ミスを防ぎ、生産性を高める!チェックリスト活用術
こんにちは、Ayano@業務改善を愛する人です。
皆さんは業務でチェックリストを使っていますか?
チェックリストとは、作業を行う際に確認すべき項目をリスト化したものを指します。チェックリストに沿って順番に確認することで、抜け漏れなくチェックができます。
私はこれまで、Web公開前/メールマガジン配信前/SNS投稿前などの最終確認では、いつもチェックリストを活用してきました。ミスが許されない業務においては、必ずチェックリストを用意し、ミスを検知できる仕組みを整えるべきだと私は考えています。そこで今回は、チェックリストの意義と作成・活用方法についてお伝えしたいと思います。
チェックリストのメリット・デメリット
チェックリストを導入すると、以下のメリットが期待できます。
抜け漏れ防止:複雑な業務でも、リスト化によって確認事項を見落とすリスクを大幅に減らせます。
効率化:リストがあれば「何をチェックすればいいんだっけ?」と記憶を手繰り寄せたり、過去の資料を探す時間が短縮できます。
品質向上:あらかじめチェック観点をまとめたリストがあれば、目の前のチェック項目ひとつひとつに集中して取り組めます。また、チェック作業が標準化され、新人教育やチーム全体のスキルアップにも役立ちます。
安心感:すべての項目にチェックを入れることで、作業完了に対する安心感が得られます。ミスが許されない業務において、精神的な負担を軽減する効果が期待できます。
チームワーク向上:チェックリストのチーム共有により、メンバー間の情報共有がスムーズになります。また、誰がどのような観点でチェックを担当しているのか、各タスクの責任の所在が明確になり、協働しやすくなります。
チェックリストは一度作成してしまえば、繰り返し利用でき、作業の効率化と品質向上を同時に実現できます。
一方で、チェックリストには以下のデメリットもあります。
作成・更新の手間:チェックリストの作成や更新には一定手間がかかります。後述のように生成AIを活用したり、既存のリストがあればそれをベースに改修するなど、なるべく効率的に作成しましょう。
過信:チェックリストを過信すると、想定外のミスを見逃す可能性があります。リストは運用しながらチェック観点をブラッシュアップして進化させていくものだという意識も必要です。
これらのデメリットを補うように、チェックリストを作成・活用していくようにしましょう。
チェックリストの作成方法
Step1. チェック項目を書き出す
まずは、日ごろのチェック作業を思い出し、確認している項目をすべて書き出します。この段階では、思いつくままにリストアップし、網羅性を重視しましょう。複数人で対応している業務は、他の担当者のチェック観点ヒアリングしてリストアップすることで、業務の標準化につながります。
チェック項目のたたき台を生成AIに出してもらうのも一つの手です。今回はGeminiの回答が一番良かったので以下にご紹介します。
ここから必要なチェック観点をリストに加えましょう。今回はGeminiを使用しましたが、他の生成AIでも問題ありません。
Step2. チェック項目を精査する
次に、書き出した項目を精査します。チェックリストは使いやすさが重要です。以下の観点で精査してみてください。
チェック項目は1項目1チェック観点:複数の観点が含まれていると確認作業が複雑になってしまうので、1項目1チェック観点に絞りましょう。
チェック項目間の重複を排除する:複数の項目で内容に重複がある場合には、重複がないように分けるか、どちらかを削除しましょう。たとえば「画像に誤字がないか」と「配信内容(=画像+テキスト)に誤字がないか」の重複であれば、「画像に誤字がないか」と「テキストに誤字がないか」で分けるとチェック作業がスムーズになります。
チェック基準を具体的にする:業務初心者が見てもわかりやすいように、チェック基準は具体的に書きましょう。「画像サイズは適切か」よりも「画像サイズは1080*1080になっているか」の方が、客観的に判断しやすくなります。
チェック項目を作業の順番に並び替える:チェックする箇所を見る目線の流れなど作業の順番に合わせてチェック項目を並べておくと、作業がよりスムーズになります。
