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【映画15】シング・ストリート 未来へのうた(2016)

こちらの作品は、映画館に観に行きました。
なんとなく映画を観たい時期で、上映作品を調べてみるとレビューもなかなか評価が良かったので選んでみました。

結果、これが大当たり!
音楽映画だったので、劇場に観に行って本当に良かったです。

観た後に心に残ったのは、若さゆえのキラキラ、音楽の素晴らしさ、そして旅立ちのワクワク感。この三つでした。


※この記録にはネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。




◆あらすじ

舞台は1985年のダブリン。不況の波が訪れ、両親の喧嘩が絶えず転校をせざるをえなくなった14歳のコナー。転校先の学校に馴染めず、冴えない日々を送っていたのだが、ある年上の女の子、ラフィーナに一目ぼれし振り向かせるためバンドを組むことに。それが、コナーの変化のはじまりだった。



青春時代の描写が素晴らしい

まず、はじまりから青春っぽくていいんですよね。ちょっと可愛い年上の女の子の気を引きたくてやってもないバンドのミュージックビデオのモデルを頼む、という。そこからバンドメンバーを探していく無計画さ。なさそうでありそうな、青い春ってかんじです。ヒロインのラフィーナも大人の目線から見ると化粧や喋り方など少し背伸びして無理して大人っぽくしているような雰囲気。でも、コナーと付き合うようになって等身大の可愛らしい女の子になっていきましたよね。とても微笑ましかったです。
バンド活動を続けていく中で、コナーはだんだん自分に自信を持ち、強くなっていきます。最初にやられていたいじめっ子にも言い返せるように。
キスのぎこちないかんじも良かったですね。
大好きなのが、体育館でのライブシーン!披露した曲『Brown Shoes』では14歳の反抗心が滲み出ていてそれを音楽で表現する姿がカッコよかったです。
最終的にコナーは最初の様子からは考えられないほど強くて魅力的な男の子になっています。この作品はコナーの成長を見守るための物語だったのかもですね。

楽曲が最高

この作品は曲がとても良かったです。時代とストーリーに合わせた挿入曲とシング・ストリートのオリジナル曲。
特にオリジナル曲は、少年たちの心も表した等身大の歌詞に秀逸なメロディで本当に素晴らしかったです。当時は思わずサウンドトラックを買ってしまうほどハマってしまいました。

せっかくなので何曲か紹介させてください。

Riddle of the Model

シング・ストリートとしてのデビュー曲といってもいいでしょう!MVを初めて作った曲なので。
未来派を謡っているバンドにピッタリでしたね。自分的には掴みはバッチリでした。不思議な電子音のイントロに中華風なアレンジ。コナーとエイモンが曲を作っていく過程も良かったです。

Up

これは、メロディが大好きです。タイトルにある『Up』が歌詞で韻を踏まれているのも良いですし、言葉通り最初は落ち着いた雰囲気で始まって、だんだん気分がアップしていくのもGOODです!

Brown Shoes

先ほども少し書きましたが、この作品で一番好きな曲です。反抗心あふれる、まさにロック!劇場で観たときは、校長のお面でみんなが踊るシーンはちょっと鳥肌が立ちましたし、自然と身体がリズムをとっていたことを覚えています。

お兄ちゃんが最高

コナーの音楽好きは完全にお兄ちゃんの影響です。お兄ちゃんはおそらく音楽オタク。コナーはそれほど詳しくはないので、バンド仲間にお兄ちゃんの言葉を真似して話したりします(名前が間違っていましたが。笑)ここの兄弟関係がすごく好きでした。
バンドでカバーを演奏して録音したテープをお兄ちゃんに聞いてもらって、「他人の曲で口説くな!」とコテンパンに言い負かされてコナーがポカーンとするシーンがお気に入り。結果的に、オリジナルソングを作る流れになりましたし。
コナーとの関係もそうですが、両親が険悪な状態でありながら、弟と妹がひどく反抗的にならなかったのはおそらくこのお兄ちゃんがいたからでしょう。両親が喧嘩しているときに音楽で誤魔化してみんなで踊っている姿を見たときにそう思いました。
お兄ちゃんがコナーに自分の影を重ねていたのが分かり、もどかしさを感じるシーンもありました。でも最終的には、自分の成し遂げられなかったことに挑戦する弟に手を貸し、見届け、ガッツポーズ!この姿が最高でした。

未来への旅立ち

ラストにてコナーとラフィーナの二人は船でロンドンへ旅立ちます。
イギリスらしく天気は良くありません。むしろ、どんどん悪くなり海上も荒れていきます。それでも、二人の表情が暗くなることはありません。
それはまるで二人の未来を見ているかのよう。
若いってそれだけで無敵ですよね。その時期にしかできないこともあります。
「何にも負けない。だって、自分で決めたことだから。」と。
「今だ。行くのは今しかない。」
そんなラストシーンに上手く寄り添っていたのが、やはり音楽でした。
ぜひ、歌詞も含めてじっくりと聴いてみてください。

Go Now/アダム・レヴィーン

旅立ちの時に聞きたくなる曲がまたひとつ増えました。

◆総評

サウンドトラックだけでなく作品のBlu-rayも買ってしまうほど、自分の中でかなりお気に入りの作品になりました。
今回も記録を書くために、久しぶりに観たのですがやはり良かったです。
そういえば、バンドメンバーの中ではエイモンがお気に入り!家に行って「何してた?」って聞くといつも「ウサギの世話だよ」と返事。「曲作りしない?」と聞くと歓迎して家に入れてくれます。いつまでもそのままの君でいてほしい・・・。
音楽の楽しさや、若さゆえの輝き、今となっては戻れない青春の日々を思い出させてくれる作品です。
また、元気のないとき、大人であることに嫌になったとき、旅立ちなどの大きな転機を迎えるときなどに観返そうと思います。

あ、そうそう。この作品でラフィーナを演じているルーシー・ボイントンさんは『ボヘミアン・ラプソディ』でメアリー役だったんですね。こうやって作品を通して役者さんとの再会することは地味に嬉しいです。素敵な役者さんであればあるほど。
▼『ボヘミアン・ラプソディ』の記録はこちら。

ちなみに、この作品でコナーを演じたフェルディア・ウォルシュ=ピーロさんとも別の作品で再び出会いました。その鑑賞記録についてもまた書く予定です。

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