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できない自分を受け入れよう~『限りある時間の使い方』を読んで

やりたいことがいつもたくさんある私の口癖は、
「時間が足りない!」でした。

そのため、時間を有効に使うためのタイムマネジメント本を立ち読みしては「朝の時間を有効に使いましょう」と書いてあり、夜型の私には無理だと思ってそっと本を閉じる、を繰り返す日々。

今回読んだ『限りある時間の使い方』も、いわゆる時間術についてある本です。しかし、切り口が他のタイムマネジメント本とは大きく違いました。
それに、時間についての考え方が今まで読んだものより自分の中で納得がいくような気がしたので買って読んでみることに。


イントロダクションはまあまあ衝撃的な言葉から始まります。

長い目で見れば、僕たちはみんな死んでいる

「どういうこと!?」と思うかもしれませんが、80歳まで生きるとして私たちの人生はたった4000週間しかないそうです。
最初に読んだとき「たしかに短い」と思ったのが正直な感想でした。だって今ふつうに生きていても1週間なんてすぐ過ぎていきます。それを4000回繰り返したら人生が終わってしまうだなんて。しかも私の場合もうすでに3分の1以上は終わっているので残り2350週間もありません。
つまりはこのイントロダクションでは「人生は想像よりも短い」=「時間は思っているよりも限られている」と言いたいようです。

イントロダクションからも分かる通り、この本において「時間が足りない」と嘆いている、もしくは時間を上手く有効活用できていない人たちの問題の根っこにあるのは”時間が限られている”という事実だと著者は指摘します。

時間を思い通りにコントロールしようとすればするほど、時間のコントロールは利かなくなる。

本当にその通りだと思いました。
私自身も今まで時間を上手く使いたいと思いながらも、達成できた日なんてほんの一握り。「今日も無理だった」と落ち込む日のほうが断然多いです。

だから、最初にすべきことは現実を直視することだそうです。
まずは、時間が限られている事実を否定することなく受け入れよう、と。

そうしたら、課したやることリストのタスクを全部やり遂げようとしている根本的な前提が間違っていることに気づくそうです。
なぜなら、自分ができるよりも多くのことをやらなければならないなんて不可能なのだから。

この考え方が、なんだか目からウロコでしたね。
「やりたいこと全部やるなんて、不可能なんだよ。だってまず多すぎるんだから」と。
もしかしたらどこかでは気づいていたのかもしれません。でも、それを気づいてしまったらダメな気がして必死でやろうとしていました。他人の言葉で言ってもらえたおかげで、「そっか~。いや、本当にそうだよね!」と素直に認めることができた気がします。

すべてを効率的にこなそうとするのではなく、すべてをこなそうという誘惑に打ち勝つことこそ必要だったのだ。

できるように頑張るのではなく、できないことを受け入れる。
一見ネガティブなようですが、そうやって選び取ったものだからこそ価値が生まれるのだそうです。


さらに、次におこなうのは幻想を手放すこと
特に心に残ったのはこの部分でした。

時間をうまく使おうとすればするほど、今日や明日という日は、理想的な未来にたどり着くための単なる通過点になってしまう。
これは時間の「道具化」とも呼べる問題だ。

人生の「本当の意味」が未来にあると信じることで、今この時を生きることから逃げているわけだ。

私たちが時間にとらわれているのは、未来を思い通りに動かしたいから。
その幻想を思い切って手放してしまえば、未来に先送りすることなく行動そのものを楽しんだり集中したりできるそうです。

こんなふうに考えたことが無かったので、なんだか新鮮でした。
たしかに時間を上手く使うことでやりたいことを全部できれば「未来の自分は成長できている」とか「もっと良い未来が待っている」とか常に未来のことばかり考えていました。私が生きているのは「今」なのに。

もちろん未来のために何かを努力することは悪いことではありません。
だけど、未来の自分のことばかり気にしすぎて、今の自分のことをないがしろにしてしまっていたところはあります。


人間いつ死ぬか分からない。もしかしたら明日死んでしまうかもしれない。
だからこそ、後悔しない生き方をしよう。

そんなふうに思っていたはずなのに、いつの間にか忘れてしまっていたようです。

だからこそ、未来のためとか何かを達成するためとかではなく、単純に今自分がやっていることそのものをもっと楽しみたいと思いました。そうすれば、きっと「今」の時間を大切に生き、明日死んだとしても後悔しないと言えると思うので。

この本を読み終わってからは「時間が足りない」という口癖を言わなくなりました。現実を受け入れ、今できることを楽しみながらゆっくり進めていくことにしたので。

以前はいつも時間に追われていたようでしたが、今は憑き物が落ちたようなスッキリとした気分です。

できないことはできないと認める。
できることをしっかりと取り組む。
未来ばかり見るのではなく、今を楽しく生きる。

全ての人に受け入れられる考え方ではないと思いますが、私は最近ネガティブをポジティブに変換するような考えに強く惹かれるのでとても心地よく感じました。

気になる方はぜひ読んでみてくださいね。

ちなみに、このつぶやきの時に読んでいた本はこの本でした。
無事、感想投稿できてよかったです。
久々に本との出会いで、色々と心を揺れ動かしてもらいました!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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