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まおとりどり。宇宙になって、まおになる。

わからないものです。
人と人の「縁」がどこでどう繋がるかは本当にわからない。
ましてやそこで繋がった人と一緒にチャレンジを重ねられるなんて思いもしていなかった。

ーー来たる2023年1月13日(金)@吉祥寺STAR PINE’S CAFE。
シンガーソングライター「宇宙まお(以下まおぴ)」の10周年記念ライブにて文筆調香コラボレーションをすることになりました。

まおぴは高校の同級生ではありますが、当時ほとんど接点はなし。けれど去年の夏、15年ぶりに再会していろいろと意気投合した結果、現在Makuakeにて10周年記念アルバム制作プロジェクトをサポートしております。
(そのことは以前noteに書いたのでご笑覧いただけると泣いて喜びます)

それだけでも「ご縁やなあ…」という感じですが、今回はそこからさらに発展して10周年という記念すべきライブで文筆調香コラボレーションをする運びとなりました。
…と書きながら、読んでいる方々にとってはなんのこっちゃだと思うので文筆調香について、そして今回の企画の裏側についてご紹介していきたいと思います。

ちょっとだけ僕の話を…

早速、今回作ったまおぴの香りについてご紹介します!と言いたいところですが、今回の取り組みを紹介していく上で、ちょっとだけ僕のことについて話させてください。

文香ヒロ。

「文筆調香家」と名乗って言葉と香りを提供している者です。メーカーの宣伝部時代にno problem LLC.のコピーライターである故・小霜和也氏と博報堂アートディレクターの米村浩氏に師事。その後、ITスタートアップでプランナー・コピーライターとしてクライアントの新商品企画や体験価値設計、クリエイティブディレクションをしていました。現在はそこで培った知見やノウハウに「香り」を掛け合わせて新たな表現(アートワーク)や課題解決(クライアントワーク)に取り組んでいます。

これまで最終的なアウトプットが動画やビジュアル、商品名やキャッチコピーなどでした。それを生み出す工程が途中で分岐してアウトプットが「香り」に変わっていったのが現在、と言うとなんとなくわかりやすいかもしれないですね。

ルーツが広告クリエイティブ領域なので、目の前の人や商品、事業を紐といて言語化(=文筆)する点が本流の調香師さんやアロマセラピストさんとは違うところかもしれないです。そのバックグラウンドを活かした精油のブレンド(=調香)ということで僕が創るアウトプットは「文筆調香」と銘打っています。

…前置きが長くなってしまいました。そんな輩が今回まおぴを体現した香りを作ったわけです。その香りはライブ会場の入り口で香らせたり、グッズとして販売を予定しています。

では、どんな香りなのか?どう設計しているのか?
我々クリエイターとしては秘伝のタレ的な企画書も一部抜粋しながらご紹介したいと思います。(一部どころかほとんどダダ漏らしてしまっていますが)

「宇宙まお」の香りとは?

まず、香りを設計していく上でいきなり香りに落とし込むことはできません。正しくまおぴを理解すること、まおぴの中に眠っている言葉を紡ぐことが重要です。言い換えるとまおぴ「らしさ」を言語化するということですね。

そのため、今回はまおぴの生い立ちから今に至るまでを様々な角度からインタビューをさせていただき、まおぴを形成する要素を探していきました。(飲み屋での時間も含めると軽く6時間以上はいくのでは…笑)

当たり前ですが色々な要素が混ざり合って今のまおぴらしさは成り立っています。けれどその色々って何?具体的には?というところをたくさんの時間をかけて紐解いていきます。

そうするとおぼろげながらまおぴらしさの構成要素が見えてきました。

まおぴを構成する要素は大きく3つ。
①他者から見た宇宙まお
②自分から見た宇宙まお
③クリエイションの方向性

それぞれ見ていきましょう。
①他者から見た宇宙まお
に関しては主にファンの方々や身近な方々から見える宇宙まおの第一印象のようなもの。これに関してはまおぴ自身からのインタビューはもちろん、過去のYoutube全コメントや僕自身が抱いていた印象なども照らし合わせていきます。

「いい!」とか「好き!」という表面的な言葉以外でまおぴの楽曲を形容しているコメント。
また、楽曲を聴いたことでの自身の気持ちの変化を書いているコメントを抜粋。

これはファンの皆さんであれば既に感じていることで、僕が何かを余計に語る必要はない気がしています。彼女の存在はあたたかく、元気で、明るい。色で例えるならばイエローやオレンジといった暖色という感じでしょうか。(水戸ホーリーホックの”ブルー”というイメージももちろんあるのですが、今回は所属を取っ払ったまおぴそのもののイメージにフォーカスしました)

一方で、②自分から見た宇宙まおは他者から見たイメージとはまた違ったものが見えてきました。彼女自身が語る宇宙まおとは?10周年を迎えて移ろう心境の変化は?自分が思う自分の色は?…など多面的かつ客観的に宇宙まおを見ていきます。

