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【チーム親子】お盆だけどおうちパーティー

「かみさまがくるんだって」

4歳の娘が保育園から帰るなり言った。


(かみさま?)


(・・・。)


(あ、そろそろお盆だからその話か。)


「そうだね。
〇〇ちゃんの死んだおじいちゃんたちも
天国からおうちに帰ってくるんだって。」


「じゃあ、○○ちゃんのおやつもかみさまにあげる」


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お盆。


今年のお盆。


遠くにお墓参りに行くでもなく、
出かけるでもない。


夫にいたっては13日は仕事。


お盆なのにお盆じゃない。


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小学校の息子と保育園の娘と私。



最近は母がパソコンで仕事をしているようだ。


毎日母がパソコンに向かう姿を見て
子どもたちも気づいている。


いつもパソコンを開いている母

外に出かけられないからと
テレビと友達になりつつある兄妹。



最近何も楽しいことをしていない。
どこにもでかけていない。

そもそも最近一緒に遊んでいない。



そんな3人親子

お盆じゃないお盆に3人時間。



さすがの母も考える。


何をしたら子どもたちが喜んでくれるのか。
「家で」という条件付きで。

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その結果

『8月13日のお盆に
あえて子どもとパーティーをする会』発足。


いつもパソコンに向かってばかりの母が考える
「母なりの罪滅ぼし」の日なのだ。


朝9時30分
子ども2人と共に子ども会議。

【議題】
何を作るか
何を買うか
どこに買い物にいくか
何を持っていけばいいのか

(書記は小3息子)

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10時スーパーへ買い物

お盆真っただ中。
お店にはオードブルやお弁当。

いつもと違う雰囲気だ。




いつもは「買い物は行かない」と断る息子。

しかし今回は
文句を言いながらも一緒にお買い物。


息子自身がプリントの裏に書いたメモを見ながら
「次はこれだね!」
と先導しながらカゴに材料を入れていく。


すっかり船長きどりだ。

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いつもなら
「だっこ~」「お菓子買って~」

としつこいわがまま姫も大人しくカートに乗ったまま。



(こんなことあるんだ)


目的がはっきりしているせいか
寄り道は一切ない。


同じ目的に向かって進む3人。


そこには自然と「チーム」ができていた。

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買い物がサクサク進む。


息子に至っては、
荷物を持ってくれるなどジェントルだった。

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猛烈に違和感を感じるくらい
買い物がスムーズだった。


(こんな子どもたち初めてかもしれない・・・。)

母は驚くのだった。



家に帰り、
みんなでエプロンを付けて早速作り始める。


今日のメニューは
『どうぶつちぎりパン』と
『手作りマヨネーズのポテトサラダ』


パンといっても
ホットケーキミックスを使うお手軽メニュー。


ホットケーキミックスに豆腐を入れてこねる。
中に具を入れて焼くだけ。

今回はココアもいれて、2色のパンを作る。

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いつもケンカばかりの兄妹。

だけど、作業中は二人とも真剣。
ケンカをする暇もない。


包むところは難しかったけれど
やれるところだけでも頑張った。


サラダの野菜も一生懸命
ガタガタになりながら切ってくれた。



いつも「できない」と逃げだす息子も
彼なりに全力だった。


いつも「手伝って」と甘える娘も
彼女なりに全力だった。


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(クマさんとぴよちゃんになる予定)


マヨネーズなんてブレンダーを使ったらものの数秒。

拍子抜けするくらい簡単だった。



そして、
2時間以上かかってようやく完成。



【チーム親子】による

全力!どうぶつちぎりパンとポテトサラダができた。

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そのとき

家の空気は明らかにいつもと違った。

子どもたちの表情も明らかに違った。

そして
私の表情も明らかに違っていたことだろう。


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食べっぷりがすごい。


いつもは「やさいきらーい」という娘も
「このおかずは嫌いだから食べない」という息子も

次から次へとポテトサラダを食べている。


「おいしい」「おいしい」って言いながら。


(野菜嫌いじゃなかったっけ?)


驚く母をわき目に
何回も何回もポテトサラダをよそって食べる2人。



いつも一緒にいるはずの【家族】なのに、
知らない一面が見えたんだ。


たくさん。


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いつもパソコンに向かっている母。


なのだが、
ときには意図的に子どもとの時間を作ることで

子どもたちから学ばせてもらった。


楽しみはいつだって”ここ”にあることを。




たまにはパソコンから離れて

子どもの顔を
子どもの声を
子どものにおいを


今しかない喜びを感じてみよう。


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今帰ってきている
娘いわく「かみさま」たちに
かわいい子どもたちの笑顔がいっぱい届きますように。



その後娘は「かみさま」にお参りに行きました。

おやつはお供えしませんでした。



おしまい




サポートしてくれなんて滅相もありません。 もしそんな奇特な殿方・ご婦人がいらっしゃった場合は、感謝しすぎて鼻血が出ることでしょう。(出なかったらすみません) そして大切なお気持ちは ”恩送り” に使わせていただきます。愉しくて温かい ”和” が広がりますように。