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ドキドキ、ワクワクさせてくれる店員さん〜「聞いてもらえる能力のある話し手」の手腕

まるで独演会。10年以上毎月使っている化粧品についての説明を30分ひたすら聞く。ネットで買い忘れたのが運の尽き。仕事終わりにダッシュで向かうと、ガランとした百貨店の化粧品売り場で店員さんが水を得た魚のように説明を始める。
少し話が進んだかと思っても新しい化粧品の話しではない。皮膚のうんちく。それは、研修で習った知識を私に提供している感じ。
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もし店員さんが私に合う今より良い化粧品を買わせるなら、私に肌の悩みを聞いたり、肌状態を確認するだろう。
しかし、そんな質問は一切なくただただ30分の語りを聞いた。

「聞く力」という総理大臣もいるが、その大前提として、「聞いてもらえる能力のある話し手」である必要がある。
聞いてもらうためには、相手に必要な情報を知ることから始めなければならない。
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相手に必要な情報を知った後、有益な情報を提供するにしても聞き手が「有益」と認識しないと入ってこない。永遠と続く校長先生の話のような説明の中から有益を選ぶのは困難。
その結果、よくわからない話に気力を吸い取られ、「必要な物はネットで買います。新たな物は要らないからもう行かないです。」となる。

過不足のない情報提供をしてもらい、
自分に必要なものを認識して、
満足できる買い物ができる場所であった百貨店は、どこにいってしまったのだろうか。

店員さんと話したあと、新しい物を買って使うドキドキワクワクが好きだったなぁと懐かしくなる。
私は、皮膚のうんちくよりもその知識から私に必要な情報と製品を教えてもらいたかったなぁ。
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本来なら新しい発見があるはずの対面での買い物なのに、新しい物を拒むほど生気を吸い取られ帰るのは悲しい。
買うときのこだわりは、ルーティン製品ならネットで注文。それを超えて今より良いものや新しもの、もう一歩先の物を買うときは、製品の有能性と自分に見合っていることを知れた上で、それを手に入れることに納得できる対話によって楽しい一時があった時だと感じた。
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迷う、買う、使うの各過程におけるドキドキ、ワクワクは、「聞いてもらえる能力のある話し手」の手腕で生まれる。製品のみならずこれがあってこそ、買い物が満足したものになるのだろう。

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