▲新井恵理那ちゃんとのラジオにて▼
ほんと共感しかないですわ
ここには書き切れない様々なエピソードを踏まえての「緑」

またここでは官能評価としてまおぴ自身が好む香りもテイスティングしてもらい、自身でも気づかない宇宙まおを探していきます。香りの名前は隠した状態で直感的に好きな香りを選んでもらうとどのような傾向があるのでしょうか。他者から見た宇宙まおのような「元気」とか「あたたかい」といった印象の香りを選ぶのでしょうか。

そうです、選びません(笑)

まおぴが直感的に選ぶ香りは花の香りが多くて、甘く、艶やかな印象でした。宇宙まおの違った側面を教えてくれます。

以上のことを踏まえ、②自分から見た宇宙まおのキーワードは「落ち着き」と「艶やかさ」と置きました。

いつもとはまた違った印象の宇宙まおが実はいます

最後に。まおぴを形作るのはやはり彼女自身がクリエイションするもの。楽曲はもちろんですが、それ以外の取り組みで生まれるものも含めるという意味で③クリエイションの方向性という言い方で整理します。

まず、楽曲作りで大事にしていることは何か。それは一言で言うと「懐かしさ・ノスタルジー」というもの。実際に自身初のベストアルバムは『Best Moment』で過去の一瞬を切り取っています。また、前回のワンマンツアーは5thアルバムのタイトルを冠した「永遠のロストモーメントリリースツアー」。そして今回のワンマンライブは「Retrospective(回顧)」というコンセプトです。どこか懐かしさを感じさせる彼女の楽曲は、一貫して過去にフォーカスした楽曲作りがあると言われると納得するところがありますね。

アウトプットは違いますが、僕もこれをすごく意識しているのでシンパシー感じます

また、最近のまおぴを知っている方はご存知かと思いますが、楽曲以外にもクリエイションをしています。「女二人映画のばなし」という映画系podcastや、まおぴが料理をする一部始終を生配信する「雑キッチン」というエキセントリックなコンテンツ配信がそれにあたります。独立以降、多方面に彼女の才能が発揮されている様をまざまざと感じるのですが、僕はそんな彼女を見て等身大でしなやかな強さを感じるのです。

以上、①他者から見た宇宙まお ②自分から見た宇宙まお ③クリエイションの方向性という3つの要素を踏まえそれぞれをまとめるとこんな感じです。

そして、これらの要素を体現する香りへと紐づけて、ブレンドを検討していきます。これらが整理できていると、ここがある種の立ち返る場所になるので、実際に試作品の香りを嗅いでいく際に「この香りはどちらかというと他者から見た宇宙まおが強めだね」「もう少しクリエイションの方向性を香りに反映したいね」といった地に足ついた議論がしやすくなります。

ブレンドコンセプトを定義する

ここまではどちらかというと左脳的に整理をしてきましたが、ここからは右脳的にクリエイティブジャンプをしてブレンドコンセプトを作っていきます。文筆調香の「文筆」部分ですね。ここで旗印となる言葉を紡ぐことが腕の見せ所です。思考の変遷は色々とありましたが、結論から言うと今回のコンセプトはこの言葉に集約していきました。

まおとりどり。

造語です。色々な話を聞いていく中でどうやって彼女を一言で体現していこうかと悩むわけですが、適切な言葉が日本語にはありませんでした。であれば作ろうじゃないかと。まおとりどりです。色とりどりがcolorfulならば、まおとりどりはmaofulです。ファンの皆さんは今度から宇宙まおの楽曲やコンテンツを受け取ったときはぜひ用例を活用してみてくださいね!

そして、最後に文筆調香の「文筆」部分へ昇華させていきます。

旗印となるコンセプトワードに肉付けをしていったいわゆるボディコピーですね。仮に表向きに使われないとしても僕はこれを必ずしたためていきます。

produced by ayaka hiro

以上のコンセプトメイキングをやり切った上でオリジナルの香りは生まれていきます。コンセプトを起点に香りを数十種類選定し、ブレンドを何パターンか作っては絞り込み、さらに作っては絞り込んでいくのです。

「宇宙まおの香り」をぜひライブ会場で

最終的に12種類の天然精油をブレンドして「宇宙まおの香り」が完成しました。元気をくれる爽やかな香りのあとに、甘くあでやかな花の香りやどこか懐かしさを感じる木の香りが訪れます。ぜひ1月13日(金)のワンマンライブにお越しいただき、嗅覚からも宇宙まおを感じていただけると大変嬉しいです。ライブ会場ではこの香りをルームスプレーとして物販もします。商品名は「maoful(マオフル)」です。
ライブの興奮と感動を香りという形でご自宅にお持ち帰りください!

▼10周年記念バンドワンマン『Retrospective』詳細▼

それでは、1/13(金)は吉祥寺でお会いしましょう〜!

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