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相手が大切にしている言葉を拾い、その人の「物語」に寄り添う

今日もVoicyネタを。
「荒木博行のbook cafe」でメンタリングの技術について対談されていて、学びの多い内容だったので紹介します。


池原さんによると、メンタリングスキルとは、「傾聴スキル」「深掘りスキル」「アドバイススキル」「クロージングスキル」のことだそうです。

これは私が普段している転職相談の面談でも活用できる点が多そうだ、と思って聴いてみました。

特に私が使えるな、仕事以外のプライベートでもすぐに真似したいな、と思ったのが以下のやり方です。

信頼関係を作った上で、アドバイスの許可を得て伝える
会って3秒でアドバイスされても響かない(笑)
まずは話を聴いて深堀して信頼関係を作った上で、
「私のアドバイスしてもいいですか?」と聞くと良い。
そうすると相手もアドバイスを受け入れる心構えができる。
そして、ここで長々と武勇伝を語らないこと。
短くエピソードと得られた教訓を伝え、
「こういうのもあるよ。あなたはどう思いますか?」と必ず返す
押し付けではなく、相手に解釈をゆだねるのがポイント。
こうすることで、マウンティングやハラスメントと受け取られるリスクを防げる。

アドバイスを「配慮のサンドイッチ」で挟んで伝える、そんな感じだなぁと思って聴きました。
私は美味しいと思うけど食べる?って聞いて、食べてみた後に、美味しいと思うかどうかは、あなた次第ですよって、押し付けてない感じ。

そして、もうひとつ「相手が大切にしている言葉を拾い上げる」という話もすごくいいなと思いました。

誰かと話をしていると、何度も同じ言葉が出てくることがあります。
「それってこういうことですか?」と、その周辺情報を確かめていくと、「この人が大切にしているのはこういうことなんだな」とわかる瞬間があると。

同じ言葉でも、人によって意味合いや使っているニュアンスが違うことがありますよね。
そこを丁寧に掘っていくことは、荒木さんも仰っていましたが、相手の「物語」を知り、寄り添うことだなぁと思いました。

改めて、仕事の面談でも、普段のコミュニケーションでも意識したいことです。
相手を傷つけない優しさとか、相手へのリスペクトとか、そもそも相手への興味とか。
それらを持ち合わせているつもりで話をしていても、それが伝わらないことも、逆に意図しない形で悪く伝わってしまうこともあります。

対談の中で荒木さんもお名前を出していましたが、『利他・ケア・傷の倫理学ー「私」を生き直すための哲学』(近内悠太著)の中でも、以下のように触れられています。

現代は「多様性の時代」と言われたりします。多様性とは共通性(あるいは単一性)の反対の概念です。育ってきた環境も違うし、好みも違う。また、こうすれば幸福になれるといった、学歴や就職あるいは結婚に関する大きな物語もなくなってしまい、一人ひとりがそれぞれの物語を生きている時代(あるいはそのように生きなければならない時代)でもあります。

近内悠太. 利他・ケア・傷の倫理学ー「私」を生き直すための哲学. 株式会社昌文社, 2024, 4p


良かれと思ってしたことが、相手を傷つけてしまったり、歓迎されない行為や言動となってしまう可能性を孕んでいる「多様性の時代」。

なんて生きづらくて、コミュニケーションが難しい時代なんだろ・・・
と思ってしまうけど、一人ひとりの「大切なこと」は、わからないから、丁寧にそれを知りたいという気持ちをもって、相手の物語に寄り添いたい。
「難しい」という言葉で簡単に片づけないで。

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