がわかってから、毎日の朝と夜の犬の散歩に、私の部屋から犬が見られるように連れてきてくれた。

 病院は窓も開かず、5階から私の姿がわかるわけはなかった。
毎日同じ場所で、芸をさせられいつもよりおやつが貰えてラッキーくらいに思っていただろう。

 これは遠い病院だったら絶対にかなわなかった事だった。
正直、妊娠初期にこれを想定していなかったが、本当にこの病院にして良かったと思えた瞬間だった。

 いつもしつこいくらいくっついて来て、世話の焼ける犬だと思っていた。
離れて、犬の姿が見れた時こんなに嬉しくなるとは正直自分でも思っていなかった。


    これが「家族」なんだな

 と、独身が長かった私は結婚してからも、いつもどこかで一人の時間が欲しいと感じていたが、いざ一人になってみると不安で仕方なかったが、
夫と犬という家族のパワーでなんとかあと予定帝王切開まで1日というところまできた。



               ~続く~

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