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前世を見てもらった話(統合失調症と診断された私が、結婚・出産し、公務員になった話その39)

突然だが、あなたはスピリチュアル的なことを信じる人だろうか。突然だが、私はスピリチュアル的なことにかぶれにかぶれている女である。小学生の頃の愛読書は月刊誌「マイバースディ」、現在の愛読書はスピリチュアル業界の各著名人が出している本の数々だ。あまりにも高額なものは買わないが、スピリチュアル業界の各著名人の出しているオリジナルグッズも購入したことがある。数珠やお香や石鹸など…現在は波動が上がり、浄化を促進する全身石鹸で顔と身体を洗っている。その石鹸のおかげか、いつも顔はつやつやぴかぴかである。しかし、前の記事でも書いたように、私は「波動が上がる!」というYouTube動画を見て、高熱を上げ、コロナ陽性の診断を受けた。スピを追い求め、日々様々な刺激的なことがある生活である。

↑前回の記事はこちら❗️

そんなスピリチュアルかぶれの私は、ごくたまーに、平日が休みで、家族が不在の時に、オンラインで占い師さんに占ってもらうことがある。価格は一時間でも一万円前後、人気の占い師さんだと15,000円くらいはするので、一年に二、三回見てもらえば上等、くらいの頻度だ。最近、平日に振替休日があり、思い立ってzoomでたまきさん(仮)という占い師さんに占ってもらうことにした。

たまきさんは、六十代くらいの女性だ。占い師らしく、口を布マスクで覆い、サテンのような光沢のあるピンク色のローブをまとっている。目は優しげで、はきはきとした声は聞き取りやすい。

「今日は何を見ますか?」
「えーと、、仕事のことを見ていただけますか?」

私は、今の仕事を長いスパンで続けるべきなのか、ということと、執筆の仕事は生業にできるのか、ということを聞いてみた。

「それではまず、前世を見てみましょうか?」
「えっ、前世ですか?」

どうやらたまきさんは、前世も見れる人らしいのだ。スピリチュアルかぶれの私は、当然、自分の前世にもすごく興味がある。以前、他の占い師さんに見てもらったときは、ヨーロッパの、石畳みの街並みの時代に生まれたことがあるような話を、ちらっとされたことがある。しかし、そのときは前世を見てもらうのがメインではなかったので、本当に何かの話のついでにちらっと聞いたに過ぎず、私は自分の前世を改まって聞いたことがなかった。

「前世もわかるのでしたら、是非見ていただきたいです。お願いします。」
「いいですよ。では、目をつぶってください…」

あ、あやし〜と、若干疑ったが、スピかぶれのモラルとしては、せっかく見てもらってるときに、疑って抵抗するのはいかがなものか、と思ったので、私は大人しく目をつぶった。若干薄目を開けていたら、たまきさんは、合掌をしながら、何やらブツブツと唱えている。

「前世を見るには天照の大御神様と、何たらの神様(聞きそびれた)に来てもらわないと見てもらえないのですよ。今、許可をいただきました。二人の神様に感謝しましょうね。ありがとうございます。」
「あ、ありがとうございます…」

神様の力を借りてまで、前世を見てもらわなくてはならない、自分の強欲さに恥ずかしさを感じ、私は感謝の言葉がしどろもどろになった。まだ少しあやし〜😅とも思っている。本当に前世が見れるのなら、聞いてやろうじゃないか、その神様の力を借りてまで見た、私の前世とやらを‼️

以下、たまきさんから聞いた、私の前世を箇条書きにまとめた。

○3つの玉が見えるので、前世は3つある。つまり、今の私である今世は、4回目の人生である。

◯一番目の人生は、400年前で、男性。武士の家臣。幕府の書物の編纂をし、文を書き足したり修正したりする人であった。家族あり。30代後半で死去。

◯二番目の人生は、320年前で、女性。越後の大きな神社の娘。巫女さん。巫女さんの衣装であるキラキラしたものを頭につけて舞を踊る姿が見える。回覧板の便りなども書いていた。兄あり。子ども3、4人いる。40歳くらいで死去。

