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その怒りは相手ではなく「過去の記憶」に反応している

「過去を引きずる」というのは、仏教的には「記憶に反応している」状態です。ここは大切な点なので、ぜひ理解してください。
たとえば、相手と言い争ったとします。最初の「怒り」の対象は「相手」かもしれません。でもその場を離れてもなお、相手のことがアタマから離れず、ムシャクシャ、モヤモヤ、イライラしているとしたら、その原因は「相手」ではありません。自分の中の記憶です。
過去を思い出して、「記憶」に反応して、新しい怒りを生んでいるーそれが、いつまでも怒りが消えない本当の理由です。その怒りに実は「相手は関係ない」のです。

草薙龍瞬. 反応しない練習. 株式会社KADOKAWA, 2015, 93p(電子書籍版)


最近、不機嫌な人と話をして、「なんでそんな態度されなきゃいけないんだ!?」と怒りが湧いたことがありました。

しばらくその人のことを考え続けてしまい、これはいけない、、と思って久しぶりに手に取ったのが、冒頭で引用した『反応しない練習』(草薙龍瞬著)でした。

この本の中では、仕事や人間関係などの悩みの正体は、私たちの「心の反応」であると書かれています。
悩みや執着を手放したければ、「ムダな反応をしない」ことが一番なのです。

冒頭で引用したのは、「困った相手とどう関わるか」という部分で触れられている内容でした。

まさに、私はその人との会話はもう終了しているのに、何度もその場面をアタマの中で反芻して、イライラ、ムカムカしていたのでした。

でも、そこにもう相手はいない。私が怒っているのは「過去の記憶」に対してだったのです。

そう思うと、そんな自分が滑稽で、「ばからしい、や~めた」という気持ちになれました(笑)

「反応しない」ようになるにはまだまだ練習が必要ですが、こうして気づいて「過去は過去」と割り切ることができると、心が静まり、すっきりします。

まずは、反応してしまう自分を素直に認めること。
「あ、今、反応している」と実況中継したり、書き出したりしてみること。
身体の感覚に集中してみること。
そうすることで、だんだんと悩みや執着を手放すことができるようになります。

なります、なんて言いながら私も全然できていないんですけどね(笑)
でもこうして、ときどき本を読み返して、「あ、そうだった、そうだった」と練習していく、それでいいのだと思っています。
反応してしまった自分も「過去」。私も相手も昨日とは別の人間。心も人も「無常」なのだから。

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