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【武蔵村山市議会議員 清水彩子  一般質問①】ディスレクシアの児童・生徒に対する支援について

【清水彩子の質問】
平成28年に施行された「障害者差別解消法」で、国や自治体は、障がいのある子どもたちが教育を受ける上で直面する壁をできるだけなくすよう、ルールの変更など、個人に応じた対応に工夫をするよう義務づけられました。また、令和3年5月の法改正では、民間企業においても「合理的配慮」が義務化され、社会全体で、皆が当たり前のようにできることを、誰もが同じようにできるための支援が進められています。

日本の小学校には、1クラスに約2、3人、読み書き障がい「ディスレクシア」の児童・生徒がいるというデータがあります。しかしながら、この障がいについての理解はまだ進んでおらず、本人や保護者、教員なども気が付かず、勉強ができないことを、本人の努力不足と誤解されることもあり、その結果、自尊心の低下、不登校等二次的な影響が出るケースもあるため、早期発見が重要です。

低学年のうちは、学習についていけても、中学年以降は、板書の量も内容も増え、漢字も難しくなります。その時に、読めない書けないことで、本来の学びにアクセス出来ずに学習の機会を失い、学力の遅れが出てしまいます。基礎的環境整備により、授業・教室の環境づくりがされていれば、障がいの有無にかかわらず、どの児童・生徒にもわかりやすくなるとされています。ユニバーサルデザイン化も推進され、そうしたことの積み重ねが、インクルーシブ教育システムの構築に繋がると考えられます。わかりやすくなることで、学びやすい、過ごしやすい環境が確保されるよう、ディスレクシアの児童・生徒への支援の現状、個に応じた指導、ユニバーサルデザインの取り組みについて伺います。

【教育長答弁】
各学校では、ディスレクシア等の発達障害のある児童・生徒を把握した場合には、校内委員会において支援方法を検討するとともに、状況に応じて特別支援教室等での指導につなげています。

また、特別支援教育、個に応じた指導、ユニバーサルデザインの考え方については、夏季研修や校内研修を通じて教員の理解を深めております。

武蔵村山市役所の花壇

【再質問】
(清水彩子)
市内の小・中学校で、ディスレクシアと思われる児童・生徒の人数はどのくらいいるのか、把握しているのでしょうか。また、きこえとことばの教室等ありますが、ディスレクシアの児童・生徒はどこで支援を受けられるのでしょうか。

(教育委員会)
学習障害のある児童・生徒については、特別支援教室及び、通級指導学級で指導を行っております。この中で、ディスレクシアと診断されているかどうかについての詳細は十分に把握しておりません。
なお、学習障害を主な障害として、指導を行っている人数については、小学校特別支援教室で18人、きこえとことばの教室で20人、中学校特別支援教室で7人であり、小・中学校で合わせて計45人おります。また、ディスレクシアの児童は特別支援教室または、きこえとことばの教室で学習の支援を受けることができます。

(清水彩子)
ディスレクシアは学習障がいのひとつのタイプでありますが、今回ディスレクシアについて、当事者のお子さんや保護者が困っていること、周囲の環境がどのようであればいいのか考えるきっかけになり、理解が広がればと思い質問することにしました。
ディスレクシアと診断されているかどうかまでは把握していないということでわかりました。
きこえとことばの教室は小学校のみですが、中学生はどこに通うのでしょうか。

(教育委員会)
きこえとことばの教室は難聴言語学級でございます。発語の改善等については小学校段階で多くが改善されます。中学校への進学にあたり、まだ読み書きについて継続的に支援が必要であると判断する場合には、特別支援教室につなぐことがあります。

(清水彩子)
わかりました。文部科学省の「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」によりますと、「多様な学びの場の整備と教職員の確保、特別支援教育支援員の充実、さらには、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士等の専門家の活用を図ることにより、障害のある子どもへの支援を充実させることが必要である」とされていますが、学校、教育相談室等に、そうした専門職は、配置されているのでしょうか。

(教育委員会)
市内学校にはスクールカウンセラーが週1回勤務しております。また、教育相談室にはスクールソーシャルワーカーを3名配置し、学校の依頼により学校や家庭を訪問しております。
言語聴覚士、作業療法士、理学療法士等、専門職については配置しておりません。

