マガジンのカバー画像

なんかスキ

169
よくわからないけど、スキだと直観的に感じた記事を集めてみた。  何がスキなのかは、集めているうちに気が付くかもしれない大笑。
運営しているクリエイター

2024年1月の記事一覧

【読書日記R6】1/5 穏やかな日々の暮らしを愛す「とんがりモミの木の郷/ジュエット」

とんがりモミの木の郷 他5篇 セアラ・オーン・ジュエット 作 河島弘美 訳 岩波文庫 令和6年が始まりました。 年を重ねるほど、新しい年を迎えることが出来る嬉しさありがたみを感じるようになりました。 そんな気持ちにこの小説はふさわしい。 昨年読んだ本ですが、感想が上手く書けずに保留していましたが、新年最初の読書日記は、これにしたいと思いました。 19世紀後半のアメリカの女性作家ジュエットが綴るニューイングランド・メイン州の町の自然と人々の日常の暮らしの物語。本書には6編の

【読書日記R6】1/12 私の人生をどんなことばで語ろうか。「ちいさなことばたちの辞書/ピップ・ウィリアムズ」

小さなことばたちの辞書 ピップ・ウィリアムズ(著) , 最所篤子(訳) 小学館 写字室(スクリプトリウム)の机の下で「ことば」を集めて育った少女は、文字に書かれないことば、辞書に載らないことば、すなわち「迷子のことばたち」を集め始めた。 「言葉」を愛し、その「言葉」を話す人がその「言葉」に託した意味を大切にしたある一人の女性の物語。 19世紀末の英国、大学町のオックスフォード。 マレー博士を編集主幹として『オックスフォード英語大辞典』の編纂が一大プロジェクトとして進め

『哀れなるものたち』おとぎ話を伝える”威力”

美しい。 にしても美しい映画だ。画面の隅々に至るまで”世界を形成したい”という欲望があふれており、派手ではあるものの決してけばけばしくはならないラインで色彩が調律されている。ロンドンの街並み、ファンシーでグロテスクな遊び心も感じられるバクスター家の内装、海も空も深く美しい青に彩られた遠洋定期船の光景、蠱惑的かつ頽廃的な雰囲気漂う売春宿、見下ろした先にあるアレクサンドリアのスラム街、丹念に手を加え作成された絵画のような、どのビジュアルも私たちを幻想的な世界へいざなおうとする作り

真冬のオペラグラス

ファントム!ファントム! 今年の大寒もめっちゃ寒かった。1年で1番TRFの『寒い夜だから・・・』を聴きたくなる日だったな。去年よりも確実に寒い気がしたし、ヒートテックとダウンを着ていても全く意味がなかった。 でも、1番は去年の冬のようにマスクをしていなかったからかもしれない。 私は、そんな日にミュージカル『オペラ座の怪人』の来日公演を観に行った。本場ブロードウェイでは、35年のロングランを経て、去年4月に上演が終了したそうだ。本作に触れるのは、子供の頃に児童書籍で読んだの

原人にだけ見える風景~梶井基次郎『檸檬』(他)

今回は、有名な『檸檬』を中心に、梶井基次郎の作品といくつかのエピソードをあわせて紹介していきます。 野性の「詩美」夜の果物屋に陳列された果物たちを、彼はこんなふうに描写します。 文庫版で10頁ほどの『檸檬』は、「私小説」とも「掌編小説」とも言えます。あるいは、「起承転結のある散文詩」というのがより具体的かも知れません。 既存のどんなジャンルも枠をも超えたエネルギーと独特な詩情が、『檸檬』には満ちあふれているのです。 この異才に対して、多くの文学者が様々な賛辞を送ってき

左右がわからないのよ -道案内の天才、現る- (自由奔放な母、タモヨその4) #039

これまでに何度か、自由奔放なわが母、タモヨについて書いた。 タモヨはたまに、左右がわからなくなることがある。 小学校高学年か中学生くらいの頃、タモヨの運転する車の助手席に座った私は、よく道案内をさせられていた。 当時カーナビはついていたのだが、タモヨは運転に集中するあまり余裕がなく、その指示を聞いていない。そこで、私に次はどっちに曲がるかと聞くのだった。 「次はどっちなの!?」 「左」 「左って、…どっち?」 この人は一体何を言っているのだ。「左」以外に、なんと言え

書くべきものを書いてしまう人たち

 この人は自分の書くべきものを書いている。そう思わせる作家がいます。作品の細部を読めば読むほど、その思いは強くなります。細部に勢いがあるのです。書くべきものを「書こうとしている」のではなく「書いてしまっている」気がしてきます。  この記事は、以下の「くり返すというよりも、くり返してしまう」の続編として書いたものです。 ◆「ワンパターン」は褒め言葉*楽曲、小説、芝居、映画、ダンス  語弊はありますが「ワンパターン」は褒め言葉だと思います。いま頭にあるのは、水戸黄門や笑点で

洋上の激闘!巨大マグロ戦争2024

1億1424万円のマグロ 初競り一番マグロを釣る瞬間をカメラはとらえた! 大間のマグロを扱ったTV番組が好きです。 テレビ東京で毎年この季節に放送している気がします。 豊洲(昔は築地の)マグロ初セリのタイミングで放送しているのかもしれません。 今回は、【洋上の激闘!巨大マグロ戦争2024」★独占映像!初競り一番マグロを釣る瞬間】 というテレビ番組のウォッチング記録です。 ちなみに、私は大間出身では無いですが、青森県の生まれなので、ついつい毎年この番組を見いってしま