見出し画像

東京を離れることになりました

「来週から関西に異動してください」

上司からそう告げられたのは、数日前のことだった。

驚きすぎて現実感なんて全くなかった。来週から?来月からとかじゃなくて、来週から?そんな急に?え?引っ越しは今週末ってこと?え?え?え?
頭の中をたくさんの感情がぐるぐるして、どうしたらいいのかわからなくなった。

でも、総合職で全国転勤ありで入社しているわたしは、会社からの辞令に逆らうことなんてできない。

「はい、わかりました」

そう、答えるしかなかった。


そんなわけで今、大好きだったシェアハウスを卒業し、東京駅を出発した新幹線の中。あと数時間で新大阪に到着する。まさかこんな時期に都道府県をまたぐ「要」で「急」な移動をすることになるなんて思わなくて、人生っていつどうなるかわからないなぁ、なんて思ったりもして。


思い返せば4年前。キャリケースひとつで上京してきたわたし。

新社会人で、右も左もわからなくて。必死でがんばっているつもりなのに、上司には「学生気分が抜けていない」なんて言われて注意されて。たくさん泣いて、いっぱい悔しい思いをして、それでもくらいついて働いた。

会社の同期は本当にみんな仲が良くて、平日会っているにも関わらず、休日もみんなで遊びに行ったりもした。週末になれば、みんなで夜遅くまで立ち飲み屋でだらだら飲んで、寮までの帰り道、コンビニで買った棒アイスを食べながらげらげら笑いながら帰ったんだっけ。懐かしいなぁ。

朝早くから夜遅くまで本当によく働いた。「もっと役に立ちたい」「仕事ができるようになりたい」「自分の仕事で1人でも多くの人を幸せにしたい」純粋にそう思って、毎日必死だった。
でも、ついてこない結果に悩んで、成果を残す同期と比較して、どんどん苦しくなっていって。結果がついてこないならもっと仕事量を増やすしかないと、時間外労働が増えていった。
そして、体調を崩して3カ月の休職をした。知らず知らずのうちに、どうやら無理を重ねすぎていたらしい。

仕事がどうとか、成果がどうとかの前に、まずは自分のことをちゃんと考えてあげないといけないことを知った。自分のことを、ちゃんと大切にしてあげないといけないことを知った。家は寝るためだけの場所じゃなくて、生活をするための場所だったことを知った。自分がまるで生活を出来ていなかったことに気が付いた。

復職してから、ちゃんと生活と仕事のバランスを考えるようになった。そして、会社以外のところでも生きていける自分になりたいと思うようになり、もっと広い世界に目を向けるようになった。

学生時代に習っていたピアノと、大学時代にやっていたアカペラを、もう一度始めることにした。一人で旅に出るようになった。オンラインコミュニティに入った。カメラを始めた。noteで日記を書くようになった。


時が経つにつれて、仲が良かった同期が一人また一人と辞めていき、そして新入社員寮も、退寮の時期を迎えた。

新しい住処に選んだのは、寮の近くにあった、オープンしたばかりの音楽シェアハウス。防音室にはグランドピアノ、住人はみんな個性的で変わっているけれど楽しい人たちばかり。毎日笑って騒いでみんなで音楽を奏でて、本当に幸せな毎日だった。いちご狩りに行ったり、近くで開催される花火大会を屋上から鑑賞してみたり、ライブをしたり、お誕生日会をしたり、youtubeを撮ってみたり。刺激的で飽きない、贅沢な日常だった。

復職後時短で働いていた仕事もフルタイム勤務に戻り、たくさんのクライアントを担当させてもらった。なかなか成約ストーリーが描けないような難しい案件を担当することも多かったけれど、それでも多くのクライアントからお褒めの言葉もたくさんいただいた。「あなた、うちの社員にならない?」と、ありがたいことに多くのクライアントからお声かけいただいた。社内表彰されるような大した結果は残せなかったし、所属していた組織に大きな貢献ができたわけではない。日々悩むことも多かったけれど、それでも振り返ってみれば、それなりに充実していた日々だったなと思う。


東京で過ごした4年と少し。酸いも甘いも知って、大人になれた貴重な期間だった。東京に居たから経験できたこと、出会えた人、本当にたくさんあったと思う。

わたしの人生の中で、本当に大きな4年間だった。

この4年間を、簡単に言葉で表現することができない。ここまで書いてきたけれど、本当はもっといろんなことを感じて、もっとたくさんのことを学んできた。うまく言葉にできないのがもどかしい。

ここで出会えたたくさんの人たちに、本当に感謝したい。

わたしと出会ってくれて、本当にありがとうございました。

見ず知らずだった東京が、大切だと思える人や出会えてよかったと思える人がたくさんいる街に変わった。ここに住めて、ここで生活できて、本当に良かったな。

もうこの地に住むことは今後ないかもしれないけれど、きっと、また、遊びに来るんだと思う。みんなに会いに、来るんだと思う。

だから、その時まで、さらば東京。



そんなわけで、10年間続いた旦那さんとの遠距離恋愛、これにて終了です。



やっと帰ってきたで。ただいま。




#キナリ杯 #日記 #エッセイ #ひとりごと #あやめしのひとりごと #まいにち日記部 #毎日更新倶楽部 #旅しゃぶ更新部 #毎日更新 #毎日note #1000日更新 #1000日修行 #1000日チャレンジ #601日目

サポートいただいた分は、なんだかちょっとときめくものとか、心がうきうきするもののために使わせて頂きます。それをまた、noteに書いてみなさんにお裾分けできればいいなって思ってます。読んでくださってありがとうございます。