(清水彩子)
きこえとことばの教室に、言語聴覚士はいるのでしょうか。
言語聴覚士・作業療法士・理学療法士がいる自治体もあり、それぞれ専門性が全く違うと思いますが、言語聴覚士・作業療法士・理学療法士が必要とされる時があると思うのですが、その時はどのように対応しているのでしょうか。

(教育委員会)
きこえとことばの教室の教員の中には、言語聴覚士の資格のある教員もいます。
本市では、特別支援教室への入級や、特別支援学級への就学を検討する委員会では、学識経験者や臨床心理士等の先生方を委員として御意見をいただいております。
いずれにしても、学校は教育機関であり、医学療法等に関する検査や療育については、病院で行っていただきたいと思います。

(清水彩子)
配置しているということではなく、言語聴覚士の資格を有している教員が現在いらっしゃるということでわかりました。専門の知識をいかしていただいていることと思います。ありがとうございます。

今回ディクレクシアについての質問のため、言語聴覚士に絞って調べましたが、26市をみると、教育と福祉がもっと連携しています。児童発達支援センターに言語聴覚士が配置されており、18歳まで相談できたり、教育委員会でも言語聴覚士が学校に巡回している、非常勤ではあるがいるなど、武蔵村山市と1市を除いた24市は、なんらかのかたちで18歳以下の子供への支援として言語聴覚士が携わっている又は、児童発達支援センターが近年開設予定で、言語聴覚士の配置を予定しています。

専門職はそれぞれ専門性が違いますので、他の福祉の有資格者で補えるわけではありません。他のまちの専門職を活かした支援を参考にしていただきたいと思います。「教育」「障がい福祉」とだけ捉えるのではなく、支援が必要な子供に専門職の支援を提供する「こども支援」、支援が必要な子供を育てる保護者の相談に乗る「子育て支援」とも捉えていただきたいと思いますので、よろしくおねがいします。

学校で特別支援教育が推進されている分、福祉の支援体制も推進されていかないとバランスがとれません。福祉のバランスとなるものが、児童発達支援センターになると思います。以前議会で質問しましたが、やはり市として児童発達支援センターを開設していただきたいと思います。児童発達支援センターについては、また別の機会に改めて質問します。

武蔵村山市役所の花壇

読み書き障害は、WISCだけでは判断ができませんが、教育相談室では、 WISC以外の、小学生の読み書きスクリーニング検査であるSTRAW、読み 書きの速度の評価や速度を学年平均と比べることができるURAWSSなどの検査は受けられるのでしょうか。親が希望する必要な検査について、検査を受けられる場所は伝えているのでしょうか。

(教育委員会)
教育相談室では、特別支援学級や特別支援教室等の就学、入級のための発達検査としてWISC検査及び田中ビネー検査を実施しております。その他の検査は相談室で行えませんので、対応のできる市内外の病院を紹介しております。

(清水彩子)
病院を紹介していただいているとのことでわかりました。親がディスレクシアを知らないことにより、子供の努力不足と捉え叱ったり、やりたくてもできないのに無理をさせて心理的虐待となり、二次的な影響が出ることも懸念されていますが、親への啓発は、どのように行っていますか。

(教育委員会)
小学校では就学時検診の際に、発達に関する相談窓口として、教育相談室の案内やきこえと言葉の教室だより、東京都の特別支援教育のパンフレットを配布しております。
  
(清水彩子)
この障がいは、本人の努力不足を疑われやすいので、就学時以降も「ディスレクシアという障がいがある」ということが保護者に伝わっていくといいと思います。ディスレクシアについて、ひらがなや漢字では、はっきりと困り感が出なくても、英語で出るお子さんもいますが、そうしたことの把握はされているのでしょうか。

(教育委員会)
ディスレクシアについては、音と文字をつなげること、音韻処理の課題があるとされています。日本語は普段活用する言語であるため、なんとか対応できたとしても、そもそも英語については、普段聞いている音と違うので、理解しづらいということ、  また、日本語はひらがな、カタカナ、漢字など表現が多様であるため、わかりにくくもあるものの、当事者が使いやすいものを選べるが、英語は大文字、小文字のアルファベットであり、日本語に比べると文字を判別しにくいという一部見解がございますので、英語についてはさらに困難を伴う場合もあるかと思います。

