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How to 情報整理(基本編)

世の中には「情報整理に関する記事や本」などが数多く存在します。
しかし、私が今まで調査してきたそういった情報の多くは、

「そもそも情報整理とは何か?」

という哲学的(かつ読んだだけで1日の体力を使い果たすよう)なものであったり、

「情報の整理の大まかな方法にはこういうものがある」

などのざっくりしたものでした。言ってしまえば『じゃあ具体的には何を意識して、どうやって整理すればいいの???』という悩みを解決する情報がものすごく少ない印象を受けました。

その代わりに「情報の整理という日本語の意味とはこういったもので、それはつまりこういうことで・・・」というような内容だったり「世間一般的にはこういう方法がありますよ」などの、『結局、自分の目の前に散逸した情報を手っ取り早く整理したいのにその方法が分からずじまいで動けない!』ということが私の経験上、一度や二度ではありませんでした。

本記事は、「いいから今から使える効率的な情報整理方法を教えてくれ!」という方に最適なものになるように記述しています。(少なくとも私はそのつもりで書きます。ご意見があればどしどしコメントください。)



まずは、私達が情報整理をする目的は何か?ですが、ここでは

『自分が意思決定をする上で必要な情報を、十分に早い時間内に取得できる状態にすること』

とします。申し訳ないですが、この定義に異論があるとここで記事が終わってしまうので、一旦こちらを前提として記事を読み進めてください。これ以降、この目的を達成するモチベーションのみを意識します。


残念なことに、私が今まで見てきた多くの情報整理術とされる記事や本の情報には『絶対に欠かすことのできない、意識すべき点を欠いてしまっている』ものがとても多いです。その意識すべき点とは

『マジカルナンバー』

です。情報を整理する場合、これは必ず意識してください。
マジカルナンバーとは『人間が短期記憶可能な情報のかたまりの数量のこと』であり、マジカルナンバー7やマジカルナンバー4などが有名ですが、ほとんどの人は『一度に確認できる情報の最大数は大体4-7個程度』とされています。

つまり、情報を整理するには目の前にある情報、もしくは情報のまとまりを4-7程度に抑える必要があるのです。世の中には残念ながらこれについて言及している情報整理手法が非常に少ないです。

当然、これはPC上のデスクトップのアイコンなどの電子データに限らず、実際に家庭内に存在する家具などにも適用可能です。

カギは『抽象化』と『マジカルナンバー』です。

抽象化とは「複数の情報に共通する要素を抜き出すこと」を意味します。

https://mba.globis.ac.jp/careernote/1572.html

抽象化により情報を4-7個にまとめることを常に意識してください。


もしあなたがPCの画面でこの記事を閲覧している場合、一度デスクトップ上のアイコンに目を通してみてください。アイコンはいくつありますか?その状態であなたはどこかにあるはずの目的のファイルにすぐにアクセスできますか?

できない場合、デスクトップ上のアイコンの数を4-7個程度にまとめてみてください。もちろん抽象化(フォルダでジャンル分け)を繰り返してです。要らないファイルは削除します。

階層が深くなっても問題ありません。各ウィンドウでファイル/フォルダ数が4-7の範囲にカテゴリ分けされているのであれば、ほぼ一瞬でそこにアクセスできるためです。

しかし、主に最下層のフォルダ内などで起こる事象ですが、どうしても4-7の個数に落とし込めない(写真のアルバムなど)状況になることがあります。その場合は以下の手法が使えます。

  • 『時間軸』でソート

  • 『名前順』でソート

20個も30個も、更にそれ以上の数がある場合でソートしても整理されたとは言えないのでは?と思うかもしれません。例えば、以下の例だとわかりやすいと思います。(ファイル名は日付を示す数値とします。なお、この後ろ側には数字以外ならどんな文字が来てもソートでこの順番にすることができます。)

20221204
20230118
20230120
20230224
20230313
20230325
20230415
20230416
20230417
20230418
20230419
20230511

上記には12個のファイルが存在しています。例えば2023年4月17日のファイルを探してみましょう。

マジカルナンバーをやや超えた個数にも関わらず、意外とすぐに発見できたのではないでしょうか。これは(自論になりますが)今注目しているファイル名(例えば20230120としましょう)と、それより上か?もしくは下か?の3パターンに情報が抽象化できている(しかも4月17日は下側のため、上側は無視できる)ため、即座に目線を動かして探すことができたからだと考えられます。
仮に名前順だとしても、同じようにしてすぐに探し出すことができます。これがソートの威力です。


なお、デスクトップ上でのソートのみの整理はオススメしません。アイコンが大きく表示されている設定の場合、リスト化がしづらいのでその場合はマジカルナンバーの範囲内に収めることをオススメします。

もしこれがランダムな文字列だとした場合、最初のファイルから1つ1つ名前を照合する必要があります。これは大変な労力となります。

なお、時間軸を用いた整理について議論している本では、以下の書籍が有名です。私が情報整理の研究を始めた際の原点でもあります。


少し内容が長くなりましたが、以下にこの記事で紹介した基本的な情報整理方法をまとめます。

  • 情報数を「抽象化」でマジカルナンバーの個数に抑える

  • 「時間軸」もしくは「名前順」でソートする

所感ですが、今まで私が見てきた情報整理術とされるもののうち、上記2つを意識していないものは、私にとってあまり価値のないもののように思えました。情報を整理することで、私達の生活を便利で幸せなものにしたいのであれば、これらは必須の考え方だと思います。


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私は現在、iOS(iPhone、iPad)向けにアプリを開発しています。
情報整理や音声、モーションセンサなどを利用した様々なアプリを開発しておりますので、もしご興味があれば是非見てみて下さい!
ご意見もお待ちしています。


以上です。今後はより具体的な情報整理の方法や、私が制作しているアプリに関わる情報などを掲載していく予定です。

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