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エネルギーの無駄遣いを防ぐ -感情のラベリング-

こんにちは。ホリスティックコーチの佐藤草(さとうそう)です。
オランダから、心や身体をととのえるためのちょっとした取り組みをお届けしています。

今日は、簡単にできる感情と間(ま)を取るためのワークをご紹介します。

<こんな方に>
・人と関わるお仕事をされている方
・何となく疲れが溜まりやすい方
・より良いパフォーマンスを発揮し続けたい方
・思っていることがなかなか人に伝わらないという方
・他者の感情やエネルギーに影響を受けやすい共感体質(エンパス)の方

1. 感情と間(ま)を取るためのワーク -感情のラベリング-

<感情のラベリングの方法>
①目を閉じる
②何回か深呼吸をする
③今ある感情を感じる
④その感情に名前を聞いてみる
⑤名前を見つけたら、「これは○○なんだなー」とその感情を味わってみる

「名前を聞いてみるというのはどういうこと?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

これは、その通り「あなたの名前は何?」と心の中で問いかけてもいいですし、「この感情は何だろうなー」と考えてみても大丈夫です。
(考えても分からないというときはぜひ、問いかけてみてください)

<感情のラベリングの効能>
①自分の感情に振り回されなくなる・心の静けさを保てるようになる
③一見ネガティブな感情も、自分を後押しする力にすることができる
③他者に対して建設的なコミュニケーションを取るための土台ができる

2. 感情の種類を知っていますか?

「名前」というのは感情の種類のことです。

私たちよく知っている感情の種類と言えば…喜怒哀楽。
喜び、怒り、哀しみ、楽しみですね。

他にも、たとえば心理学者のロバート・プルチックは人の感情には8つの基本感情があるとしています。
8つの基本感情:怒り、恐れ、期待、驚き、喜び、悲しみ、信頼、嫌悪

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シックスセカンズジャパンWebサイトより引用

また、NVC(Non-violent Communication:非暴力コミュニケーション)では、人には愛おしい・誇らしい・満足している・安心している・もどかしい・恥ずかしい・飽き飽きした・落ち込んだなど、様々な感情があるという考えを土台にしています。

感情に名前をつけようとすることで私たちはその感情を客観的に捉え、距離を置くことができるようになります。

3. 自分の感情を、まずは自分自身が受け止める

感情はまず、感覚となって現れます。
「腹が立つ」や「頭にくる」という言葉があるもの、感情が身体の感覚からくるためです。

「もやもやする」「むかむかする」など漠然とした感覚のこともあります。

赤ちゃんのときは、その感覚が何を意味しているのかが自分でも分からず泣いたりむずがったりということをしますが、成長するにつれて、その感覚がどんな感情を表しているのかを表現することができるようになります。

しかし、大人になるにつれて、感覚自体を感じなくなってしまうということも起こります。

私はコーチングセッションの際に「今どんなことを感じていますか?」と聞くことがありますが、それに対して「考えていること」「考えてきたこと」を答えることはできても、「感じていること」を答えることができない方も多くいらっしゃいます。

自分の感情を適切な言葉で表現できないという場合もあります。

感覚を感じず、感情を適切な言葉で表現できないとどうなるでしょうか…。

例えば自分にはよく分からない考えを話す人がいたとき。

感じたもやもやを「よく分からなくて当惑している」という気持ちだと捉えることができずに、「あなたの考えって変じゃない!?」と伝えてしまうということがあるかもしれません。

自分の感情を適切に表現することができないと、人とのコミュニケーションが上手くいかなくなってしまいます。

もしくは、感覚を感じないままだと知らないうちにストレスが溜まり、それが一気に身体の不調として現れるということもあります。

4. 1日に数回、立ち止まって感情を感じてみる

自分の感情を人が受け止めてくれるとは限りませんが、少なくとも、自分の感情を自分が受け止めるということはできます。

むしろ、自分の感情をしっかりと受け止めることができるのは自分だけ。

こんなときにはぜひ、立ち止まって自分の感情を受け止めてみてください。

<こんなときにオススメ>
①1日の終わりに 「今日はどんな感情を感じたかな」
②何となくもやもやしたものを感じたとき「今何を感じているかな」
③仕事の休憩の際に「この時間、どんなことを感じたかな」

私は、感情をしっかり感じることを「感情を成仏させる」と言ったりもします。

しっかり感じてあげると、「感じてくれてありがとう」と、天に昇っていく、もしくは、自分を助ける力になってくれるような感じがしています。

ネガティブな感情というのは一見、「やだな」「感じたくないな」と思ってそれにフタをしてしまいがちですが、そうすると感情が「感じてくれー」と、いつまでも居座ることになります。

居座っている感情があると、無意識にエネルギーがそれに使われてしまうということが起こります。(結果として、集中できなかったり、何だか疲れたり…)

自分自身の土台がととのいエネルギーの無駄遣いがなくなると、本来持っている力は自然と発揮されていきます。

まずは一日一回からでも、「感情を感じて名前をつける」ということをやってみてください。

5. 感情を表現する言葉が見つけられない方に

私たちは本当に繊細な、様々な種類の感情を持っていますが、それを適切に表現する言葉を見つけられないということもよくあります。

そんなときにオススメなのは

<感情を表現する名前が見つけられない方にオススメの取り組み>
①NVC(Non-Violent Communication)を学んでみる
②「プルチックの感情の輪」について学んでみる
②感情を表現する言葉のボキャブラリーが豊富なコーチと対話をする

①NVC(Non-Violent Communication)を学んでみる
NVCはアメリカの臨床心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系化された攻撃的・暴力的にならずにコミュニケーションを交わすことによって、自分の内と外に平和をつくるプロセスです。

NVCでは、Feeling(気持ち・感情)のリストというのがあります。さらに、感情の大元にあるNeeds(欲求)を見つけ、それを相手に伝えるという方法も示しています。

NVCの書籍にもFeelingやNeedsの一覧が掲載されています。

②「プルチックの感情の輪」について学んでみる
プルチックの感情の輪は、EQ(Emotional Intelligence)の中の「感情リテラシー」を高めるためにも役立つと言われています。

「プルチックの感情の輪」についてはこちらで詳しく説明されています。

②感情の名前についてボキャブラリーの豊富なコーチと対話をする
①②については自分の主観を元にした「一人称の視点」ですが、それに加えて、二人称の視点を組み合わせると、さらに感覚や感情を繊細に表現することができます。

二人称の視点とは、自分以外の人が1対1で向き合い、共に体験し、感じたことを伝えてくれる視点のことです。

二人称的視点についてはこちらでも説明しています。

特に感情の表現についてボキャブラリーの豊富なコーチであれば、自分では上手く表現できない感情も「こんな感じですか?」と言葉にすることを後押ししてくれます。

エンパスと呼ばれる共感力の高いコーチであれば、あなたの身体の感覚や感情を一緒に感じることができるので、言葉にならないものを言葉にすることをさらに後押しすることができます。

エンパスのコーチとして困ったことや、エンパスを活かすためのセルフチューニングのワークについてはこちらにまとめています。



「感情のラベリング」のワークについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?

「感情に名前をつける」ということを通じて、あなたが、本来持っている力を発揮して、さらに活き活きと毎日を過ごしていくことができますように!

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