(清水彩子)
英語の授業が始まり、これまではあまりわからなかったけれど、ディクレクシアだと分かってくるお子さんもいるというのは、ポイントのひとつかなと思います。早期発見が大事ですが、通常学級の巡回はどのようになっていますか。

(教育委員会)
発達障害のある児童・生徒等、特別な指導・支援を必要とする全ての児童・生徒について、学校の求めに応じて、児童・生徒が抱える学習上又は生活上の困難を的確に把握し、その困難に対応した専門的な指導・支援を学校が実施するための助言を行うことを目的として、心理士等の巡回相談を実施しています。

(清水彩子)
わかりました。わかりにくい障がいがあるかどうかの早期発見として必要だと思われるのは、5歳児を対象とした健康診査ですが、ディスレクシアについて5歳児の時点でわかるかというと、まだ読み書きできない子が多く、ディスレクシアかどうかはわからないという事はありますが、複合的な問題を抱えていらっしゃるお子さんもいます。保護者の「なんかおかしい」が、ゆくゆくディスレクシアだとわかっていくことに繋がる場合があると考えられます。

今保護者も、仕事、家事、子供の通院や習い事、きょうだい児の育児など、眠る時間がないくらい忙しい中で、5歳児健診については、心配がないお子さんまで対象にしなくていいのではという考えもあり、自治体によっては5歳児健診として、就学に向けて、5歳児年中(4月2日から翌年4月1日の間に5歳になるお子さん)に対するアンケートを、対象のご家庭に送ることを実施しているところもいくつかあり、アンケートの結果で保護者の心配の度合いが低い場合は、5歳児健康診査は終了。 終了した場合でも、相談は受けられるよう、相談を希望する方は、相談会希望のチェック欄に印をつけ、相談内容も併せて記入して送り返します。アンケートの結果で保護者の心配の度合いが高い場合、医師の診察・発達支援専門員による集団遊びの観察を案内などされています。園での集団遊びの日程は、園に掲示されますので、なるべくその日はお休みしないで登園すること。医師の診察については、委託医療機関で診察を受けていただき、発達支援専門員による集団遊びの観察結果から、保護者の方と一緒に、お子さんの対応について考えていくという方法をとっている自治体もあります。

就学支援シートは年長の秋頃の配布と伺っておりますので、小学生になる直前に、心配事を記入したことをきっかけに専門機関に繋がり、障がいがあるかもしれないとわかり、予定している学校に通えるのか、通えないのか不安な気持ちで入学を待つということは親子にとって辛いことなので、入学の頃には気持ちを切り替えられる準備や、落ちついてより良い選択ができるためにも、早めに気になるお子さんが専門機関に繋がることが望ましいですが、アンケートを配布する形の5歳児健康診査を実施できないでしょうか。

武蔵村山市役所の花壇


(市の答弁)
5歳児健康診査の最大の目的は、厚生労働省によると発達障害に気づくこととされています。5歳児全員ではなく、アンケートで実施しているところもあることは存じておりますが、5歳児健康診査の実施につきましては、現在、本市では実施しておりません。
理由といたしましては、現在、本市で実施しております3・4か月児健康診査、1歳6か月児健康診査、3歳児健康診査の各健診時におきまして、運動・精神発達遅滞、発達障害等が疑われる乳幼児に対して、専門医による発達健康診査の受診勧奨を行い、受診結果により、専門医療機関への精密検査票又は紹介状を発行し、発達上の問題や障害の早期発見、早期療育に努めております。

また、1歳6か月児健康診査、3歳児健康診査の各健診の結果や保護者の希望により、心理面での個別相談、心理グループでの支援が必要と思われる児に対しても、心理経過観察、心理相談を実施しております。
なお、4歳児以上の児童の運動・精神発達、発達障害等の育児や療育に関するご相 談につきましても、引き続き、就学前までの児童を対象とした歯科健康診査や幼児食教室、子育てひろばなど所管する各事業を通じて、随時、受付けております。
また、保育園や幼稚園とも随時連携を図っておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

