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自己受容~自己の存在を信じるヒント~①

2022年12月4日
MICC研究所 成果発表会




①自己受容って何?



◆基礎概念

自己受容とはありのままの自分を受け入れる事である。
ありのままの自分とは、思考存在が自然的な状態の事、
過去現在未来含めた主観視点の自己に関する事。
 受容⇒無条件に認める 受け入れる
 許容⇒条件・範囲付き 許し認める
善い悪い・評価・価値・意義ではない。
また、自分は自分である事(自己認識)『自己=自己』
存在の認識を事実として受け止める自己一致である。
自己認識・認知の一致状態と考えられる。自己を認識
する事は、自分自身についてはっきり知る事(メタ認知) つまり、自己を自覚的に捉え、自分が何を考えているか自覚する事となる。
※メタ認知とは・・・
自らの認知(自身の思考・知的機能)についての知識。
その内容は、認知的遂行・情報処理スキル・監督・制御・要求の違い・知識の源泉・心の理論の
発達などがある。

少し違ったイメージをすると、自己受容とはパズルのような感覚ともいえる。
受容していく感覚は自己というピースを1つ1つ認識しつなげいく作業のようである。
自分の頭の情報をつなげて埋めていくパズルのようである。自己を自己で埋める事は、自己で満たされる事となる。満たされた感覚は安心・存在意義など自己満足感・充足感を得る。


◆自己受容で何が出来る?影響効果

自己を認め受け入れる事で、自己効力感・自尊心・セルフコントロール(ポジティブな心の働き)を発達させる。また、他者を認め受け入れる事が可能となる。
自己認知・認識が自己理解・自己開示・客観化・他者認知を深め高めた結果といえる。
自己制御・抑制・調整それらに作用し自己受容がもたらす影響は周囲にも及ぶ。
自己と他者という違いや、自己の存在の事実に気付く事は自己以外にも気付く事である。
よって、自己を認める事は、自己を通してみる他者に対する認知が高まる。
その為、自己を受け入れる事は、他者・自己を取り巻く事物も受け入れる事が可能となるといえる。
つまり、この気付きとポジティブな心の働きは自己以外をありのまま受け入れようとする時、心の整理をスムーズにする作用をもたらしていく。その結果、他者受容へとつながる。

そして、人の存在はそれ1つでは成り立たない。図1のように全ての人は『自己』を中心に様々な他者・物との関係性を持つ。それは『自己』が拒絶・無関心の行動をしても、切っても切れないつながりで存在していく。また、図1のように大きな存在(組織)の中の一番最小なのが『自己』であり、『他者』の中に『自己』が存在する、『自己』の中に『他者』が存在する関係である。区別と一体化という一見矛盾の立場をとる。その中で、自分は自分であるという自己認識を深め、自己を捉えていく。自己が確立していくと他者に対して認知・許容のズレを自己で修正していく事が出来る。
輪の中で社会共感性を感じ、つながりと時間を意識していく事が重要である。
つながりがあるからこそ『自己』『他者』の存在を共感し、時間の流れがあるからこそ存続(継続性・
永続性)を感じられる。自己は他者(社会)との共存が必要である。共存の関係性が『自己は自己である』という自覚を促すだろう。