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美容師というブランド

先日あるお店の人にこう言われた。
「ご職業は美容師ですか?」
人生で美容師だと言われたのは初めてだった。

ちなみにそのお店はあっち系のお店だったらいいが
そっち系の店である。
理想は美女に言われたかったが
実際はおじさんにそう言われた。

それにしても男によくモテる。
前から公言しているが
最近はより顕著で
特におじさんからの人気はすさまじく
全く知らないおじさんが
バンバン気軽に話しかけてくる。

美容師ですかと言われて
当然の如く否定した。
私は何者でもない。
ミスターセンクスであると言い放った。
その時のポカンとした顔と言ったら
マスクで隠れてぽかんとしていたかどうかも
わからないこんな世の中じゃポイズンである。

否定はしたものの
美容師と思われたいと願ってはいないが
美容師と言われてしまったことに対して
これはセンクスブランドの危機だ
そう感じたのである。

ブランドというものは
伝えたい人のイメージと
伝わる人のイメージが
大体一致することで完成する。

そう言った意味でいえば
センクスセルフブランドは
この時点で崩壊したのである。

そもそも私はどう思われたいのか。
それを考えていなかったことに気づくが
すぐさま自分自身を否定したのである。

どう思われたいか。
そんな発想が出てきた時点でダメである。
どう思われたいかを想像することは
その対象は既成のものである。

創造主であるミスターセンクス
あの人のようにみられたいとか
お医者さんみたいにみられたいとか
そんなノーマルなことを言ってはいけない。

ミスターセンクスのブランドは1つ
ミスターセンクスである。

つまりそれは唯一無二の存在であり
世の中の何者にも喩えがたいものである。

そんなことを脳内でずっと考えているのに
それなのにおじさんは私に話しかけてくる。
世の中のおじさんは狂気を求めているのか。
私に狂気という教えを乞いたいのだろうか。

美容師と言われて思うのは
美容師になれば美女の髪の毛触り放題
なんなら何時間もその美女とセッションできる。
これってミスターセンクスの転職じゃないか。

そうだ、美容師になろう。

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