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現場の声から始まった「いっぽ」

「育児に正解はない」

育児で悩まなかった時期なんてないという程に、息子が生まれて悩み続ける日々が続いています。
そんな中でよく聞く「育児に正解はない」
この言葉で救われることもありますが、時に追い詰められる言葉でもある、そんな風に思うときもあります。

それは、どうしたらいいのかすら分からなくなったとき

そんなとき、糸満市には心強いサポーターがいるのです。


2020年1月の情報で、沖縄県は合計特殊出生率が34年連続で全国1位を記録しているほど、お子さんを抱えた人が多い地域です。
とても良いことではありますが、それだけ悩みを抱えた人も多いのが現状。
理由があり離婚され、片親だけになった人もいれば
若年での妊娠出産をされた人
多くのお子さんを抱え、経済面で悩みを抱える方など
様々な育児状況に立たされている人がいます。

これは5年前、2016年5月8日(日)琉球新報に掲載されていた記事に書かれた、ある女性のお話を一部抜粋したものです

15歳で子供を産んだ女性(24)=糸満市=…――…
 子の父親だった彼氏は、生活費など一切出さず、出産から半年ほどで別れた。母と協力して子どもを育て、その後、結婚して第2子を産んだ。母から離れ、2人の子の親になった時に初めて育児の大変さを自覚した。…――…
 上の子を産んだ当時、女性はまだ遊びたい盛りだった。幼い子を母親に預け、夜も友人と出歩いた。「友達が集まっているのに、自分だけ行けないのが嫌だった。育児放棄の状態だった」と振り返る。…――…
 結婚し、2人目を産んだ3年前、女性は助けが必要になった。…――…上の子の遊び相手、下の子の夜泣きの対応にうろたえた。以前と異なり離れて暮らし、仕事も始めた母には頼れなかった。

このような状況は特例ではなく、表になりずらいだけで実際にはいくつも事例はあるかと思います。

そんな状況下で、彼女が助けを求めたのが「NPO法人子育て応援隊いっぽ(記事当時:子育て応援隊NPOいっぽ)」さんでした。
※ 下記事内の玉城さんは、子育て応援隊NPOいっぽの当時副会長をされていた玉城米子さんです。

…――…子どもの保育園を訪ねてきた玉城さんに「困っていることはないか」と声を掛けられ、連絡先を渡された。玉城さんは会う度に声を掛けてきた。女性は「お迎えの時に見掛けると、またあの人がいるって思った」と苦笑いする。当時は声を掛けられる理由が理解できなかった。
 …――…女性は助けが必要になった。…――…頭に浮かんだのが玉城さんだった。

「NPO法人子育て応援隊いっぽ」は、
2010年12月に子育て応援隊NPOいっぽとして発足、
2017年2月にNPO法人子育て応援隊いっぽとして法人化された団体です。

主に(ここでは簡単に書きますと)
① 子育て交流や相談などを行う拠点となる「すこやか館」の管理
② 子どもだけでなく親御さんの「居場所作り」
③ 「糸満市ファミリーサポートセンター」の運営
④ 「小規模保育所」「緊急一時預かり」の運営
など、子育てに関わる活動をされております。

これだけ見ると結構ガッツリ活動されていて、なんだかすごいな…と圧巻されるかと思いますが

いっぽさんのそもそもの始まりは、現場を見てきた保育士さんと、問題を事業化し後押しした行政マンの存在にありました。

2009年、糸満市で子育てに関する専門家会議に、現場の人として保育士の方々が呼ばれました。その際、現場で目にした実例などを含め、子育てに関して多岐に渡り多くの支援が必要だと、熱く話す現場の声に触れ、行政職員の方が子育て支援の在り方を考えました。そして子育て支援に関するモデル事業案を考え、実際にお話いただいた保育士さん方が行っていくことになったのが、いっぽさんの始まりでした。

始まりは現場で思いを持った保育士さんの声だったのです。


先程書いた記事の女性は、その後いっぽさんから、子どもとの接し方や遊び方を学び、職業訓練を受け、就労に繋がっていったそうです。あくまで自立へと促す、それがいっぽさんの支援の方法でした。

この事例のみならず、行政との連携を図りながら、「必要な人に必要なサービスを届けたい」を胸に、この10年様々な事業を通して多くの親子のサポートを行ってきました。緊急一時預かりを利用している私も、まさにその一人ですね。


この頃よく思うのは「困ったときはいろんなところに頼る」ということ
はじめにも話した「育児には正解がない、からこそどうすればいいかわからない」とき、頼れる場所を自分の中でいっぱい、いっぱい持っておくことが、何よりも大切だと思います。

専門的なことなら、子育てのプロがいる保育園、幼稚園、こども園の先生方に
様々な支援が必要なら行政機関に
ちょっと困ったとき、疲れたとき、愚痴を聞いて欲しいときなら親や友人、今ならSNSもいいですね
専門性も持って、でもゆっくり話を聞いて欲しいということであれば、いっぽさんのような、子育てに悩むパパママを応援するNPO団体さん等

一か所で嫌なことを言われたり、嫌な対応をされたら、また他で相談したらいいんです。
「子育てに正解はない」から
一箇所で否定されたことが、他では正解なんだよ、なんてことは育児ではザラにあること。
子育てに悩んで、苦しむパパさんママさんは、自分が落ち着く子育て環境を一緒に寄り添い、話を聞いてくれる場所をたくさん増やしてください(そっと自分にも言い聞かせる…笑)

そんな考えに至ったのも
「必要な人に必要なサービスを届けたい」
と、想いを持ち活動を続けるいっぽさんのお話を聞いてからでした。


声を上げる始めのいっぽが、その後多くの市民、行政、大学教授にまで繋がり、今では10年を超え、糸満にはなくてはならない「いっぽ」さん
今後も親子に寄り添う優しい支援が繋がり続いていきますように

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