はたらくってなんだろう(アパレル企業→公務員)

職場ではスーパーポジティブと言われることのある私は、アパレル企業の店舗社員から公務員へと転職した経験がある。一見全く異なる世界へ転職したことと、ポジティブであることには関連がある。

東京オリンピック開催決定に世間が湧いた2013年、私は絶望感の真っ只中にいた。社会人1年目だった。毎日仕事へ行くのが嫌で嫌で、「もう無理だ。辞めたい」「逃げるのはだめだ」「でもここで続けて何になるんだろう」と日々思い悩んでいた。

やりがいのある仕事をして生きたい

揺るがない思いがあった学生時代。中学生ぐらいの頃から思っていたのではないだろうか。将来「いい仕事につく」ことに繋がるとどこかで思い勉強も頑張って経験も積んできた。大学生になり、就職活動で改めて考えた「いい仕事」とは、自分の特性や好きなことを活かせるやりがいのある仕事だった。

企業の理念や「どんな仕事ができるか」を最優先して就職活動をした。

淡々と事務作業をしたり、取引先相手に営業をする仕事は当時の自分にはあまり魅力を感じられなかった。企画や、顧客と一緒に何かを作り上げる仕事ができる就職先を探した。そんな中、服で世の中の常識を覆していくチャレンジ精神、世界一を目指す志の高さ、若手からどんどん責任ある新しい仕事を任せるという成長スピードなどを魅力に感じ、もともとファッションが好きだったこともありご縁があったアパレル企業に入社した。

主な仕事は小売店の店長職。その先には海外店舗や本部の企画などの憧れる道筋が若手でも用意されていると聞き、話を聞きながらワクワクしたのを覚えている。入社後店舗に社員として配属されると、完全実力主義の社風では、「なんでできないの?本当に全力で取り組んでいるの?やる気あるの?」と上司に怒られ自分自身にも問いかける日々。「本気出せばなんとでもできるはず」とよく言われたし、自分もそう思っていた。現場で経験を積んでいるアルバイトと管理職として入る社員とのいざこざ、信頼して相談できる上司や先輩がいなかったり、定時退社が存在しなかったり、、個々を見ると乗り越えられそうな壁だが、とにかく当時の私は「私はなんでできないんだろう」という自責の念や自分を否定されるような気持ちに。それでも何か方法はあるはずだから頑張ろうと奮い立たせていたが、孤独感もあり、気がつけば疲弊し、越えても越えても次々と立ちはだかる壁を、次乗り越えたとしてももう長期的には勤められる将来像がなかった。朝から夜遅くまで働き、すぐ寝て起きてまた仕事にいく毎日に、心も、念願の一人暮らしの部屋も、生活も、荒れていた。

はたらくってなんだろう
こんな思いをしてまではたらく意味あるのかな

長期的に勤められる環境が実態としてなかったことや、他にやりたいことがあったことなど色々考えた結果退職した。続けられなかった。組織で働く以上、自分がやりたい仕事ができるとは限らない。行きたい花形部署があるとしても、その組織で大半の人が「現場」でしている仕事とはどんなものか。自分がその仕事しかできなくてもいいか。もちろん理解して入社していたはずだった。

理想と現実の差と言えば簡単だし、自分の努力や能力が足りなかったように思われたらと思う気持ちから、辞めた話を言葉にするのには今でも抵抗がある。

「勉強して進学校へ通い、将来のことも考えそれなりに真面目にやってきた。それなのに何でこんなことになったんだろう。どこで間違えたんだろう」そんな気持ちになり、退職後は「やりがいのある仕事という幻想」「キャリア教育のウソ」「ココロオドル仕事を見つける方法」などの本を読み、自問自答を繰り返した。それまでの自分の価値観のようなものを打ち砕かれ燃え尽きてゼロになった経験からは多くのことを学んだ。


数多ある選択肢から結局、私はまた正社員として就職する道を選んだ。

なぜ私は「働きたい」のか。
なぜ正社員なのか。

まずは学生時代を終えて、労働の対価として賃金を得る「働き」で自分自身の生活を成立させる経験をしたかった。また、組織の一員として本腰を据えて働く経験をしたい思いもあったため、正社員になった。会社の成長だけではない、時には採算を度外視するような社会や人への貢献も、ボランティアサークル経験で気づいた自分のやりたい「働き」だ。就活を始めるまではつまらなさそうと思っていた公務員の選択肢が、結局は自分のやりたいことに繋がっていた。

人生において何を大切にしたいか。
どんな人生を歩みたいか。

家族の近くで、家族や自分を大切に生きていくことも人生において「したいこと」の重要度の高い項目だった。そのためには働く場所と時間が必要だ。学生時代はそれがどうも保守的思考な気がして、やりたいことをやるためには我慢すべきとも思っていた。ここを大事に思うことは、何も恥ずべきことではない。欧米では当たり前でもある。


どう働くかは、どう生きるか。

月に何時間働くのか。どこで、どんな人達と、どんな気持ちで働くのか。何時から何時まで働くのか。日常の半分以上を占める労働時間をどうすごすのか。働き方は、生き方に繋がる。

仕事は社会貢献性の高い関心分野を選んだが、それが生きがいになるかはもはや賭けだった。本業以外で自分が「したいこと」をする方法はある。お金を払ってやる方法、ボランティアでやる方法もある。特にボランティアでライフワークを持つという生き方は、ドイツでは「フェライン」として既に広く取り入れられている。私は、生涯かけて取り組むライフワークを持つ人生を送ることが目標だ。

本業はもちろん真面目に取り組むが、実際楽しく働けるかどうか、毎日イキイキと働けるかなんて正直働いてみないとわからない。仕事も生きがいに感じられたらラッキーという程度。学生時代の自分には「そんな夢のない冷めたことを」と思えていた価値観だ。決して仕事をいい加減にするつもりはないが、心が温まる暮らしを大事にする。そんな人生を目指すことに切り替えた。

例えば毎日7時間週5日働くとして、その大半を自己否定していたり、イライラして過ごしたら、人生の大半は自己否定していたり、イライラしていたことになる。そんなのもったいなすぎないだろうか。気持ちの積み重ねが人生になる。働きすぎて何のために生きてるのかわからないような人生は避けたい。

だから私はいつも、ポジティブな気持ちを持って仕事をするように心がけている。転職して7年、辛いことや自分の時間が無くなる時期ももちろんある、むしろ結構あるが、周りの先輩や後輩にも恵まれている。20代前半で選んだ生き方は間違えていなかったと思う。

仕事も楽しくなってきてついつい没頭して20代を過ごしてきたが、今年は、そろそろライフワークの方を進めることが目標。東京オリンピックは、8年前に心の奥で理想としていた形で迎えられそうだ。

私が考えていたやりがいのある仕事とは、少しでも多くの人にポジティブな影響を与えられるようなコト。それは「仕事」でできたら嬉しいし、ライフワークとして様々な方法でできる。このノートもその一つ。

私の経験が誰かの人生に少しでも影響を与えられたら嬉しい。ここまで読んでいただけたことに感謝。ありがとうございました。

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