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竹刀でホームラン~婚活迷子の16年~⑦

 前日会った「戦友」はアラフィフィバツイチだが、断然私よりも若く見え、美人で、性格も素敵な人だ。
 そんな彼女がドツボにはまっている理由は、やはり彼女も

   竹刀でホームランを打とうとしているところかと思う。

 美人で若く見えるので、とにかくマッチングをする。
 連絡を取る度に出てくる男が変わり、前聞いていた人はもうLINEアドレスに存在しない。


 戦友として、婚活をしていた時に私のやり方と
決定的な違いは
一人と短期決戦をするか、複数人を同時進行でいくかだった。

 私も最初は後者だった。3人くらいをいつも天秤にかけて
一人消えたら、次という感じで、婚活をしていたが


 そんな事している人は、
  相手にも同じ事をされている


 どれもが一長一短で、決めかねている間に、相手にいい人が現れ
自然消滅というのが大概のパターンだった。

 彼女は今もその方法をとっている。
 悪い事ではないが、私にはそのやり方は向いていなかった。

 私には、
見えない敵に勝てる武器がないと思っていたからだ。

年齢、職業、顔をとっても、もう自分には自信がなくなっていた。


 だが、一人の短期決戦で決めかかると、何度か登場している
最強クズに2連チャンであたり、「かれし」なんて歴史を残したくもない相手と、いい年をして、2か月余りの「かれし」が2回続いた。


 諸条件で問題がなかったら、とりあえず「彼氏・彼女」でボジションを
お互い置いて満足して、次に行こうと真剣に考えない。このドツボにハマるアラフォーは結構いる。

 「結婚」という無謀な締め切りに間に合わせようと、内容も確認しないまま突き進む。
 離婚が目に見えた結婚に突っ走ってしまうタイプだ。

 歳をとればとるほど結婚は難しい。

 これは間違いない。
この歳まで、一人で生きて、一人で考えて、一人で何事も決めてきた。
 自分の着地点がなんとなく決まっていて、自分に優しく、傷つかないようにエコにいきて、その心地よさもわかってきている年代に、いきなり「相手に合わせる」ほどストレスのたまるものはない。
 お互い頑固になる。

 このクズ2連チャンで、完全に結婚はもう無理だと私にはおもった。
 しかし、この人らのおかげで、とうとう私は竹刀から金属バットに持ち替える事が出来たのかもしれない。


 そう、私が本当に求めていたのは「ストレス」がたまらない事だった。
 楽しく、たわいのない事をなんでも話せて、嫌と思う事もちゃんと言えてストレスを貯めないで入れる人。自分が常に無理せず楽な状態でいられる人。
 親を見送る時に、傍にいてほしい人がストレスの種のような人だと、親が死ぬまでに別れてしまう。それでは結婚の意味がない。


   「ストレスがたまらない人」

  という、この一つの信念を持った
  強固な金属バットを得たら、
  あとはくる球が
  ストレスが溜まるか溜まらないか、
  もう、ワタシの頭と心と経験で
  自然に撃てることがわかってきた。


          〜続く〜



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