【書評】アルフレッド・エドガー・コッパード「郵便局と蛇」
悲しみを寄せ付けない孤高の絶望 アルフレッド・エドガー・コッパード「郵便局と蛇」を読んだ。短編集だが、ほとんどの話がバッドエンドだった。
バッドエンドばかり選んで編まれた短編集なのかと思い、解説を読んでみても特別そんなことは書いていない。以前「天来の美酒/消えちゃった」を読んだときはあまり意識しなかったのだが、思い返せば確かにそれらにも悲劇的な結末のものが多かったような気がする。愛する人を失って悲嘆にくれる姫とか、忽然と姿を消してしまう人々とか。喪失や悲哀は、コッパード