82 とある殺人者の理知的な供述
私、つまりこの人間は喜んでいるようだった。その証拠に、心拍数が増加し、血流が促進されている感があった。加えて言うと、一般的に楽しいと言われるべきことを行なっている状況において感覚の通奏低音を成す、あの、ありていに言うと「わくわくする」というような感覚が看取されるところがあった。
それとは別のところで、「罪の意識」あるいは「良心の呵責」とでも呼ぶべき、忌避感を伴う感覚も当然のことながら生じていた。
しかしそうした、一般的には「負の感覚」として腑分けされるべき感覚は、む