過去に起きたミスを検知できる項目を入れる:Step1でチェック項目を網羅的に出したつもりでも、漏れなく洗い出すのはなかなか難しいです。過去に起きたミスの記録/記憶があれば、そのミスに気づけるチェック項目があるかどうかを確認し、なければ付け足すことで、重要な観点は最低限押さえられます。
Step3. チェックリストの形式を決める
チェックリストの形式はWordやExcelが一般的かと思いますが、業務マニュアル同様、私はWebページ上にチェックリストのひな型(テンプレート)を作り(それを毎回複製して)使用していく形式を推奨します。(業務マニュアルのツール選定については「業務マニュアルのつくり方【前半】」の記事をご参照ください)
推奨理由のひとつは使い心地の良さです。これまでBox NotesやMicrosoft OneNoteを使ってきましたが、これらのドキュメント作成ツールは、チェックボックス機能があるため、チェック完了のマークが入れやすいです。また、チェック済がグレーの取り消し線で表示されるため、チェック漏れに気づきやすく、かつ、作業を終えたときの達成感が増すように感じます。
チェックリストを複製して使用したら「チェック済シート」フォルダに格納していくルールにすれば、チェック履歴の管理も容易です。また、これらのツールは作成・更新履歴が自動記録されるため、リストを誰がいつ使用したかも一目瞭然なので、チェックリスト使用の定着にも役立ちます。
チェックリストの活用方法
チェックリスト作成後、活用段階では以下の点に注意しましょう。
Point1. 定期的な更新と改善
業務内容や状況(システムの仕様等)の変化に合わせて、チェックリストを速やかに更新しましょう。最新かつ最良のチェック方法がまとまったもの=チェックリストであれば、使用しない言い訳ができなくなり、チェックリスト使用の定着につながります。
Point.2 データの共有・履歴管理のルール化
チームで作業する場合は、チーム全員が常に最新のチェックリストのひな型を把握・アクセスできるように、データを共有フォルダで管理するなど、チェックリストデータの共有ルールを決めましょう。また、チェックリストが正しく使われているかどうかをお互いに確認できるように(上述の通り指定フォルダに格納していくといった)履歴管理のルールも整えましょう。
Point.3 シングルチェックで責任を明確にする
ミスが起こると再発防止策として、ダブルチェック体制さらにはトリプルチェック体制が候補に挙がりますが、実はこれらの対策はあまり効果がありません。チェック者が増えると責任感と緊張感が緩むことや、同じ立場の人がダブルチェックをする場合、一人が見誤るところはもう一人も見誤る可能性が高いことが主な理由です。以下の書籍では「タブルチェックは有害にすらなりうる」と言及されています。
チェックリスト使用時の個人的配慮
最後に、私がチェックリスト使用時に気をつけていることを紹介します。ミス削減を謳う書籍にも載っていないレベルの些細な心掛けですが、以下3点に配慮しています。
スケジュール管理ツールでチェック時間をあらかじめブロックし、時間に追われず落ち着いて取り組めるようにする
遅い時間になると脳が疲れていてミスを見落とすリスクが高くなるため、できれば午前中、遅くとも定時内にチェックする
チェック作業を中断せずに一気にチェックできる時間帯や環境を選ぶ(上司が会議に入っていて、私に声をかけてこないだろう時間帯など)
業務マニュアル同様、チェックリストも一度作成して終わりではなく継続的な更新・改善が必要ですが、ミスを防ぎ、生産性を高める有用なツールであると私は考えます。日々職場でミスの対応に追われて疲弊してしまう人が、チェックリストの活用によって減ることを願っています。(心身健康に働くために・・・という想いについては「業務改善に取り組むモチベーション②」の記事でお話ししましたので、よろしければご参照ください)
ご覧いただきありがとうございました。
Ayano@業務改善を愛する人
(トリプルチェックNGで思い出したイラストを添えて)
「スキ」だけで十分うれしいです。サポートいただいた場合は、”業務改善”関連書籍の購入費にあてさせていただきます。これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。