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私の中の10代が喜んでる

FM802タイムテーブルのカバーアートを描かせていただきました。
この喜びは絶対noteに記さないと!…あと、流行りに乗って制作過程とか、解説なんかも書いてみようかな、と思ったのですが、結構アレですね…その…

恥ずい!

そんな大それたものではありませんが、絵に乗っけた重たすぎるエモい想いをメインに、ちょびっとだけ制作途中の写真や画材などにも触れて書きます!

制作フロー

ほんと、別に至って変わったことも無いのですが、制作フローを順追って書きます。どのイラストレーターさんも同じだと思いますが、
企画出し→ラフ→確認→本制作→修正→納品
といった流れです。

企画出しの部分は後回しして、(たぎった想いがありますので)ラフから行きます!

【ラフ】
最近はもっぱらデジタルで制作します。最終納品が手描きでも。
時短ですね〜。修正がほんと楽!
アナログ描きもコマンド+Z出来たらいいのに〜

【下絵】
鉛筆で下絵を薄く付けておく。
特にこだわりは無いけどハイユニの鉛筆とステッドラーのシャーペン。
学生時代のデッサン道具をそのまま使ってます。笑

【下塗り】
色鉛筆で下地を作っておきます。
カリスマカラー(旧プリズムカラー)が発色が美しくてお気に入りです。
ただ、値段が高い…涙

【着彩】
よく、アクリル画だと思われる事多いのですが、背景のベタ塗りくらいにしかアクリルは使っていません。透明水彩で描いています。
必要に応じてパステルも加えます。パウダー状になったパンパステル愛用です。

じゃない方に感情移入

さあ、絵に込めた想いのお話!
ここからが本番です!

そもそも、今回のお仕事のきっかけは昨年のUNKNOWN ASIAで頂いた賞でした。FM802のアートディレクターの今井さんにレビュワー賞をいただき、digmeoutのボスこと谷口さんにお声がけ頂いて、このタイムテーブルの表紙を描かせて頂く運びとなりました。

まさに、UNKNOWNなわたしをdigしてもらって始まった事です。

今回、ちょっとだけわがままを聞いて貰いました。

「8月号がいいです!」

なんでかって言うと誕生月が8月なんです。笑
それだけじゃなくて、自分自身ロックキッズで、この時期はサマソニやフジロックとか在って、それはも〜そわそわしたもんだ。
大好きな音楽にまつわる絵を描けるお仕事で、一番エキサイティングな月を描きたかった。
大分と落ち着いたのですが、それはそれは、10代20代の頃はアホみたいにフェスやライブハウスに入り浸ってました。

ステージに立つバンドマンに羨望の眼差しを向けながら、心のどっかで少なからず嫉妬のような想いというか、想ってることを代弁してくれるバンドマンに寄生して自分は何か表現しなくていいのか?というふっと我に帰る瞬間とか、いいな〜でもな〜…みたいな。笑 
うまく言えないんですけど、プスプスと燃え切らない鬱屈した気持ち。
そういうものが常に傍にくっ付いていました。

絵描きとしてもそう。
FM802のタイムテーブルなんて完全にみる側だった。フェスでもらうとか、タワレコでもらって帰ったりするものだった。
うっすら「いいな〜。これに自分の絵が採用されたら…」なんて想いながら。

余談だけど、昔digmeoutの画集とか出てて、それはそれは憧れたんですよ。若いこ知らんだろ?笑
当時、高校生だった私は、ヴィレバンとかで買って「いいな〜いいな〜」ってそれまたうっすら羨みを持ってみていたんです。笑

若かりし頃の中村佑介さんらが載ってる刊
レアです笑

だからこそ、「いいな〜いいな〜」ってくすぶってる人、演者じゃなくて観る側の人、演者になれなかった人…
つまり“じゃない方”に感情移入してしまう。

演者じゃなくてオーディエンス側が描きたかった。
くすぶっている自分自身も踏まえて。

だから“じゃない方”のオーディエンス、ロックキッズを描きました。

いいないいな、ってくすぶってた“じゃない方”の自分が今やっと喜んでいる。
私の中で、10代の私が、絵みたいにメロイックサインかましてるよ、今。

ところでタイムテーブルってサマソニのフライヤーにも配られてたっけ?

あ〜、BECKちゃん辺りが「お!この絵良いじゃーん?」とかなんとか言って、御目に留めてくれないかな?
そんなシンデレラストーリーをうっすら想ってみたり。笑

ど根性ガアル

最後に…
ラフと最終の絵ちょっとちがくね?

そう思いましたよね。

実は、一度出来たものを一から描き直しました!爆

というのも、笑顔というか楽しそうな表情を最初は描いていたのですが、どうもらしくないというか…
私の絵に登場する人たちは顔ヤバめなので。笑

そういったクセの強さから、商業的なお仕事に結びつきづらく、もうちょっと柔らかく描いてと注文が入ることが多くって、どうも遠慮グセが知らず知らず付いていた様です。

しかし今回は、普段通りの私の画風を気に入ってくださって頂いたお仕事。
やはり、目利きの方々は騙せません。

「遠慮しなくていいよ」

その時、すでに締め切りはオーバーしていました。
でも、土日にぶっ続けで描いたらいけるな…うん。描き直そう!

嬉しかったんですよ。そのままでいい、と言われたことが。

とある知人には「もう、それ赤字じゃん!笑」って言われたけど…

「うるせえ!黙れ!このジ…」とは言わず、(心の中で唱え)
必死こきました!笑
なんとからしく収まって、OKも出て一安心。

昭和生まれらしく、最後の旧型人間らしく、私の誇れるものはど根性。
ということにしておきます!

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