(清水彩子)
生まれた時に、健康に異常がないと、なかなか自分の子どもに障がいがあるとは気づかないものです。保護者の心理として、健診は同じ時間に同じ月齢の子が集まっているので、自分の子どもの発達に少し心配があったとしても、なにも引っかからないで欲しいという願いがあり相談しなかったり、引っかからないように3歳児健診の内容をママ友に聞いて練習する方もいますし、健診で長い時間待ったのに、更に相談時間を待つということが大変だから相談しなかったり、3歳の時点で言葉があまり出ていなくても周囲に「うちの子も遅かったから大丈夫」と言われて安心していたりと、3歳というのはまだどうなのか待っている時期だと思います。実際のちに障がいがわかっても、3歳児健診ではなにも言われなかったというケースはあります。

歯科健診、幼児食教室は、歯や食を目的として行っているので、歯や食に関する相談が主だと思います。
ひろばは土曜日は6歳までが対象ですが、5、6歳の利用人数は多くないと思います。あと無園児がどのくらいいるのかわかりませんが、無園児についてはやはり5歳くらいで一度健康診査と相談の時間を設ける必要があると思います。保育園、幼稚園との随時連携は大きいと思いますが、5歳児健康診査を実施しないのであれば、もう 少しそれを補う環境を整えていただければと思います。

学校で、本人はどうしたいのか、本人の意見も、特別支援学級、通級での学校生活支援シート等に反映されているのでしょうか。

(教育委員会)
学校生活支援シートには、当該児童・生徒の思いを書く欄がございます。当該児童・生徒の思いを踏まえ、指導に生かしています。

(清水彩子)
ありがとうございます。ディスレクシアの児童・生徒への授業やテストでの合理的配慮について伺います。 「合理的配慮」という言葉については、配慮してあげるなど、してあげているような上からの印象を受けてしまう言葉ですが、内閣府の説明によると、アメリカにおいて「合理的配慮」とは、障がい者の完全な参加を可能にするための機会の調整や変更のことです。本来の言葉が示す意味を大切にする必要があると感じます。

教科書が読みにくいのであれば、デジタル教科書やデイジー教科書、または人の読み上げ。書けないのであれば、口述筆記、タイピング、板書の撮影などできるようにし、学びのスタートラインに立てるようにすることが必要です。 デイジー教科書を利用している児童・生徒はいるのでしょうか。また、デジタル教科書の活用についてはどのようになっているでしょうか。

(教育委員会)
本市にはデイジー教科書を活用している児童生徒はおりません。
デジタル教科書については、本市では文部科学省のデジタル教科書活用事業により、小・中学校全校で英語、一部学校で算数、数学を導入しております。こちらについては、一人1台端末を活用して、文字を読み上げることができます。

(清水彩子)
状況わかりました。ディスレクシアの児童・生徒は、テストの内容は理解できているにも関わらず、「問題を自分で読む」「回答を書く」ということが困難だったりします。そのため、読んでもらえれば回答はできるのに、問題を読むこと、答えを書くことに時間がかかってしまい、本来の学力を発揮できません。小学生の業者テスト、中学生の定期テストにおいて、ふりがな付きテスト、読み上げテスト、パソコン入力テスト等は活用できるのでしょうか。

(教育委員会)
まず、小学校の業者テストですが、業者にもよりますが、学校が業者から購入するときに、配慮を要する児童分をふりがな付きに変えて購入することができます。また、現在はふりがなを最初から付けている業者もいると聞いています。
次に、中学校の定期テストについては、教員が作成していることや、学力を測る点から、ふりがなをつけて作成することはしておりませんが、対象となる生徒や保護者からの要望で作成し、実施した事例はございます。

(清水彩子)
丁寧に対応していただきありがとうございます。全国学力調査についてですが、文部科学省によると、学力調査で、合理的配慮のため、障がいがある児童・生徒に対し、調査時間の延長、点字・拡大文字・ルビ振り問題用紙の使用、代筆回答用紙の使用、別室の設定が可能とされていますが、児童・生徒、保護者には伝わっているのでしょうか。

