インタビューとは違う?話し手が主役の聞き書き体験で見つけた宝物/新潟市秋葉区
インタビュー記事ってよくありますよね。
でも「聞き書き」って聞いたことありますか?
聞き書きとは
人々の経験や知識を直接聞き取り
それを文章として記録する手法です。
それってインタビュー記事と同じじゃないの?
いいえ、違うんです。
話し手のお話を聞き、文章にまとめる
これだけ聞くと単なる
インタビュー記事だと思うじゃないですか。
でも聞き書きは普通じゃないんです。
お話を聞き、文章にまとめる点では
通常のインタビュー記事も聞き書きも同じ。
ですが
聞き書きの体験を通して得られた体験は
全く異なるものでした。
ライターとして文章に関わってきた私にとって
聞き書きの体験は・・・
\\ めっちゃ面白かった~~~ //
この一言につきます。
今日は聞き書きの魅力と
についてご紹介します。
聞き書きってどんなことをやるの?
少しピンと来ていない方もいるかと思うので
もう少しだけ聞き書きについて
お話しさせてください。
聞き書きとはの補足です。
そもそもこの活動を通して
語り手の人柄、知恵、生き様を学び取ることで
今の暮らしを見つめていこうよと始まったのが聞き書き。
(私のざっくり解釈です)
これって目まぐるしい現代にこそ
必要なものだと思うんです。
で、今回、注目したのがこの手法そのものです。
一字一句全てを書き起こす
・・・ここまでは普通のインタビューでもやることはあります。
でも聞き書きは徹底的に話し手が主役。
THSなんですっ‼(一人で盛り上がってる)
聞き書きの特筆すべき特徴は
話し手の言葉しか書いてはいけないこと
なんです。
合いの手や質問はもちろんNG。
聞き手側の推測や想いなどは一切入れられないんです。
語り手の言葉だけで伝える。
だから徹底的に語り手が主役。
THSなんです。(しつこい)
こう聞くと聞き書きがどんなものなのか
少し興味が出てきませんか?
新潟市秋葉区の聞き書き講座に参加してみた
我が町では昨年に引き続き
今年も聞き書き講座が行われました。
題して「はじめての聞き書き講座」
ちなみに昨年開催時の紹介はこちらです↓
講師はやまのみのり舎 代表の榎本淳さん。
各テーマにまつわる関係者をお呼びし
話し手の方々の聞き書きを通して
この町の魅力を再発見していくこの講座。
全3回+自主学習という構成で
ちょうど先日3回目の講座を終えたところです。
記憶を記録に残す
今、記録に残さなければ
いずれ失われてしまう町や人の記憶。
それを形として残すなんて
素晴らしい取り組みだと思うんですよね。
新潟市秋葉区「はじめての聞き書き講座」
今年のテーマは・・・
花卉園芸。
※花卉とは花だけでなく観賞用の植物全般を指します。
え?新潟と花卉がピンとこないですって?
何を隠そう新潟市秋葉区の
特に小合地区は全国的にも有名な花の産地。
全国シェアトップクラスの品種を
いくつも抱えている
花卉園芸の一大産地なんですよ!
え?知らないって?
(・・・実は私もこの小合地区に嫁ぐまで知らなかったんですけどね。)
今回の語り手は昔から
花卉園芸に携わってこられた
地元の名士の方々。
地元民としては参加しないわけにはいきません!
実際に聞き書きを体験してみたら
地元の歴史的なお話や
オランダとの取引のお話
この他にも初めての話が盛り沢山。
話し手の方がとても魅力的な方で
お人柄も相まってとても楽しくて面白いお話を
お聞きすることができました。
あっという間の1時間で
もっと聞きたい!知りたいが溢れてしまいます。
この小合地区が新潟と世界を結ぶ
ユニークな存在であることを知って
ますます町に愛着がわいたのでした。
その人”らしさ”が溢れ出る聞き書き独自の楽しさ
聞き書きの面白いところは
話し手の言葉が”そのまんま”
書き起こされること。
なのでその人らしさが
文章からダイレクトに伝わってくるんです。
今までライター活動をしてきた私にとって
その部分が特に新鮮な体験でした。
今までの取材記事の場合は
お話の中から一部だけを切り取ったり
私なりに解釈したり
私の中を通して出てきた言葉で紡いでいました。
そこには”私”という第3者が介在していたんです。
でも聞き書きは違う。
聞き手の存在は0ゼロになって
話し手だけが浮かび上がります。
方言や口調もそのまんま。
文章を読み進めるたびに
その方が目の前で語っているかのような
臨場感が感じられます。
一つ一つの文章からヒト感というか
温度が感じられるんです。
お話を通して
その人ならではの物語とその人自身が
どんどん浮かび上がってくる。
今まで私が書いてきた記事とは
全く違うものでした。
地域にとって人は宝だと思うんです。
いつかはいなくなってしまう
その人の存在を後世に伝える手段として
その人らしさが文章から伝わる聞き書きは
もの凄く最適なツールなんじゃないかなと感じました。
聞き書きって聞いた後どうするの?
ちょうど今、編集作業の真っ最中なんです。
話し手の言葉そのままなら
編集作業はいらないんじゃないの?
そう思ったかもしれません。
今回の話し手のお話は1時間くらい。
その中には関係ない話だったり
同じような話があったりするので
全てそのまま使うわけにはいきません。
長すぎる文章は逆に苦痛になってしまいますし。
聞き書きでは話し手が
話していないことを足すことはできません。
でも切り貼りはOK。
話し手の魅力をできるだけ
無駄なくスッキリと読者に伝えられるかは
編集作業にかかってくるんです。
(聞く段階では質問力も必要)
どこをどう切り取って
どんな順番に組み替えるか。
今、頭を悩ませているところです。
地域の魅力に目が開かれる聞き書きの旅
来月には原稿が完成し
来年には冊子として形になる予定です。
素敵なエピソードたちが一冊にまとまり
多くの方々に届く日が待ち遠しくて仕方ありません。
今回の聞き書きを通して
日頃は気づかない地域の奥深い魅力に
たくさん出会いました。
小合地区にこんなにも
豊かな文化や歴史があるなんて
実際に聞いてみるまでは分からなかったことばかり。
そして人としての魅力を伝えられる
聞き書きを実際に体験できたことも
私にとっては財産です。
地域の宝である記憶を残し
未来に伝えるこのプロジェクトは
私自身にとっても大きな発見の連続でした。
ぜひ冊子が完成したら
一人でも多くの方に読んでいただきたいな
と思っています。
今回は新潟市秋葉区で行われた
はじめての聞き書き講座と聞き書きの魅力のお話でした。
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