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Annaの日記 犬というこども⑥

 ベビー用品が家に届く度に、自分のものと勘違いする犬。

 臨月の頃、お腹が大きすぎてベッドで寝るのがつらくなり、別室で寝ていると夜中に不安に思った犬が何度も私の部屋に入ってきた。
入院中離れるのでその練習もかねていたが、部屋のドアを壊す勢いで
吠えるので練習にならなかった。

 以前に投稿したが、私は42週0日で子供を帝王切開で産んだ。
つまりは、お腹にいれるギリギリまで我が娘はおなかに居座っていた。

 通常40週0日が「出産予定日」となるため、なかなか来ない陣痛に焦りを感じ始めた頃、先生に歩いて陣痛を促せと言われ、犬の散歩に付き合い始めた。

 一緒に夫と暮らすようになってから、夕方の散歩は私の担当だったが、
マンションでエレベーターに乗せられない為、抱えて階段をおりないといけなかった。妊娠後期からはお腹で階段が見えにくくなり、共倒れになるといけないとなり、散歩は夫の担当に戻った。

 久々の3人散歩に犬はかなり嬉しかったのか犬はいつもよりテンション高めにぐんぐん歩くが、私と夫の頭の中は「いつになったら陣痛が来るのだろうか」とそのことばかり考えていて、犬には申し訳ないが、楽しいのは犬だけという状況になっていた。

 散歩の効果も空しく、私は、予定日から11日過ぎた時に計画入院をすることになった。
 一緒に住み始めてからこんなに離れるのは始めてだった。

 前の彼女みたいに「捨てられた」とか悲しい思いをしないかなと
言葉では伝えられないもどかしさがあった。
 犬はいつもよりヨシヨシしてくれるなとしか思っていないだろう。
11日も離れるなんてこの時はもちろんわかっておらず(私もこんなにかかると思っておらず)、そして次会う時にはもう一人メンバーが増えているなんてもっとわかっていないんだろうなと
不安と楽しみと色々な感情が混ざりながらサヨナラをした。

                            ~続く~

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