(教育委員会)
学校は、対象児童・生徒を把握している場合には、本人及び保護者と相談のうえ、対応について検討いたします。全国学力調査においては、対象児童生徒の在籍する学校が直接文部科学省に申請することで、拡大版の問題等を使用することができます。こちらは、本市でも事例がございます。
   
(清水彩子)
本来ある学力を発揮できるようにしていただいているということでよかったです。小学生から中学生、中学生から高校生となるとき、どのように個に応じた指導や環境調整について引き継がれるのでしょうか。

(教育委員会)
学校では、現籍校の教員と、進学先の学校の教員間で会議を設けたり、先程の学校生活支援シート等を保護者の許可を得て、進学先の学校に送付したりして引継ぎを行っております。
しかし、個に応じた指導や環境調整については、あくまで対象となる児童・生徒の状況を捉えたうえで、学校と当該児童・生徒及び保護者との間で話合い、合意形成を行って進めていくことが必要であると考えます。そのため、教員間での引き継ぎも行いますが、保護者には進学や年度替わりの際には改めて学校と面談を行い、必要な合理的配慮について相談していただきたいと思います。

(清水彩子)
基礎的環境整備について伺います。ICTの活用については、子供は機械が得意であり、柔軟なのですぐに覚えられるというイメージはありますが、タイピングを練習したり、アプリの使い方を学ぶ中で、得意不得意はあり、個人差も生じるものだと思います。ICTの活用よりも、自分で読めたり書けたりすることが一番簡単で楽だったりもします。低学年の間は、代読代筆のようなアナログの配慮も必要だと考えられますが、授業の中で、この子はICTを活用したほうがわかる、この子はICTの活用は難しいという事に気付き、個に応じた対応もしているのでしょうか。

(教育委員会)
一人1台端末を導入してからは、ノートよりも端末での記録の方が比較的容易であるという場合には、個に応じた対応を行っております。

(清水彩子)
対応をしているとのことでわかりました。連絡帳の記入が大変なお子さんもいまして、保護者が手作りの連絡帳を作成している事例もありますが、タブレットで撮影するのでも良いのでしょうか。また、自分だけが特別なことをしていると思われたくないということは、集団の中であるわけですが、Google classroom等で共有されることで、自分だけ撮影しなくても、家庭で確認できるようになったという話も聞きますがGoogle classroom等で、連絡帳、板書の共有はされているのでしょうか。

(教育委員会)
本市においては、Office365を導入しているため、GoogleではなくMicrosoft teamsの活用を行っており、こちらで学級内の学習や連絡の共有などが行えます。
こうした共有方法は特別な支援を要する児童・生徒向けに使っているというわけではなく、一人1台端末を用いた学習の在り方が変わってきたことによるものと捉えています。
また、保護者連絡アプリにより、個別に連絡を送ることも可能です。

(清水)
特別な支援を要する児童・生徒だけでなく、端末を用いた学習の在り方として、共有されているとのことでわかりました。教員が、ディクレクシアの児童・生徒に対し、本人の怠け、努力不足、勉強ができない子などレッテルを貼ってしまい、支援に繋がらない場合もあります。市内の事例ではありませんが、知っていればより良い対応ができると思われる5つの例を挙げますと、
1つ目。「正確性、流暢性、易疲労」の中の「易疲労」ですが、出来ると出来ないの間に「頑張るとできるけど、ものすごくエネルギーを使うし、ずっとは出来ない」ということがありますが、テストの時はものすごく頑張って丁寧に読める字を書いたら、「やればできるじゃない。いつもこの字を書いて。」と言われてしまった。
2つ目。勉強ができないのではなく、字を読んだり書いたりする学習方法では知識が身につかないわけですが、その学び方しか与えられず、結果的に中学年以降は学習の遅れにつながってしまった。
3つ目。「他にももっとできない子もいるから大丈夫ですよ。」と、そのもっとできないお子さんも含めて助けが必要であり、環境調整が必要ですが、そのことに気がついていない。
4つ目。宿題などで、完了出来る内容の宿題を出して「出来た」という自信につなげるのではなく、「出来るところまででいいよ。」と出来なかった体験を積み重ねてしまった結果、自己肯定感を下げてしまった。
5つ目。漢字の覚え方は、たくさん書いて覚えることが向いている子が多数派かもしれませんが、部品に分けて唱えて覚える、見て覚えるという学び方が合っている子もいます。漢字学習は、読めて使えるようになることが大切ですが、漢字が書けるようになることだけを目指してしまい、読めて、使えること、変換で選べることなどに重きを置いたり、語彙を増やす学習をしたりすることは考えていない。
以上5つ例を挙げましたが、何がいけないのか気づきにくいですが、理解をしていれば目の前の児童・生徒にとって、適切な声がけを選択することができ、支援につなげることができます。
それぞれの教員にとってやり方は様々、また子供による部分もあるとは思いますが、どの教員も一定の理解ができるよう、職員研修などしているのでしょうか。

