【季節の便り】スイカの季節がやってくると必ず思い出す○○
【スイカ○○】
それはある夜のこと。
ひとりのスイカ好きの男がいた。
それはとにかく暑い夏の日だった。
男は
大好きなスイカに
まるで断食明けなのかと思わせるほどの
すごい勢いでかぶりつく。
まさに「貪る」を体現していた。
食べても食べても飽くことはなく
ひたすらにスイカ。
テーブルの上に所狭しと並んだスイカが
みるみるうちに彼のお腹の中に消えていく。
その姿はまるで何かにとりつかれているように見えた。
その夜異変が起きた。
お腹の中からスイカの種が発芽。
そしてみるみる男の姿が変わっていく。
ついにはこんな姿に。
そう、これが「スイカ人間」である。
口から種を吐き、
その種で他の人や動物までも
スイカ人間に変えてしまう。
瞬く間にスイカ人間は増え、
全世界がスイカ人間に埋め尽くされるのではないか
そう思った。
*
その夜は眠れなかった。
結果、当時小学生だった私は
「スイカの種は食べない」と固く誓ったのだった。
この一連の話。
覚えている人もいるかもしれない。
1980年代~90年代に大人気だったテレビ番組
『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』
の中の【スイカマン】という話だ。
毎年スイカを見ると思い出す。
衝撃的な話だった。
【西瓜】
中国ではスイカは生薬として用いられている。
体にこもった熱を鎮めてくれる作用をもつ。
イライラやのぼせなど、
熱が起こすような症状を緩和してくれるという。
大半が水分であるスイカは
同時に喉の渇きも癒してくれる存在。
白い皮の部分にも利尿作用があるので、
緑の部分をむいてきゅうりのように漬物として
食べても良い。
とはいえ、我が家では毎年ばあちゃんのスイカが
激しく登場するので
皮まで食べようという気にはなかなかならないんだけど。
【スイカの性質】
五味:甘 五性:寒
帰経:心・胃・膀胱・腎
「寒」という身体をとにかく冷やす性質がある。
だから食べ過ぎるとお腹が冷えてしまう。
スイカを食べるときは冷やし過ぎに注意。
できれば冷蔵庫から出してすぐ食べないほうがいい。
常温に戻すくらいがおすすめ。
内臓を冷やすことで消化に負担がかかるから。
スイカの種は
中国では塩で煎って食べる文化があるのだとか。
外側の硬い種皮をむいて中身だけを食べるらしい。
「種は食べられる」
もちろんお腹の中で発芽するなんてことはなくて
種の皮は硬いから消化できずに出てくるだけ。
それがわかったら過去に背負った
スイカへの恐怖もちょっとは和らいだ気がする。
そして今年もスイカの季節がやってきた。
ばあちゃんから届く季節の便り。
スイカは夏の訪れを感じさせる。
夏さんいらっしゃい。
ようこそいらっしゃいました。
1年ぶりですね。
この間に色々なことがありましたよ。
同じようでいていつもと違う夏がやってくる。
綺麗道(きれいどう)
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