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人からどう思われるかより、どう向き合いたいのか(連載 vol.81)
▼前回のnote記事
「毎度おおきに!いつもすんまへん!」
石原軍団でおなじみの渡哲也のような顔立ちの父は、仕事の取引先の人にそう電話でハキハキと明るく話していました。
サンダルやミュールの靴底を作る職人仕事と、土木の仕事で毎月収入は50万円ほどあったと母から聞いたことがあります。
なので、ぼくが小学校高学年の頃までは毎週末に焼肉を食べに行ったりもしていました。
しかし、
ある時期から
一切行かなくなりました。
中学生になると「バブルが弾けた」というテレビのニュースをみて、
「家がこれまでとは違う大変な時期に入ったんだな」
と実感していました。
焼肉を食べに行っていた時期は、家族はみんな笑顔でしたが行かなくなってからは父と母の喧嘩が増えたり、暗い顔をしていることが増えました。
高校受験を控えたある雨の日のことです。
父は窓の外を見ながらぼくに話しかけてきました。
「毎日仕事があるのは1番ありがたいことや。雨風で仕事がなくならない堅い仕事についてもらえたらお父さんは何も言うことない。仕事は我慢が大事や」
土木の仕事は雨だとなくなってしまう。
父は切なそうに外を見てそう言っていました。
生活が豊かになることに慣れていくのではなく、生活水準が下がっていくのは、仕事人間の父にとってはプライドが傷ついたでしょうし、かなり辛かったのだと思います。
普段は厳しい父でしたが、
ぼくの高校受験の当日、
大学受験の当日、
公務員試験の当日は、
近所の小さな神社に朝早く行き、
「どうか合格させてやってください」
と手を合わせていたと母からこそっと教えてもらったことがあります。不器用な父ですが、心から心配してくれていたんだと思います。
公務員になれた時は
「お前はお父さんの誇りや」
と言っていましたし、
奈良の田舎なので
「お前のとこの息子はええなぁ」
と言われては鼻が高かったようです。
でも、そんなぼくが公務員14年目の時に実家に帰って、
「仕事をやめようと思う」
と伝えた時は父はこちらを見ずに無言で窓の外を見ていました。
公務員生活14年間の中でようやく自分のやりたいことがわかり、それを仕事にしていきたいと伝えましたがそんな父の姿や表情を見ると、
「自分の我慢が足りないのかな?」
「やりたいことを選んではいけないのかな?」
「心配をかけて親不孝な息子だな」
と感じていました。
そして、2018年の4月からフリーランスになりましたが、4月から年末まではに気まずくて実家に帰ることができませんでした。
でも、正月に帰った時に
「あんじょう仕事あるんか?」
と聞かれたとき、
「おかげさまで本の出版もできたし、インタビュー記事や動画の依頼もあり何とかやれてる」と言った時に、「そうか」と言ってくれました。
そのやり取りをしながら1つ、学生の頃の父の姿を思い出しました。
ある日、父と母がつかみ合いながらぼくの部屋に飛び込んできました。
父「なんだワレェ!」
母「あんたこそ何よ!」
ヤバイ!
そう思っていたその時、父の仕事の得意先からの電話が入りました。
「お父さん、電話やで」
と伝えると、父は
「毎度おおきに!」
笑顔で大きな声で明るく話す、職人の父の姿がありました。
どれだけ機嫌が悪くても得意先の人には一切そういうそぶりを見せずに、心を切り替えて家族のために頑張ってくれていたのです。フリーランスになって、あらためて父の凄さを感じました。
そして、そういう姿を覚えてることや、「頑張ってきてくれてありがとう」と伝えたら、、、
照れ臭そうに
顔をしわくちゃにして
ニコっとしてくれました。
親子といえど、すれ違うことはありますよね。
もちろん、親からどう思われるかもありますが、
「自分がどうしたいか」
「後悔なく人生とは何か」
を伝えて、実行していくこと。そうすることで、また笑える時はやってくると思います。
自分にできることは、
「この道を選んで良かった」
と自分はもちろん周囲の人たちも思えるほどの努力・行動をするっていうことが本当に大事なことだなと、今振り返ってみても思います。
これまで信頼して仕事を任せていただいている皆さん本当にありがとうございます。
また、
「ハルさんのやろうとしてる事はこれからの時代、絶対大事だよ」
と応援してくれる皆さん、本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
ここからは、過去のぼくのように
「こんなことするのは親不孝かな
「心配をかけちゃうかな」
と思ってしまって自分のやりたいことを選択できない、踏み出せない人に、「親ブロック」の心理的な乗り越え方をシェアさせていただきます。
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▼連載:第1話
親ブロックの乗り越え方
まずは過去を振り返って、「親からどんな言葉をかけられていたか」を言語化すること。これがすごく大事です。
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