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なんかスキ

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よくわからないけど、スキだと直観的に感じた記事を集めてみた。  何がスキなのかは、集めているうちに気が付くかもしれない大笑。
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2023年11月の記事一覧

【読書日記】11/18 大人の階段のぼる。「十一月の扉/高楼方子」

【読書日記】11/18 大人の階段のぼる。「十一月の扉/高楼方子」

十一月の扉
高楼方子 著 新潮文庫

十一月荘、と名づけられた白い壁に赤い屋根の洋館。

ずんぐりした鉛筆形の看板の下げられた「文房具ラピス」で見つけたドードー鳥の細密画が型押しされたノート。

これらの道具立ては、かつての児童文学愛好家の心をそわそわと騒がせます。

中学二年生の爽子は、十一月の初め、親の転勤が決まったものの二学期が終わるまで、との約束で「十一月荘」に下宿することになりました。

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いのちのかたち

いのちのかたち

先日、おとなりの山形県まで行ってきました。
お目当ては、天童市美術館で開催されていた

「はしもとみお展 −時を刻むいきものたち− 」

です(会期が11月19日までなので、結構ぎりぎりでした)。
いつもお世話になっている風花画廊のオーナーさんに「よかったよぉ」と勧められて。

お名前に記憶のある作家さんです。
「いとしのムーコ」という柴犬が主役のマンガがあって、そのモデルである実物のムーコの等身

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アナログ派の愉しみ/映画◎内田吐夢 監督『飢餓海峡』

ひとは命懸けでなければ
自己の過去と向きあえはしない

内田吐夢監督の『飢餓海峡』(1965年)は、わたしがこれまで繰り返し観た映画のひとつだ。そのたびにただならぬ感動に襲われてきたのだが、いちばんのキモのはずのラストシーンだけはずっと腑に落ちないでいたところ、この年齢になってやっと理解できた気がする。そのへんを書いてみたい。


水上勉原作。敗戦後間もなく、北海道で刑務所を仮出所したふたりの男

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ホン雑記918「奥に細道」

ホン雑記918「奥に細道」

日曜日の夜に嫁とつるんで再放送の「日曜美術館」を観る習性があるんだけど、昨日のは良かったなぁ。

どうも権威に「ケッ」と思っちゃうケがあるオレは、教え手になった時点でその人はホンモノのその道の人じゃない、と決めつける偏見があった。
クラシック作曲家の中では一番思い入れのある(いうてもそんなに曲しらんが)ショパンも弟子や教え子がいたんでそのへんはまぁ矛盾するんだけどもさ。
ボイトレコーチとかに作詞作

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ぞうきん、モップ、ホコリトリ

ぞうきん、モップ、ホコリトリ

わが家の愛犬の毛がずいぶん伸びてきた。
毛量が多いビションフリーゼなので、
トリミングからひと月も経たないうちに
ボサボサになる。

ぞうきん、モップ、ホコリトリ。。。

昔読んだ今は亡き鈴木るみこさんの『パリの
すみっこ』(マガジンハウス)という本の中に、
「パリのぞうきん犬」というページがある。

引用させていただくと、

タイトルの写真に使用したアヴリルというワンコについては、こう書かれてい

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一緒に、帰ろう

一緒に、帰ろう

小学校の時、ひでお、という友人がいた
ひでおは学校の裏山の団地に住んでいた

狭い敷地に緑色の屋根の平屋が
何軒か並んでいて
そこに、歳の離れた姉2人と
3人で暮らしていた

当時、ひでおには
どうして親がいないのか
ひでお自身に聞いたかもしれないし
聞かなかったかもしれない

なぜかは知らないが
ひでおには、親がいなかった

そして
ひでおは、すごく太っていた

体育の徒競走が大嫌いで
何かにつ

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