◯三番目の人生は、190年前で、男性。商屋の息子。18歳くらいで事故で怪我をして死去。早くに亡くなったので、それ以上のビジョンは見えない。

以上のことを言われたが、私はすぐさま真に受けることは不可能であった。えっ?ヨーロッパ時代は?全部日本人⁉️以前言われたことがある、石畳み時代のことは全然出てこないのが、信じられない。それに、私はパスタのジェノベーゼを食べると、なんだか懐かしい感じがするときがある。バジル味にすごく馴染んでいる気がする。だからイタリアとかに前世いた可能性を自分では感じる。だから、前世にイタリアとか、ヨーロッパが出てこなきゃおかしいような気がする‼️

しかし、私の前世らしきストーリーをはっきりきっぱりと話し出すたまきさんに圧倒され、私はなぜ、前世にヨーロッパ人の時代がないのかなどと反論することはできなかった。

「前世に書物の編纂をしているくらいですから、あなたは文章関係の才覚もあると思いますよ。ただ、生業にできるまではまだ時間がかかりそうです。そうですね…8月頃チャンスがあるようですよ。現在の仕事も続けた方が良さそうですね、執筆が生業になるまでは。」

たまきさんから言われた前世は、果たして本当なのだろうか。都合の良いこじつけではないのだろうか。前世の3つの玉を確認する術もない私には、本当かどうか確認する余地もない。本当のことなら、三番目の人生はあまりにも悲しすぎる。18歳で若くして亡くなった前の人生の私は、何とも無念だったろう。

もし本当のことなら、どの人生も、私のようでいて、私ではないみたいだ。全く別人の人生のようだ。以前に3つの人生を歩んだ記憶は、当然ながら全くない。子育ても2回していたというが、今の私はまるで初めての子育てのようにてんやわんやしている。赤ん坊だった娘がみるみる大きくなっていく様を、初めてのことのようにおったまげて見ている。それに、まだ4回目の人生だとしたら、私の輪廻転生はそんなに回数が多いわけではないだろう。子育てのみならず、いつもてんやわんやしている私には、納得の回数である。

この後、たまきさんには、波動調整and浄化なるものもしてもらうことになった。その時はまた目をつぶり、手を合わせるよう指示された。薄目を開けていたら、またたまきさんは目をつぶりながら手を合わせ、何やらブツブツ呪文を唱えていた。

「あなた、職場に嫌いな人10人くらいいるわね?その人たちはどうせ変わらないので、新しくあなたに声をかけてくれる人が増えるように波動調整をしておきました。二週間後、あなた、明るくなったね、と言われますよ。女性4人、男性2、3人があなたに話しかけてきます。仲間になってくれますよ。」

波動調整することにより、職場に仲間が増えて、以前より職場が楽しくなるのだとか。これも、すぐさまは信じられないが、二週間後に結果が出れば、たまきさんすごい‼️ということになる。

…しかし、ちょうど二週間後、私はコロナになり、一週間職場を休んだ。当然、私に話しかけてくれる人が現れる余地はない。コロナが明けてからも、全く普段どおりの生活が続き、全く普段どおりのメンツとしか会話はしていない。新たに女性4人、男性2、3人が話しかけてくる気配のカケラは一向にない。

ちーん…🥲どうやら私にとって、スピリチュアルや占いは、エンタメのように嗜むものとして、面白おかしく楽しめば良い程度のものなのかもしれない。波動石鹸でつやつやぴかぴか✨程度の軽いことを、これからも楽しんでいけたらいい。月の満ち欠けによって願い事をする、ゾロ目を見て喜ぶ、くらいのことを。見てもらった前世も、波動調整も、話半分に信じ、面白がって密かにほくそ笑んでいる私である。それと、スピリチュアルグッズや占いに係る家計の使い過ぎには、重々注意しようと思う。


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