(教育委員会)
ディスレクシア限定ではございませんが、特別支援教育について、主に発達障害の理解、ユニバーサルデザインを取り入れた教室環境の作り方や、授業の工夫については、若手教員研修や夏季研修を実施しております。また、各校においては、特別支援学級や特別支援教室等の教員による校内研修を実施しております。

(清水彩子)
様々な研修をされているとのことで、ありがとうございます。作文や自由研究、卒業文集について、パソコンであれば文章が書ける、手書きだと書けないという場合、パソコンを活用することは可能なのでしょうか。障がいがないお子さんについても使用は可能なのでしょうか。

(教育委員会)
自由研究については、端末で作成する子も増えている状況です。学校においては様々な学習、取組がありますので、その都度本人及び保護者と話し合い進めることが大切であると考えます。学校に御相談いただければと思います。

(清水彩子)
全体的に柔軟に対応していただけているということがわかりました。特別な支援が必要な子への支援が、他の子にとっても、よりわかりやすいにつながる教育実践「ユニバーサルデザイン」の取り組みについて、どのような事例がありますか。また、学校間で、情報共有はされているのでしょうか。

(教育委員会)
ユニバーサルデザインについては教員も研修を積んでいるところですので、対応について理解は深めておりますが、学級にどのような配慮を要する児童・生徒が在籍するかによっても対応は大きく変わるものと考えます。
そのため、画一的に、この対応が正しいと言うことは難しいと考えますが、ディスレクシアの児童・生徒がいる場合の対応として一般的に授業の中では、黒板の文字の拡大、板書量を減らし、ノートに写し取る量を減らすこと、書けなくても児童・生徒が話すことで回答できるように配慮することなどが考えられます。
学校間での情報共有という点ですが、ユニバーサルデザインそのものの共有ということはしておりませんが、各中学校区では小中一貫教育の取組の中で、小中それぞれの学校の授業の様子を参観したり、配慮を要する児童・生徒についての情報共有を行ったりしております。

(清水彩子)
わかりました。様々な業務がある中で、研修などに参加し、子供たちのためによりよい環境、指導の仕方を追求していただきありがとうございます。早期発見、早期支援により、二次的な影響が出ることを防ぐことは、子供の人生にとって重要なことです。周囲の大人・友達が「なんでできないの?」「なんでわからないの?」と、困ってる本人に疑問をぶつけるのではなく、どうしたらできるのか、どうしたらわかるのかを、寄り添い、一緒に考えて行く必要があると思います。

LDの支援者やLDの青年は「高校、大学と、進学するうちに楽になるため、小中学校でいかに傷つけられないで過ごせるかが大切である。」と伝えています。そうしたことからも心理面のサポートも不可欠だと考えられます。

どの児童生徒にとっても安心して学べる学級づくり、授業づくりを進めるには、ユニバーサルデザインを取り入れた学級づくり・授業づくりを進めることが効果的であると考えられます。引き続き特別支援教育、個に応じた指導、ユニバーサルデザインの取り組みを推進していただくよう、よろしくお願いします。以上で1項目めの質問を終わります。

#ディスレクシア #一般質問 #武蔵村山市 #武蔵村山市議会 #武蔵村山市議会議員 #清水彩子

【動画】
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/musashimurayama/WebView/rd/speaker_minutes.html?speaker_id=26&search_index=99

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